因数分解
因数分解
ポイント
整式をいくつかの整式の積の形にすることを因数分解といいます。
簡単に言えば、展開の逆の操作が因数分解です。
中学校でも学習しましたね。
当然ですが、バラバラにする展開よりも、バラバラから組み立てる因数分解の方が
高度な技術となります。
中学数学の復習からはじめて、高校で初出の公式まで確認します。
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共通因数でくくる因数分解
例題1
次の式を因数分解しなさい。
4x2y−6xy3
解説
因数分解において、何はともあれ真っ先にやるべきことは
共通因数をくくりだすことですね。
4x2y−6xy3
=2xy(2x−3y2)
※共通因数は 2xy
例題2
次の式を因数分解しなさい。
a(x+y)−b(x+y)
解説
a(x+y)−b(x+y)
=(a−b)(x+y)
※共通因数は x+y
わからない!という人は、 x+y=t と置きかえましょう。
a(x+y)−b(x+y)=at−bt=t(a−b) です。
例題3
次の式を因数分解しなさい。
a(x−y)+b(y−x)
解説
=a(x−y)−b(x−y)
=(a−b)(x−y)
※共通因数は x−y
公式(中学数学)による因数分解
公式は、展開の式と同一です。
x2+(a+b)x+ab=(x+a)(x+b)
x2+2ax+a2=(x+a)2
x2−2ax+a2=(x−a)2
x2−a2=(x+a)(x−a)
例1
x6−y2
=(x3)2−y2
=(x3+y)(x3−y)
例2
3x2+12xy+12y2
=3(x2+4xy+4y2)
=3(x+2y)2
※まず共通因数 3 でくくりました。
例3
−x2−8xy+48y2
=−(x2+8xy−48y2)
=−(x−4y)(x+12y)
※まず共通因数 −1 でくくりました。
公式(高校数学)による因数分解
公式は、展開の式と同一です。
a3+b3=(a+b)(a2−ab+b2)
a3−b3=(a−b)(a2+ab+b2)
a3+3a2b+3ab2+b3=(a+b)3
a3−3a2b+3ab2−b3=(a−b)3
これらの公式が適用できる!とすぐに気づくためには、3 乗の数は暗記しておきます。
毎回、素因数分解して、3 乗かどうかを確かめるのは面倒、というか無理です。
代表的なものは暗記しておかないといけません。
13=1
23=8
33=27
43=64
53=125
63=216
この 6 つは絶対に暗記です。
ちなみに 3 乗の数は立方数といいます。
例1
x3+8
=x3+23
=(x+2)(x2−2x+4)
例2
54x3−128y3
=2(27x3−64y3)
=2{(3x)3−(4y)3}
=2(3x−4y)(9x2+12xy+16y2)
例3
a3+9a2+27a+27
a3 のように、3 乗の項があって、項が 4 つならば、立方の公式が第一候補です。
a3+9a2+27a+27
=a3+3⋅a2⋅3+3⋅a⋅32+33
=(a+3)3
例4
x6−y6
=(x3)2−(y3)2
=(x3+y3)(x3−y3)
=(x+y)(x2−xy+y2)(x−y)(x2+xy+y2)
=(x+y)(x−y)(x2−xy+y2)(x2+xy+y2)
参考
はじめに 3 乗の公式を用いる人もいることでしょう。
x6−y6
=(x2)3−(y2)3
=(x2−y2)(x4+x2y2+y4)
=(x+y)(x−y)(x4+x2y2+y4)
最後の項がこれ以上因数分解できるかどうかもよくわからないですね。
実はできるのですが・・・
はじめに 3 乗の公式を用いるとうまくいかない・・・こんなのはただの運です。
あまり気にしないでください。数学の能力と関係ありません。