二重根号

二重根号

根号が \(2\) 重になっているものを、二重根号といいます。


\(\sqrt{\sqrt{16}}\)

\(\sqrt{16}=4\) なので、
\(\sqrt{\sqrt{16}}=\sqrt{4}=2\)

上の例のような、\(\sqrt{\sqrt{a}}\) のようなものは、根号をはずずのは簡単ですね。
※もちろん根号がはずれないものだってありますけど。

このページの主役は、\(\sqrt{A \pm \sqrt{B}}\) の形の二重根号です。

この形の二重根号も、根号をはずせるものと、はずせないものがありますが、
はずせるものを扱います。

根号が外せる場合は以下のような場合です。

二重根号がはずれる形

\(\sqrt{a+b \pm 2\sqrt{ab}}=\sqrt{a} \pm \sqrt{b}\)
ただし、\(a \gt b \gt 0\)

\(\sqrt{a+b \pm 2\sqrt{ab}}=\sqrt{(\sqrt{a} \pm \sqrt{b})^2}=\sqrt{a} \pm \sqrt{b}\)
ということです。

二重根号を外しなさい!という問題はでますが、二重根号が外れるかどうか判定せよ!という問題はでません。
\(\sqrt{A \pm 2\sqrt{B}}\) の根号を外せ、と言われたら、和が \(A\) 、積が \(B\) になる \(2\) 数を探すという数探しゲームをするだけです。

暗記ですよ!

例題1

次の式を簡単にしなさい。

\(\sqrt{12 +8\sqrt{2}}\)

解説

二重根号を外しなさい、という問題文ではありませんが、
二重根号をはずせ、という意味です。

さて、\(\sqrt{A +2\sqrt{B}}\) の形にするというのが重要解法知識です。
覚えてないと話になりません。

\(8\sqrt{2}=2\cdot 4\sqrt{2}=2\sqrt{32}\) ですから

\(\sqrt{12 +8\sqrt{2}}=\sqrt{12 +2\sqrt{32}}\)

足して \(12\)
かけて \(32\)
になる \(2\) つの数をみつけます。
\(4,8\) ですね。
この \(4,8\) を用いて、
\(\sqrt{12 +2\sqrt{32}}=\sqrt{8}+\sqrt{4}\) と二重根号が外れます。
※慣れないうちは、両辺を \(2\) 乗して、等しくなることを確認しましょう。

よって、
\(\sqrt{12 +8\sqrt{2}}\)
\(=\sqrt{12 +2\sqrt{32}}=\sqrt{8}+\sqrt{4}\)
\(=2\sqrt{2}+2\)

※\(\sqrt{12 +2\sqrt{32}}=\sqrt{8}+\sqrt{4}\) ではなくて、
\(\sqrt{12 +2\sqrt{32}}=\sqrt{4}+\sqrt{8}\) でも正解ですが、
見つかった \(2\) 数、\(8,4\) は、大きい方からかく、というルールで徹底しましょう。
例題 \(2\) で見ますが、引き算のときに、必ず(大ー小)にするからです。

例題2

次の式を簡単にしなさい。
\(\sqrt{8 -\sqrt{60}}\)

解説

\(\sqrt{8 -\sqrt{60}}\)
\(=\sqrt{8 -2\sqrt{15}}\)

足して \(8\)
かけて \(15\)
になる \(2\) つの数をみつけます。
\(3,5\) ですね。

この \(3,5\) を用いて、
\(\sqrt{8 -2\sqrt{15}}=\sqrt{5}-\sqrt{3}\)
と二重根号が外れます。
必ず大きい方から小さい方を引きます。

例題3

次の式を簡単にしなさい。
\(\sqrt{3 -\sqrt{5}}\)

解説

まず、\(\sqrt{A +2\sqrt{B}}\) の形にするという解法知識です。

\(\sqrt{3 -\sqrt{5}}\)

\(=\sqrt{\displaystyle \frac{6 -2\sqrt{5}}{2}}\)

\(=\displaystyle \frac{\sqrt{6 -2\sqrt{5}}}{\sqrt{2}}\)

ここで分子の二重根号を外します。

足して \(6\)
かけて \(5\)
になる \(2\) つの数をみつけます。
\(5,1\) ですね。

この \(5,1\) を用いて、
\(\sqrt{6 -2\sqrt{5}}=\sqrt{5}-\sqrt{1}\)
と二重根号が外れます。
必ず大きい方から小さい方を引きます。

つまり、

\(\displaystyle \frac{\sqrt{6 -2\sqrt{5}}}{\sqrt{2}}\)

\(=\displaystyle \frac{\sqrt{5} -\sqrt{1}}{\sqrt{2}}\)

\(=\displaystyle \frac{\sqrt{10} -\sqrt{2}}{2}\)

例題4

次の式を簡単にしなさい。
\(\sqrt{8+3\sqrt{7}}\)

解説

まず、\(\sqrt{A +2\sqrt{B}}\) の形にするという解法知識ですが・・・

どんな式変形をすればいいか難しいですね。

とにかく、\(\sqrt{7}\) の前に \(2\) をつけたいのですから、
分子分母を \(2\) 倍しましょう。
つまり、

\(\sqrt{8+3\sqrt{7}}\)

\(=\sqrt{\displaystyle \frac{16 +2\cdot3\sqrt{7}}{2}}\)

\(=\sqrt{\displaystyle \frac{16 +2\sqrt{63}}{2}}\)

\(=\displaystyle \frac{\sqrt{16 +2\sqrt{63}}}{\sqrt{2}}\)

ここで分子の二重根号を外します。

足して \(16\)
かけて \(63\)
になる \(2\) つの数をみつけます。
\(9,7\) ですね。

この \(9,7\) を用いて、
\(\sqrt{16 +2\sqrt{63}}=\sqrt{9}+\sqrt{7}=3+\sqrt{7}\)
と二重根号が外れます。

つまり、

\(\displaystyle \frac{\sqrt{16 +2\sqrt{63}}}{\sqrt{2}}\)

\(=\displaystyle \frac{3+\sqrt{7}}{\sqrt{2}}\)

\(=\displaystyle \frac{3\sqrt{2} +\sqrt{14}}{2}\)