漸化式4 a_{ n+1 }=p a_{ n }+f(n)

漸化式・階差数列をつくるタイプ

\(p \neq 1\) のとき、
\(a_{ n+1 }=p a_{ n }+f(n)\)
ただし、\(f(n)\) は \(n\) の \(1\) 次式

このパターンは、
\(a_{ n+2 }=p a_{ n+1 }+f(n+1)\)
\(a_{ n+1 }=p a_{ n }+f(n)\)

上下の差をとり、 \(n\) を消去して、階差数列をつくります。


このタイプの漸化式はかなり難しいです。
丁寧に処理をしていきましょう。

例題1

\(a_{ 1 }=1\)
\(a_{ n+1 }=2a_{ n }+n+1\)

で定義される数列 \(\{a_{ n }\}\) の一般項 \(a_{ n }\) を求めなさい。

解説

\(a_{ n }\) の係数が \(1\) ならば、簡単な階差数列型です。
しかし今回はそうではありません。

やや複雑な階差数列型なのです。とにかく解法パターンが確立されていますので、しっかりと覚えましょう。

\(a_{ n+1 }=2a_{ n }+n+1\)・・・①
\(a_{ n+2 }=2a_{ n+1 }+(n+1)+1\)・・・②

②-①より、
\(a_{ n+2 }-a_{ n+1 }=2(a_{ n+1 }-a_{ n })+1\)・・・③

ここで、\(b_{ n }=a_{ n+1 }-a_{ n }\) とおきましょう。
これってつまり、数列\(\{a_{ n }\}\) の階差数列をとったということです。
数列\(\{b_{ n }\}\) が数列\(\{a_{ n }\}\) の階差数列です。

さて、③は
\(b_{ n+1 }=2b_{ n }+1\)
より、
\(b_{ n+1 }+1=2(b_{ n }+1)\)

これは特性方程式を解くパターンですよ!!!
\(b_{ n+1 }=2b_{ n }+1\)

\(\alpha=2\alpha+1\)
を解いて、\(\alpha=-1\)

より、
\(b_{ n+1 }+1=2(b_{ n }+1)\)

数列 \(\{b_{ n }+1\}\) は、公比 \(2\) の等比数列です。
初項 \(b_{ 1 }+1\) を求めましょう。

\(b_{ n }=a_{ n+1 }-a_{ n }\) とおいたので、
\(b_{ 1 }=a_{ 2 }-a_{ 1 }\) です。

問題文で、
\(a_{ 1 }=1\)
\(a_{ n+1 }=2a_{ n }+n+1\)
と与えられたので、\(n=1\) のとき、
\(a_{ 1+1 }=2a_{ 1 }+1+1\)
\(a_{ 2 }=2\cdot 1+2=4\)

\(b_{ 1 }=a_{ 2 }-a_{ 1 }=4-1=3\) なので、
公比 \(2\) の等比数列 \(\{b_{ n }+1\}\) の初項は \(b_{ 1 }+1=3+1=4\)

つまり
\(b_{ n }+1=4\cdot2^{n-1}\)
より、
\(b_{ n }=4\cdot2^{n-1}-1\)

長々やってきましたが、数列\(\{b_{ n }\}\) は数列\(\{a_{ n }\}\) の階差数列です。
階差数列から、もとの数列の一般項を求めます。

よって \(n \geqq 2\) のとき、

\(a_{ n }=a_{ 1 }+\displaystyle \sum_{ k = 1 }^{ n-1 } b_{ k }\)

\(=a_{ 1 }+\displaystyle \sum_{ k = 1 }^{ n-1 } (4\cdot2^{k-1}-1)\)

\(=4\cdot2^{n-1}-n-2\)

\(=2^{n+1}-n-2\)

これは、\(n=1\) のとき成り立つ。

よって、  
\(a_{ n }=2^{n+1}-n-2\)

長い道のりでしたが、これで求まりました。