不定積分

不定積分

ある関数を微分したら、\(3x^2\) になった。
もとの関数はなんであったのだろうか?

これはつまり、微分の逆を考えるということです。

展開と因数分解
指数と対数
数学において逆の関係を考えるのって、よくあることですね。

さて、微分すると、\(3x^2\) になる関数は?
答えは、

\((x^3)´=3x^2\)

\((x^3+1)´=3x^2\)

\((x^3+100)´=3x^2\)

つまり、この問題の答えは定数項の違いによって無数に存在します。
これらをまとめて、\(x^3+C\) (\(C\) は定数項で、積分定数という)とかきます。

\(x^3+C\) を \(3x^2\) の原始関数、または不定積分といい

\(\displaystyle \int 3x^2 dx\)

と表記します。

もちろん

\(\displaystyle \int 3x^2 dx =x^3+C \) (\(C\) は積分定数)

となります。このとき、(\(C\) は積分定数)という決まり文句をつけます。
暗記してください!!

一般に関数 \(f(x)\) の原始関数を \(F(x)\) で表します。
つまり、
\(\displaystyle \int f(x) dx=F(x)+C\) (\(C\) は積分定数)

\(\displaystyle \int f(x) dx\) を求めることを、\(f(x)\) を積分するといいます。


\(x^n\) の不定積分

数学Ⅱで学習する積分は、\(x^n\) の積分のみです。
※数学Ⅲでは、三角関数や指数・対数関数の微分、積分も学習します。

\(x^n\) の不定積分は以下のようになります。
右辺を微分すれば、ただちに確かめられますね。

\(x^n\) の不定積分

\(\displaystyle \int x^n dx=\displaystyle \frac{1}{n+1}x^{n+1}+C\) (\(C\) は積分定数)


\(\displaystyle \int x^3 dx=\displaystyle \frac{1}{4}x^4+C\) (\(C\) は積分定数)

\(\displaystyle \int x^2 dx=\displaystyle \frac{1}{3}x^3+C\) (\(C\) は積分定数)

\(\displaystyle \int x dx=\displaystyle \frac{1}{2}x^2+C\) (\(C\) は積分定数)

\(\displaystyle \int 1 dx=x+C\) (\(C\) は積分定数)

定数倍、和と差の不定積分

不定積分の公式

\(k\) を定数とするとき、

\(\displaystyle \int kf(x) dx=k \displaystyle \int f(x) dx\)

\(\displaystyle \int \{f(x)+g(x)\} dx=\displaystyle \int f(x) dx +\displaystyle \int g(x) dx \)

\( \displaystyle \int \{f(x)-g(x)\} dx=\displaystyle \int f(x) dx -\displaystyle \int g(x) dx \)


なんとも直感通りの計算が成立します。
公式として暗記ってほどのこともないです。


\(\displaystyle \int 4x^2 dx=4×\displaystyle \int x^2 dx=4×\displaystyle \frac{1}{3}x^3+C=\displaystyle \frac{4}{3}x^3+C\) (\(C\) は積分定数)

\(C\) はなんで \(4C\) としないのか?
\(C\) はすべての定数を含んでいるので、改めて書き直す必要はないのです。
むしろ、\(4C\) と書いてある方が変なのです。

※\(4×\displaystyle \int x^2 dx\) は普通 \(4\displaystyle \int x^2 dx\) と表記します。

例題1

次の不定積分を求めなさい。
\(\displaystyle \int (6x^2-1) dx+\displaystyle \int (4x+3) dx\)

解説

\(\displaystyle \int (6x^2-1) dx+\displaystyle \int (4x+3) dx\)

\(=\displaystyle \int \{(6x^2-1)+(4x+3)\} dx\)

\(=\displaystyle \int (6x^2+4x+2) dx\)

\(=\displaystyle \int 2(3x^2+2x+1) dx\)

\(=2\displaystyle \int (3x^2+2x+1) dx\)

\(=2×(x^3+x^2+x)+C\)

\(=2x^3+2x^2+2x+C\) (\(C\) は積分定数)

例題2

次の不定積分を求めなさい。
\(\displaystyle \int (x-1)(x+2) dx\)

解説

展開してから積分します。

\(\displaystyle \int (x-1)(x+2) dx\)

\(=\displaystyle \int (x^2+x-2) dx\)

\(=\displaystyle \frac{1}{3}x^3+\displaystyle \frac{1}{2}x^2-2x+C\) (\(C\) は積分定数)