順列
順列
異なる \(n\) 個のものから \(r\) 個を選んで取り出し、 \(1\) 列に並べたものを、
\(n\) 個から \(r\) 個とる順列といい、その総数は
\(_n \mathrm{ P }_r\)
\(_n \mathrm{ P }_r=\underbrace{n(n-1)(n-2)\cdots(n-r+1) }_{ r個の積 }\)
例
\(_6 \mathrm{ P }_4=\underbrace{6×5×4×3 }_{ 4個の積 }=360\)
\(_5 \mathrm{ P }_2=\underbrace{5×4 }_{ 2個の積 }=20\)
この順列の公式は、樹形図から得られます。
順列の公式は樹形図から
例
\(1,2,3,4,5,6\) がかかれた \(6\) 枚のカードから \(3\) 枚を選び、\(3\) けたの整数をつくる。
何通り作れるか。
順列の公式
異なる \(6\) 枚から \(3\) 個を選んで取り出し、 \(1\) 列に並べるので、
\(6\) 個から \(3\) 個とる順列です。
\(_6 \mathrm{ P }_3=\underbrace{6×5×4 }_{ 3個の積 }=120\) 通り
答えは求まったわけですが、なぜこのかけ算で求まるのか。
まったく意味がわからないのでは困ります。
今後の学習がまったく意味不明になるか、深く理解できるかの分かれ目です。
なぜこの順列の公式なのか、それは樹形図から得られます。
樹形図
つくれる \(3\) けたの整数をかき出してみましょう。
当然の樹形図です。
まずは百の位です。
百の位は \(1\) から \(6\) の \(6\) 通りありますが、まずは百の位が \(1\) のときを書き出してみましょう。
十の位は \(2,3,4,5,6\) の \(5\) 通りです。
一の位はまだ書かないでおきましょう。
続いて 一の位です。
十の位が \(2\) のときは、一の位は \(3,4,5,6\) の \(4\) 通り
十の位が \(3\) のときは、一の位は \(2,4,5,6\) の \(4\) 通り
つまり、百の位でも十の位でも使わなかった、残り \(4\) つから選べるわけです。
ですから、
十の位が \(4\) のときも、
十の位が \(5\) のときも、
十の位が \(6\) のときも、一の位は \(4\) 通りずつあります。
つまり、百の位が \(1\) のとき、\(5×4=20\) (通り)あります。
百の位が \(2\) のときも、同様の考察で \(20\) 通り、
以下、百の位が \(3,4,5,6\) 、いくつであっても同様の規則正しい枝分かれをするので、
\(20\) 通りずつあります。
つまり、
\(6×5×4=120\) (通り)です。
この樹形図全体を見ながら、順列の公式を確認しましょう。
まず、\(6\) 通りの枝分かれがあります。
次に、\(6\) 通りの枝分かれすべてが、\(5\) 通りの枝分かれをします。
最後に、今までの枝分かれすべてで、\(4\) 通りの枝分かれがあります。
全部で、\(6×5×4=120\) (通り)です。
これこそが順列の公式の意味するところなのです。
理解・暗記をしましょう!!
※樹形図の枝分かれに何ら制限がなく、あらゆる場合に規則正しく枝分かれがおきている。
積の法則の利用といっても良いです。
階乗
\(n!=n(n-1)(n-2)\cdots3\cdot2\cdot1\)
\(0!=1\) と定める。
ただの新しい演算記号です。
難しく考えないで覚えましょう。
階乗を用いて順列の公式を表記すると、
\(_n \mathrm{ P }_r=\displaystyle \frac{n!}{(n-r)!}\)
特に、\(_n \mathrm{ P }_n=n!\)
となります。
くり返しますが、考え込むことではなく、階乗という記号、ルールを覚えるだけです。
例
\(4!=4×3×2×1=24\)
\(_5 \mathrm{ P }_2=\displaystyle \frac{5!}{(5-2)!}\)\(=\displaystyle \frac{5×4×3×2×1}{3×2×1}=5×4=20\)
例題1
\(5\) 人から、委員長と副委員長を \(1\) 人ずつ選びます。選び方は何通りありますか。
解説
これは順列の公式で解決できるの問題でしょうか?
\(1\) 列に並べたものの総数が順列でしたっけ・・・?
よくわからないときは、とにかく全部書き出すのです!!
では書き出しです。
\(5\) 人、は区別しないといけないので、\(A,B,C,D,E\) と名前をつけます。
まずは委員長を選びます。
\(A,B,C,D,E\) の \(5\) 通りです。
委員長が \(A\) のとき、副委員長は \(B,C,D,E\) の \(4\) 通りです。
あ。
これって、樹形図が規則正しく枝分かれするやつだって、もうわかりますね。
※わからないなら、書き出すのですよ!それをやらないとまったく実力はつきません。
結局、実際に書き出しをやらなくても(ほとんどやらなくとも)、計算で解ける問題なのでした。
\(5×4=20\) (通り)です。
これはもちろん、順列の公式で解いたのと同じことです。
先頭を、委員長、次を副委員長と決めて、 \(1\) 列に並べたものと一致するからです。