【センター試験Ⅱ・B】指数関数・対数関数

センター試験・過去問研究

センター試験の過去問を徹底解説します。
センター試験とはどれくらいのレベルの問題が出るのか、どのような出題があるのか、まずは経験値をつみましょう!

\(x \gt 1,y \gt 0\) の範囲にある \(x,y\) が

\((2y)^{\log_{ 4 } x}=16\)・・・①

を満たすとき、\(A=x\sqrt{y}\) の最小値を求めよう。

\(s=\log_{ 2 } x,t=\log_{ 2 } y\) とおく。\(x\) が \(x \gt 1\) の範囲にあるとき、\(s\) のとり得る値の範囲は \(s \gt ア\) である。また、\(\log_{ 2 } A\) を \(s\) と \(t\) を用いて表すと

\(\log_{ 2 } A=s+\displaystyle \frac{t}{イ}\)・・・②

である。

筆者注 続く


解説

\(ア\) は対数の基礎の基礎にあたる問題。対数の値域に関してです。
丸暗記しているべき重要事項ですが、対数のグラフの概形をさっと書いてみて確かめるのもありでしょう。

\(s=\log_{ 2 }x \gt 0\) です。

より、ア=0

また、\(\log_{ 2 } A=\log_{ 2 } x\sqrt{y}\) なので、

\(\log_{ 2 } x\sqrt{y}\)

\(=\log_{ 2 } x+\log_{ 2 } \sqrt{y}\)

\(= \log_{ 2 } x+\log_{ 2 } y^{\frac{1}{2}}\)

\(= \log_{ 2 } x+\displaystyle \frac{1}{2}\log_{ 2 } y\)

\(=s+\displaystyle \frac{t}{2}\)

より、イ=2

これも基本中の基本の式変形でした。

では続きです。

底の変換公式により

\(\log_{ 4 } x=ウs\)・・・③

が成り立つ。\(ウ\) に当てはまるものを、次の0~7のうちから一つ選べ。

0 \(-\displaystyle \frac{1}{4}\)

1 \(-\displaystyle \frac{1}{2}\)

2 \(-2\)
3 \(-4\)

4 \(\displaystyle \frac{1}{4}\)

5 \(\displaystyle \frac{1}{2}\)

6 \(2\)
7 \(4\)

筆者注 続く

\(\log_{ 4 } x\) を \(s=\log_{ 2 }x\) の定数倍にできるらしいです。

言われたとおりに、底の変換公式を使います。

新しい底は \(2\) が良いでしょうね。だって、 \(s=\log_{ 2 }x\) で表すのですから。

\(\log_{ 4 } x=\displaystyle \frac{\log_{ 2 }x}{\log_{ 2 }4}\)

\(=\displaystyle \frac{\log_{ 2 }x}{2}\)

\(=\displaystyle \frac{s}{2}\)

つまり、選択肢5

より、ウ=5
では後半戦へ!

①の両辺の \(2\) を底とする対数をとると、③により、

\(s(t+エ)=オ\)・・・④

が成り立つ。②、④により、\(\log_{ 2 } A\) を \(s\) を用いて表すと

\(\log_{ 2 } A=s+\displaystyle \frac{カ}{s}-\displaystyle \frac{キ}{ク}\)

となる。

筆者注 続く

言われたとおり、①の両辺の \(2\) を底とする対数とります。
\((2y)^{\log_{ 4 } x}=16\)・・・①
なので、
\(\log_{ 2 } (2y)^{\log_{ 4 } x}=\log_{ 2 } 16\)

整理しておきましょう。

\(\log_{ 4 } x \cdot \log_{ 2 } 2y=4\)

これに、③、\(\log_{ 4 } x=\displaystyle \frac{s}{2}\) を使うと、問題文が誘導しているので、

\(\displaystyle \frac{s}{2} \cdot \log_{ 2 } 2y=4\)

