90°- θ,180°- θ の三角比
\(90°- \theta,180°- \theta\) の三角比
以下のような公式?があります。
- \(\sin \theta=\cos (90°- \theta)\)
- \(\cos \theta=\sin (90°- \theta)\)
- \(\tan \theta=\displaystyle \frac{1}{\tan (90°- \theta)}\)
- \(\sin \theta=\sin (180°- \theta)\)
- \(\cos \theta=-\cos (180°- \theta)\)
- \(\tan \theta=-\tan (180°- \theta)\)
まったく暗記する必要はありませんし、
むしろ暗記してはいけません。
-(マイナス)がつくかどうか間違えないように完璧に暗記するなど、無意味な労力です。
直角三角形を図示すれば、すぐに導かれることばかりです。
どのように、直角三角形の図示から解答が導かれるのか。
この解法・利用法の流れを覚えて、自分で再現できるかを練習することが大事です。
例題1
\(\sin 65°\) を \(45°\) 以下の角の三角比で表しなさい。
解説
図示します。
合同な直角三角形を回転、裏返しをするだけです。
\(\sin 65°=b=\cos 25°\)
がすぐにわかりますね!
よって、\(\cos 25°\) が答えとなります。
※ちなみにこれは \(\tan\) でも表せるのでしょうが・・・
これについては考える必要はありません。
厳密に言えば、それを考えなくてよいような問題文で出題すべきなんですけど。
あまり悩まないようにしてください。
例題2
\(\sin 130°\) を \(90°\) 以下の角の三角比で表しなさい。
解説
図示します。
\(P_{1}\) の \(y\) 座標が \(\sin 130°\) ですから、
\(P_{2}\) の \(y\) 座標である \(\sin 50°\) と等しいですね。
つまり、\(\sin 130°=\sin 50°\) がすぐにわかりますね!
また、例題 \(1\) のような、合同な直角三角形の図示をすることで、
\(\sin 50°=\cos 40°\) もわかります。
よって、\(\sin 50°,\cos 40°\) の \(2\) 通りが答えです。
例題3
\(\tan 70°\) を \(45°\) 以下の角の三角比で表しなさい。
解説
図示します。
\(\tan 70°=\displaystyle \frac{b}{a}\)
これをどうやって、 \(45°\) 以下の角の三角比にするか。
これはもう下の解法を暗記しましょう。
\(\tan 20°=\displaystyle \frac{a}{b}\)
なので、
\(\tan 20°\) の逆数が \(\tan 70°\) です。
つまり、
\(\tan 70°=\displaystyle \frac{1}{\tan 20°}\)
これが答えです。
例題4
次の三角比を、鋭角の三角比で表しなさい。
① \(\cos 160°\)
② \(\tan 160°\)
解説
上と同様に、単位円と直角三角形の図示により答えを導きます。
①
\(\cos 160°=-\cos 20°\)
\(-\cos 20°=-\sin 70°\)
よって答えは、 \(-\cos 20°,-\sin 70°\) となります。
②
\(\tan 160°\) は負の値です。
しかし、鋭角の \(\tan\) は正の値です。
よって、答えには \(-\) がつきますね。
\(\tan 160°=-\tan 20°\)
\(-\tan 20°=-\displaystyle \frac{1}{\tan 70°}\)
よって答えは、\(-\tan 20°,-\displaystyle \frac{1}{\tan 70°}\) となります。