等比数列の和
等比数列の和
初項が \(a\) 、公比が \(r\) 、項数が \(n\) である等比数列の和 \(S_{ n }\) は
\(r \neq 1\) のとき
\(S_{ n }=a+ar+ar^2+ar^3+\cdots+ar^{n-1}=\displaystyle \frac{a(1-r^n)}{1-r}\)
\(r=1\) のとき
\(S_{ n }=na\)
\(r=1\) のとき、上の公式は分母が \(0\) になるため適用範囲外です。
\(r=1\) のときは数列が、
\(a,a,a,a,\cdots\) というつまらない数列なので、
\(n\) 個の \(a\) を足せばもちろん \(na\) です。
ほとんど考慮しなくて良い話題でしょう。
等比数列の和の例1
初項 \(3\) 、公比 \(2\) 、項数 \(5\) の等比数列の和を求めなさい。
解答
求める和を \(S\) とすると、
\(S=3+6+12+24+48=93\)
項数が少ないので、公式なしで答えが出せますね。
\(S=93\) です。
公式を適用して解くとすると
\(s=\displaystyle \frac{3(1-2^5)}{1-2}=93\)
等比数列の和の例2
初項 \(3\)、公比\(-\displaystyle \frac{1}{2}\)、項数 \(5\) の等比数列の和を求めなさい。
解答
公比が負であろうと、分数であろうとまったく関係ありません。
公式を適用できます。
参考書によっては、\(r \gt 1\) と \(r \lt 1\) で \(2\) つの公式を分けているものもあります。
そんな場合分けは一切不必要です!!
求める和を \(S\) とし、公式を適用すると
\(S=\displaystyle \frac{3\{1-(-\displaystyle \frac{1}{2})^5\}}{1-(-\displaystyle \frac{1}{2})}\)
\(=\displaystyle \frac{3\{1-(-\displaystyle \frac{1}{32})\}}{\displaystyle \frac{3}{2}}\)
\(=\displaystyle \frac{33}{16}\)
等比数列の和の例3
初項 \(4\)、公比\(-3\)、項数 \(n\) の等比数列の和を求めなさい。
解答
求める和を \(S\) とし、公式を適用すると
\(S=\displaystyle \frac{4\{1-(-3)^n\}\}}{1-(-3)}\)
\(=1-(-3)^n\)
等比数列の和の導出
等比数列の和の公式の導出は、必ず自力でできるように練習してください。
この考え方を、他の問題で利用することがあるからです。
求めたい和を \(S\) とし、公比 \(r\) をかけた \(rS\) と並べます。
\(\begin{eqnarray}S &=& a+ar+ar^2+\cdots+ar^{n-2}+ar^{n-1} \\ rS &=& \hspace{ 18pt } ar+ar^2+\cdots+ar^{n-2}+ar^{n-1}+ar^n \end{eqnarray}\)
上下に引くと、右辺のほとんどの項が消えます!
よって、
\(S-rS=a-ar^n\)
\(S(1-r)=a(1-r^n)\)
\(S=\displaystyle \frac{a(1-r^n)}{1-r}\)
これで公式が導けました。