【センター試験ⅠA】図形の性質02

センター試験・過去問研究

センター試験の過去問を徹底解説します。
センター試験とはどれくらいのレベルの問題が出るのか、どのような出題があるのか、まずは経験値をつみましょう!

\(\triangle ABC\) において \(AB=2,AC=1,\angle A =90°\) とする。

\(\angle A \) の二等分線と辺 \(BC\) との交点を \(D\) とすると、\(BD=\displaystyle \frac{ア\sqrt{イ}}{ウ}\) である。

解説

これは、素早く正確に作図できる。もちろん不正確な作図でも答えを出せるのだけれど、
正確な作図の練習は常日頃からやっておくべきである。

高校数学無料学習サイトko-su- センター試験図形の性質 本誌H30 その1

まず正方形のマス目を薄くかいて、辺の長さの比 \(2:1\) をとります。
目分量ではあるが、短時間で正確に近づけられるものはやっておきましょう。

角の二等分線と辺の比より、
\(CD:BD=AC:AB=1:2\)

つまり、\(BD=BC×\displaystyle \frac{2}{1+2}\)

\(BC\) は三平方の定理より \(\sqrt{5}\)

よって、\(BD=BC×\displaystyle \frac{2}{3}=\displaystyle \frac{2\sqrt{5}}{3}\)

ア=2、イ=5、ウ=3

では続きです。

点 \(A\) を通り点 \(D\) で辺 \(BC\) に接する円と辺 \(AB\) との交点で \(A\) と異なるものを \(E\) とすると、

\(AB \cdot BE=\displaystyle \frac{エオ}{カ}\) であるから、 \(BE=\displaystyle \frac{キク}{ケ}\) である。

解説

三角形が先にある状態から、円を作図するのはなかなか難しいものです。

あまりきれいにかけなくとも構いませんが、図形的性質を探ることで作図ができます。

下図のように、この円の中心 \(O\) をとれます。

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まず、この円は点 \(D\) で辺 \(BC\) に接するので、赤い点線の上に中心があります。
そして、点 \(A\) を通るので、\(AO=DO\) です。目分量でとりましょう。
※\(AD\) の垂直二等分線をとっても良いですね。

さて、フリーハンドでの円の作図ですから、歪んでもOKです。

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さて、\(AB \cdot BE\) を求めるのですが、これは図をみれば明らかに「方べきの定理」です。

\(AB \cdot BE=BD^2\) で、\(BD=\displaystyle \frac{2\sqrt{5}}{3}\) は先ほど求めていますから、

\(AB \cdot BE=\displaystyle \frac{20}{9}\)

より、エ=2、オ=0、カ=9

また、\(AB=2\) なので、

\(2 \cdot BE=\displaystyle \frac{20}{9}\) より、

\(BE=\displaystyle \frac{10}{9}\)

より、キ=1、ク=0、ケ=9

さて続きです。

次の \(コ\) には下の0~2から、サ には、3・4から当てはまるものを一つずつ選べ。

\(\displaystyle \frac{BE}{BD} コ \displaystyle \frac{AB}{BC} \) であるから、直線 \(AC\) と直線 \(DE\) の交点は辺 \(AC\) の端点 \(サ\) の側の延長上にある。

0 \(\lt\)
1 \(=\)
2 \(\gt\)
3 \(A\)
4 \(C\)

解説

\(サ\) は、図を正確にかいてきた人には、図を見ただけで検討がつきます。

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\(C\) の側で交わりますね。サ=4です。

さてこれを論理的に説明するのが \(\displaystyle \frac{BE}{BD} コ \displaystyle \frac{AB}{BC} \) の式になります。

特に頭を使わずに計算すれば、

\(BE=\displaystyle \frac{10}{9}\)

\(BD=\displaystyle \frac{2\sqrt{5}}{3}\)

\(BC=\sqrt{5}\)

は今まで求めてきました。\(AB=2\) なので、

\(\displaystyle \frac{BE}{BD} =BE÷BD=\displaystyle \frac{\sqrt{5}}{3} \)

\(\displaystyle \frac{AB}{BC} =\displaystyle \frac{2}{\sqrt{5}}=\displaystyle \frac{2\sqrt{5}}{5} \)

よって、\(\displaystyle \frac{BE}{BD} \lt \displaystyle \frac{AB}{BC} \)

コ=0 
です。

この不等式の意味するものは、下図のように平行になるとき、上の式は等号になるということです。

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では続きです。

直線 \(AC\) と直線 \(DE\) の交点を \(F\) とすると、\(\displaystyle \frac{CF}{AF} = \displaystyle \frac{シ}{ス} \) であるから、 \(CF=\displaystyle \frac{セ}{ソ} \) である。

とにかく図である。

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\(\displaystyle \frac{CF}{AF}\) を求めるのは、メネラウスの定理であるとすぐにわかりますね。

今までの図のままで解けるならそれで良いのですが、すでに図がごちゃごちゃになっている人は、ここで書き直すのもありです。

メネラウスを適用するためには、図は不正確で構わないので、

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こんな図をさっと改めてかいてから計算するのも実践的です。
必要なのは、辺の比です。

\(AB=2\)、\(BE=\displaystyle \frac{10}{9}\) なので、

\(AE:EB=(2-\displaystyle \frac{10}{9}):\displaystyle \frac{10}{9}=4:5\)

メネラウスの定理より、

\(\displaystyle \frac{CF}{AF}=\displaystyle \frac{5}{8}\)

※メネラウスの定理を使わずにこれを求める方法もおすすめで、このページにて解説しています。

  • メネラウスの定理・最終奥義
  • より、シ=5、ス=8

    \(AC=1\) なので、\(CF=1×\displaystyle \frac{5}{8-5}=\displaystyle \frac{5}{3}\)

    より、セ=5、ソ=3

    続きです。これで最後です。

    したがって、\(BF\) の長さが求まり、\(\displaystyle \frac{CF}{AC} = \displaystyle \frac{BF}{AB} \) であることがわかる。
    次の タ には下の0~3から当てはまるものを一つ選べ。

    点 \(D\) は \(\triangle ABF\) の タ

    0 外心である
    1 内心である
    2 重心である
    3 外心、内心、重心のいずれでもない

    解説

    先のメネラウスの定理で、\(AC:CF=3:5\) がわかった。
    図に入れると

    高校数学無料学習サイトko-su- センター試験図形の性質 本誌H30 その8

    問題文によれば、
    「したがって、\(BF\) の長さが求まり、\(\displaystyle \frac{CF}{AC} = \displaystyle \frac{BF}{AB} \) であることがわかる」

    本当に \(BF\) の長さが求まるのか、そしてそれがいくつであるのかは一切聞かれていません。
    その結果、\(\displaystyle \frac{CF}{AC} = \displaystyle \frac{BF}{AB} \) である。

    と教えてくれています。このことから \(D\) が外心なのか内心なのか重心なのかが決まるよ
    うです。

    ではそこに注目すると、

    高校数学無料学習サイトko-su- センター試験図形の性質 本誌H30 その9

    これは、\(BC\) が角 \(B\) を二等分していることを示しています。

    角の二等分線上に \(D\) があるのですから、内心になりそうです。

    こんなときは、先にかいていた正しい図や、問題分を読み返しましょう。
    実際、角 \(A\) の二等分線上に \(D\) はあります。

    タは 1です。

    高校数学無料学習サイトko-su- センター試験図形の性質 本誌H30 その10

    ※ \(BF\) は三平方の定理で求まります。