因数定理

因数定理

因数定理

多項式 \(P(x)\) が \(1\) 次式 \(x-k\) を因数にもつ \(\longleftrightarrow\) \(P(k)=0\)


多項式 \(P(x)\) が \(1\) 次式 \(x-k\) を因数にもつとは、多項式 \(P(x)\) が \(1\) 次式 \(x-k\) で割り切れるという意味です。

\(P(x)\) を \(x-k\) で割ったら割り切れるとき、
\(P(x)=(x-k)Q(x)\)
とおけます。
割り切れるのですから、余りがでないということです。

\(P(k)=(k-k)Q(k)=0\)
つまり、
\(P(k)=0\)
が成り立ちます。

結局、因数定理とは、乗余の定理において、余りが \(0\) のときのことです。

例題1

\(x\) の整式 \(x^3-6x^2+ax+b\) が、 \(x+1,x-2\) でともに割り切れるとき、定数 \(a,b\) の値を求めなさい。

解説

\(P(x)=x^3-6x^2+ax+b\) とおくと、因数定理より、
\(P(-1)=0\)
つまり、
\(P(-1)=(-1)^3-6\cdot(-1)^2+a\cdot(-1)+b=0\)
\(-a+b=7\) ・・・①

\(P(2)=2^3-6\cdot2^2+a\cdot2+b=0\)
\(2a+b=16\) ・・・②
①②を解いて、
\(a=3,b=10\)

例題2

整式 \(P(x)\)は、 \(x-1\) で割ると \(3\) 余り、 \(x+2\) で割ると割り切れる。このとき、\(P(x)\) を \((x-1)(x+2)\) で割ったときの余りを求めなさい。

解説

\(P(x)\) を \(2\) 次式 \((x-1)(x+2)\) で割ったときの余りは、\(1\) 次式以下なので、
商を \(Q(x)\) とすると、余りは \(ax+b\) とおける。

つまり、
\(P(x)=(x-1)(x+2)Q(x)+ax+b\) ・・・①
剰余の定理より、
\(P(1)=3\)
また①より、
\(P(1)=a+b\)
したがって、\(a+b=3\) ・・・②

また、因数定理より、
\(P(-2)=0\)
①より、
\(P(-2)=-2a+b\)
したがって、\(-2a+b=0\) ・・・③
②、③を連立して解いて、\(a=1,b=2\)
よって、求める余り \(ax+b\) は \(x+2\)

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