極限値
極限値
関数 \(f(x)\) において、\(x\) が限りなく \(a\) に近づくとき、
\(f(x)\) が一定の値 \(\alpha\) に限りなく近づくならば、
\(\displaystyle \lim_{ x \to a } f(x) = \alpha\)
とかき、
\(\alpha\) を \(x\) が \(a\) に限りなく近づくときの \(f(x)\) の極限値といいます。
数Ⅱの範囲で扱う極限値は、
\(\displaystyle \lim_{ x \to a } f(x) = f(a)\)
と考えればOKです。
なにやら難しい定義をしていますね。
一見あたりまえのことを主張しています。
例えば
\(f(x)=x^2\) において、
\(x\) を \(1.2\) → \(1.1\) → \(1.05\) → \(1.02\) → \(1.01\) → \(1.005\) →・・・
のように、 \(1\) に限りなく近づけていきます。
そのとき、\(f(x)\) は
\(f(1.2)=1.2^2=1.44\)
\(f(1.1)=1.1^2=1.21\)
\(f(1.05)=1.05^2=1.1025\)
\(f(1.02)=1.02^2=1.0404\)
\(f(1.01)=1.01^2=1.0201\)
\(f(1.005)=1.005^2=1.010025\)
と\(f(1)\) に限りなく近づいていきます。
その終着点が、 \(f(1)=1^2=1\) であり、
この \(1\) が極限値です。
多項式の極限値は、ただ値を代入すればOKです。
つまり、\(\displaystyle \lim_{ x \to a } f(x) = f(a)\)
例
極限値 \(\displaystyle \lim_{ h \to 0 } 2h^2+3h-1\) を求めなさい。
解答
\(\displaystyle \lim_{ h \to 0 } 2h^2+3h-1 =-1\)
※ \(h=0\) を \(2h^2+3h-1\) に代入して計算しただけです。
不定形
次の極限値を考えてみましょう。
\(\displaystyle \lim_{ h \to 0 } \displaystyle \frac{h^2+5h}{h} \)
\(h=0\) と単純に代入することができません。
\(\displaystyle \frac{0}{0}\) ・・・0分の0という意味不明な分数
になってしまいます。
数学において、 \(0\) で割ることは許されません。
どうすればいいのかというと、
単純な話で、約分してから \(h=0\) を代入します。
\(\displaystyle \lim_{ h \to 0 } \displaystyle \frac{h^2+5h}{h} =\displaystyle \lim_{ h \to 0 } \displaystyle \frac{h(h+5)}{h} =\displaystyle \lim_{ h \to 0 } (h+5) =5\)
と求まります。
例
極限値 \(\displaystyle \lim_{ h \to 0 } \displaystyle \frac{-4h-3h^2}{h} \) を求めなさい。
解答
\(\displaystyle \lim_{ h \to 0 } \displaystyle \frac{-4h-3h^2}{h} =\displaystyle \lim_{ h \to 0 } \displaystyle \frac{h(-4-3h)}{h}=\displaystyle \lim_{ h \to 0 } (-4-3h)=-4\)