目指す解答欄には \(t\) もあるので、\(t=\log_{ 2 } y\) も使えるように変形します。

\(\displaystyle \frac{s}{2} \cdot \log_{ 2 } 2y=4\)

\(\displaystyle \frac{s}{2} (\log_{ 2 } 2 +\log_{ 2 } y)=4\)

\(\displaystyle \frac{s}{2} (1+t)=4\)

\(s(t+1)=8\)
これが目指す④式ですね。

より、エ=1、オ=8

さて、次はこれです。

②、④により、\(\log_{ 2 } A\) を \(s\) を用いて表すと

\(\log_{ 2 } A=s+\displaystyle \frac{カ}{s}-\displaystyle \frac{キ}{ク}\)

言われたとおりに②,④を使いましょう。
②は、\(\log_{ 2 } A=s+\displaystyle \frac{t}{2}\)

④は、\(s(t+1)=8\)

これで、\(\log_{ 2 } A\) を \(s\) を用いて表す。

つまり、④より、\(t=\displaystyle \frac{8}{s}-1\)

これを②に代入して、

\(\log_{ 2 } A=s+\displaystyle \frac{4}{s}-\displaystyle \frac{1}{2}\)

より、カ=4、キ=1、ク=2

では最後です。

\(s \gt ア\) であることに注意すると、\(\log_{ 2 } A\) は \(s=ケ\) のとき最小値をとることがわかる。

したがって、\(A\) は \(x=コ,y=サ\) のとき、最小値 \(シ\sqrt{ス}\) をとる。

筆者注 以上


\(ア=0\) は一番はじめに求めています。

さて、
\(\log_{ 2 } A=s+\displaystyle \frac{4}{s}-\displaystyle \frac{1}{2}\)

の最小値を求めます。

これは、「相加相乗平均の関係」を使う!とピンときてください。

こればかりは経験値というか、暗記と言うか。

発想力を鍛えるのとは違います。

\(s\) と \(\displaystyle \frac{4}{s}\) があるので、この形は「相加相乗平均の関係」を使うパターンだ!と、経験値が教えてくれるわけです。

\(s \gt 0\) のとき、\(\displaystyle \frac{4}{s} \gt 0\)

よって、相加平均と相乗平均の関係より、

\(s+\displaystyle \frac{4}{s} \geqq 2\sqrt{s×\displaystyle \frac{4}{s}}=4\)

等号成立は、\(s=\displaystyle \frac{4}{s}\) のとき、

つまり、\(s^2=4\) なので、\(s= \pm 2\)
いま、 \(s \gt 0\) なので、\(s=2\) のときに等号成立します。

この等号のときが、\(s+\displaystyle \frac{4}{s} \) の最小値なので、\(s=2\) のときに

\(\log_{ 2 } A=s+\displaystyle \frac{4}{s}-\displaystyle \frac{1}{2}\) 

は最小値をとります。

より、ケ=2

また、問題冒頭より、\(s=\log_{ 2 } x,t=\log_{ 2 } y\) でしたね。
また④式、\(s(t+1)=8\) です。

これらを用いて、\(s=2\) のとき、
\(2=\log_{ 2 } x\) より、\(x=2^2=4\)

より、コ=4

\(s(t+1)=8\) から、\(s=2\) のとき、\(t=3\)

また、\(t=\log_{ 2 } y\) なので、

\(3=\log_{ 2 } y\) より、\(y=2^3=8\)

より、サ=8

\(\log_{ 2 } A=s+\displaystyle \frac{4}{s}-\displaystyle \frac{1}{2}\) 

に \(s=2\) を代入すると、

\(\log_{ 2 } A=2+\displaystyle \frac{4}{2}-\displaystyle \frac{1}{2}\) 

\(\log_{ 2 } A=\displaystyle \frac{7}{2}\)

\(A=2^{ \frac{7}{2}}=2^3×2^{ \frac{1}{2}}=8\sqrt{2}\)

より、シ=8、ス=2

以上すべて求まりました。