対数の性質・3つの重要公式

対数の重要公式

以下の \(3\) つの公式は、対数における最重要公式です。
必ず暗記して、使いこなせるようになりましょう。

\(0 \lt M,0 \lt N\) で、\(n\) を実数とする。

\(\log_{ a } M+\log_{ a } N=\log_{ a } MN\)

\(\log_{ a } M-\log_{ a } N=\log_{ a } \displaystyle \frac{ M }{ N }\)

\(\log_{ a } M^n=n\log_{ a } M\)


指数法則ならぬ、対数法則とでも呼びましょうか。
一般的にはこれを対数法則とは呼びませんし、明確な名前もついていません。

これら \(3\) つの公式は
指数法則から容易に導かれます。
その証明は後回しでOKです。
とにかく体に染み込むまで練習あるのみです。
いちいち考えないで、瞬間で反応できないといけない公式たちなのです。

順に、公式の使い方を見ていきましょう。

対数の和は真数の積となる

\(\log_{ a } M+\log_{ a } N=\log_{ a } MN\)


\(\log_{ 6 } 12+\log_{ 6 } 3=\log_{ 6 } (12×3)=\log_{ 6 } 36=2\)

ちなみにこれは、指数法則 \(a^m×a^n= a^{m+n}\) に相当します。

底がそろっているときに使えます。

対数の差は真数の商となる

\(\log_{ a } M-\log_{ a } N=\log_{ a } \displaystyle \frac{ M }{ N }\)


\(\log_{ 2 } 60-\log_{ 2 } 15=\log_{ 2 } \displaystyle \frac{60}{15}=\log_{ 2 } 4=2\)

ちなみに、
これは指数法則 \(\displaystyle \frac{a^m }{ a^n }= a^{m-n}\) に相当します。

もちろん、底がそろっているときに使えます。

\(n\) 乗の対数は、対数の\(n\) 倍

\(\log_{ a } M^n=n\log_{ a } M\)


\(\log_{ 5 } 9=\log_{ 5 } 3^2=2\log_{ 5 } 3\)

ちなみに
これは、指数法則 \((a^m)^n= a^{mn}\) に相当します。

例題1

次の計算をしなさい。
\(\log_{ 2 } 6+2\log_{ 2 }3 -\log_{ 2 } 27\)

解答

底が \(2\) でそろっているので、真数のかけ算、わり算でまとめます。
\(\log_{ 2 } 6+2\log_{ 2 }3 -\log_{ 2 } 27\)

\(=\log_{ 2 } 6+\log_{ 2 }3^2 -\log_{ 2 } 27\)

\(=\log_{ 2 } \displaystyle \frac{6×3^2}{27}\)

\(=\log_{ 2 } 2\)

\(=1\)

例題2

次の計算をしなさい。
\(\log_{ 2 } \sqrt[ 3 ]{ 18 } -\displaystyle \frac{2}{3}\log_{ 2 } 6\)

解答

底が \(2\) でそろっていますね。
\(\log_{ 2 } \sqrt[ 3 ]{ 18 } -\displaystyle \frac{2}{3}\log_{ 2 } 6\)

\(=\log_{ 2 } 18^{\frac{1}{3}} -\displaystyle \frac{1}{3}×2×\log_{ 2 } 6\)

\(=\displaystyle \frac{1}{3}\log_{ 2 } 18 -\displaystyle \frac{1}{3}\log_{ 2 } 6^2\)

\(=\displaystyle \frac{1}{3}(\log_{ 2 } 18 -\log_{ 2 } 6^2)\)

\(=\displaystyle \frac{1}{3} \log_{ 2 } \displaystyle \frac{18}{6^2}\)

\(=\displaystyle \frac{1}{3} \log_{ 2 } \displaystyle \frac{1}{2}\)

\(=\displaystyle \frac{1}{3} \log_{ 2 } 2^{-1}\)

\(=-\displaystyle \frac{1}{3}\)

とにかく、たくさんの計算練習を積みましょう!!