くじ引きの確率・確率の総合問題

くじ引きの確率・確率の総合問題

くじ引きの問題は、確率の基礎学習が一通り身についているかどうかを探るにはピッタリの問題です。これに、「条件つき確率」の要素を入れた出題が、センター試験で頻出です。
ていねいに確実に身につけましょう。決して難しくないので、必ずや得点源になります!!

例題1

\(10\) 本のくじの中に、当たりが \(3\) 本入っていて、\(A\) くん、\(B\) くんの順にくじを引いた。
一度引いたくじはもとに戻さないとき、次の確率を求めなさい。

(1) \(2\) 人ともはずれの確率

(2)\(A\) くんがはずれ、\(B\) くんが当たりの確率

(3)\(B\) くんが当たりの確率

解説

(1) \(2\) 人ともはずれの確率

\(A\) がはずれの確率は、\(\displaystyle \frac{7}{10}\)

次に、残ったくじは、当たり \(3\) 本、はずれ \(6\) 本となっているので、

\(B\) がはずれの確率は、\(\displaystyle \frac{6}{9}\)

より、\(2\) 人ともはずれの確率は、

\(\displaystyle \frac{7}{10}×\displaystyle \frac{6}{9}=\displaystyle \frac{7}{15}\)

(2)\(A\) がはずれ、\(B\) が当たりの確率

\(A\) がはずれの確率は、\(\displaystyle \frac{7}{10}\)

次に、残ったくじは、当たり \(3\) 本、はずれ \(6\) 本となっているので、

\(B\) が当たりの確率は、\(\displaystyle \frac{3}{9}\)

より、\(A\) がはずれ、\(B\) が当たりの確率は、

\(\displaystyle \frac{7}{10}×\displaystyle \frac{3}{9}=\displaystyle \frac{7}{30}\)
※\(A\) がはずれの確率 \(\displaystyle \frac{7}{10}\) から、(1)の確率を引いても求まります。余事象です。

(3)\(B\) が当たりの確率

「\(A\) がはずれ、\(B\) が当たりの確率」と
「\(A\) が当たり、\(B\) が当たりの確率」の和になります。

「\(A\) がはずれ、\(B\) が当たりの確率」は、(2)で求めた \(\displaystyle \frac{7}{30}\)

「\(A\) が当たり、\(B\) が当たりの確率」は

\(\displaystyle \frac{3}{10}×\displaystyle \frac{2}{9}=\displaystyle \frac{1}{15}\)

以上合わせて、
\(\displaystyle \frac{7}{30}+\displaystyle \frac{1}{15}=\displaystyle \frac{3}{10}\)

ちなみにこれは \(A\) が当たりを引く確率と等しいですね。

くじは何番目にひいても、平等

有名な事実ですが、くじは何番目に引いても当たる確率は平等です。

\(3\) 番目に引いても、\(10\) 番目に引いても、当たる確率は等しく \(\displaystyle \frac{3}{10}\)

細かい計算抜きで、感覚的にわかる説明をすると、
\(10\) 人が順番にくじを引き、全員同時に結果を見るとします。
誰が当たりやすいのでしょうか?
全員平等に決まっていますね。
先に引いた方が有利とか、そのようはことは一切ありません。

例題2

\(10\) 本のくじの中に、当たりが \(3\) 本入っている。そこから、\(2\) 本のくじを同時に引いたとき、次の確率を求めなさい。

(1) \(2\) 本ともはずれの確率

(2)\(1\) 本が当たり、\(1\) 本がはずれの確率

解説

例題 \(1\) は、順番に \(2\) 本引くときの確率でした。
例題 \(2\) では、同時に \(2\) 本引きます。
違いを確認しておきましょう!

(1) \(2\) 本ともはずれの確率

くじ \(10\) 本をすべて区別します。
\(2\) 本のくじを引く、全場合の数は、

\(_{10} \mathrm{ C }_2=\displaystyle \frac{10×9}{2×1}=45\)(通り)

これが、この問題の確率の分母となる値になります。

(1) \(2\) 本ともはずれの確率
\(7\) 本のはずれから、\(2\) 本を選ぶので、

\(_7 \mathrm{ C }_2=\displaystyle \frac{7×6}{2×1}=21\)(通り)

より、 \(2\) 本ともはずれの確率は、

\(\displaystyle \frac{21}{45}=\displaystyle \frac{7}{15}\)

以上求まりました。

これは、例題 \(1\) の(1)、\(A\) がはずれ、\(B\) も続けてはずれの確率と同じです。

同じ確率になったのは偶然ではありません。

\(A\) がくじを引いて、そのくじの結果を見ないで
\(B\) がくじを引きます。
\(A,B\) が順番にくじの結果をみるのが例題1の(1)
\(A,B\) が同時にくじの結果をみるのがまさにこの問題、例題2の(1)
\(2\) つの場合で、当たりやすさが変わるわけがありませんね。

(2)\(1\) 本が当たり、\(1\) 本がはずれの確率

\(3\) 本の当たりから \(1\) 本を選び、\(7\) 本のはずれから \(1\) 本を選びます。その選び方の総数は、

\(3×7=21\)(通り)

より、\(1\) 本が当たり、\(1\) 本がはずれの確率は

\(\displaystyle \frac{21}{45}=\displaystyle \frac{7}{15}\)

以上求まりました。

これは例題1(2)\(A\) がはずれ、\(B\) が当たりの確率 \(\displaystyle \frac{7}{30}\) の \(2\) 倍になっています。
\(A\) が当たり、\(B\) がはずれの確率 \(\displaystyle \frac{7}{30}\) と、\(A\) がはずれ、\(B\) が当たりの確率 \(\displaystyle \frac{7}{30}\) との和になっているからです。