高次方程式と解
方程式の複素数解
実数を係数とする n 次方程式の解の 1 つが a+bi ならば、それと
共役な複素数 a−bi もその n 次方程式の解である。
証明は初心者には不要です。
とにかく覚えておきましょう。
例題1
x3+ax2+2x+b=0 が 1+√3i を解にもつとき、実数の係数 a,b の値を求めなさい。また、残りの解を求めなさい。
解説
解は代入します。
1+√3i を解にもつから、x3+ax2+2x+b=0 に代入して、
(1+√3i)3+a(1+√3i)2+2(1+√3i)+b=0
(1+3√3i−9−3√3i)+a(1+2√3i−3)+2(1+√3i)+b=0
左辺を i について整理します。
2√3(a+1)i+(−2a+b−6)=0
a,b は実数なので、2√3(a+1),−2a+b−6 も実数だから、
2√3(a+1)=0
−2a+b−6=0
これを解いて、a=−1,b=4
このときもとの方程式は
x3−x2+2x+4=0
ではこの 3 次方程式を解きます。
因数定理ですね。
f(x)=x3−x2+2x+4 とすると
f(−1)=0
より、(x+1) を因数に持ちます。
x3−x2+2x+4=0
(x+1)(x2−2x+4)=0
解の公式を用いて、
x=−1,1±√3i
別解
P(x)=x3+ax2+2x+b=0 ・・・①
とする。
1+√3i が P(x) の解だから、その共役複素数 1−√3i も P(x) の解である。
残りの解を x=α とすると、
P(x)=(x−α){x−(1+√3i)}{x−(1−√3i)}
{x−(1+√3i)}{x−(1−√3i)}=x2−2x+4 なので、
P(x)=(x−α){x−(1+√3i)}{x−(1−√3i)}
=(x−α)(x2−2x+4)
=x3+(−α−2)x2+(2α+4)x−4α・・・②
①と②の係数を比較すると、
a=−α−2
2=2α+4
b=−4α
より、α=−1、a=−1,b=4
以上求まりました。
a=−1,b=4
残りの解は、−1,1−√3i