3次式の因数分解
3次式の因数分解
3次式を因数分解するとき、公式の適用をまず考えます。
公式が適用できないとき、因数定理を用います。
例題1
有理数の範囲で、\(x^3-7x-6\) を因数分解しなさい。
解説
公式で因数分解できないので、因数定理を使います。
\(P(x)=x^3-7x-6\) とおきます。
\(x^3-7x-6=(x-k)Q(x)\) と因数分解されるので、
このような \(k\) を因数定理で探します。
\(P(k)=0\) を満たす \(k\) ですね。
\(P(k)=0\) を満たす \(k\) はあてはめで探すしかありませんが、
探し方は確立されています。
\(P(k)=0\) を満たす \(k\) の候補は
\(\pm \displaystyle \frac{定数項の約数}{3次の項の係数の約数}\)
この候補をあてはめて探します。
\(P(x)=x^3-7x-6\) においては、
\(\pm \displaystyle \frac{6の約数}{1}\)
なので、\(\pm 1,\pm2,\pm3,\pm6\) が候補です。
順番に、\(P(x)=x^3-7x-6\) に代入して探すしかありません。
\(P(-1)=(-1)^3-7\cdot(-1)-6=0\)
が見つかります。
よって、
\(x^3-7x-6=(x+1)Q(x)\) と因数分解できることがわかりました。
\(Q(x)\) は実際に割算をして求めるんですよ。
計算すると以下のようになります。
\(x^3-7x-6=(x+1)(x^2-x-6)\)
\(2\) 次式の部分は、今までの因数分解の知識で因数分解ができますね。
\(x^3-7x-6=(x+1)(x^2-x-6)\)
\(=(x+1)(x+2)(x-3)\)
これで完了です。
参考
\(P(x)=x^3-7x-6=(x+1)(x+2)(x-3)\)
ということは、
\(P(-1)=0\)
\(P(-2)=0\)
\(P(3)=0\)
のすべてが成立します。
つまり、はじめに因数を探すとき、
\(P(-2)=0\) や \(P(3)=0\) から見つかっても良いということです。
例題2
有理数の範囲で、\(2x^3-3x^2+7x-3\) を因数分解しなさい。
解説
公式で因数分解できないので、因数定理を使います。
\(P(x)=2x^3-3x^2+7x-3\) とおきます。
\(P(k)=0\) を満たす \(k\) の候補は
\(\pm \displaystyle \frac{3の約数}{2}\)
なので、\(\pm 1,\pm3,\pm\displaystyle \frac{1}{2},\pm\displaystyle \frac{3}{2}\) が候補です。
順番に、\(P(x)=2x^3-3x^2+7x-3\) に代入して探すしかありません。
\(P(\displaystyle \frac{1}{2})=2(\displaystyle \frac{1}{2})^3-3(\displaystyle \frac{1}{2})^2+7(\displaystyle \frac{1}{2})-3=0\)
が見つかります。
よって、
\(2x^3-3x^2+7x-3=(x-\displaystyle \frac{1}{2})Q(x)\) と因数分解できます。
つまり、
\(2x^3-3x^2+7x-3=2×(x-\displaystyle \frac{1}{2})×\displaystyle \frac{1}{2}×Q(x)\)
\(2x^3-3x^2+7x-3=(2x-1)×\displaystyle \frac{1}{2}×Q(x)\)
\(\displaystyle \frac{1}{2}×Q(x)\) は実際に割り算をして求めます。
\(2x^3-3x^2+7x-3÷(2x-1)=(x^2-x+3)\) より
\(2x^3-3x^2+7x-3=(2x-1)(x^2-x+3)\)