等比数列

等比数列

等比数列・公比

このページでは、等比数列について見ていきます。
まずは言葉の確認からです。

第 \(n\) 項と第 \(n+1\) 項との比がすべて等しい数列を等比数列といいます。

各項の比の値 、 \(\displaystyle \frac{a_{ n+1 }}{a_{ n }}=r\) を公比といいます。


文字通り、比が等しい数列なのです。
例を見ていきましょう。

例1

\(2,6,18,54,162,・・・\)

公比が \(3\) の等比数列
初項は \(2\)

例2

\(81,-54,36,-24,16,-\displaystyle \frac{32}{3}\cdots\)

公差が \(-\displaystyle \frac{2}{3}\) の等比数列
初項は \(81\)

等比数列の一般的な表示

初項 \(a\)  公差 \(r\) の等差数列は
\(a_{ 1 }=a\)
\(a_{ 2 }=ar\)
\(a_{ 3 }=ar^2\)
\(a_{ 4 }=ar^3\)
なので
\(a_{ n }=ar^{n-1}\)

つまり、

初項 \(a\)  公比 \(r\) の等比数列 \(\{a_{ n }\}\) の一般項は
\(a_{ n }=ar^{n-1}\)

暗記すべき公式といえばそうなのですが、導出も容易いので、理解を伴った暗記という状態になっておくべきです。

例題1

次の等比数列の一般項を求めなさい。
また、\(3.2\) はこの数列の第何項か求めなさい。

初項 \(\displaystyle \frac{1}{5}\)
公比 \(2\)

解説

この数列をかき並べて見てみましょう。

\(\displaystyle \frac{1}{5},\displaystyle \frac{2}{5},\displaystyle \frac{4}{5},\displaystyle \frac{8}{5},\displaystyle \frac{16}{5},\displaystyle \frac{32}{5}\cdots\)

\(3.2=\displaystyle \frac{16}{5}\)

なので、第 \(5\) 項です。

この問題を、一般項の式から解くと、

初項 \(\displaystyle \frac{1}{5}\)、公比 \(2\) の等比数列 \(a_{ n }\) の一般項は

\(a_{ n }=\displaystyle \frac{1}{5}\cdot2^{n-1}\)

これに \(3.2\) を代入して、

\(3.2=\displaystyle \frac{1}{5}\cdot2^{n-1}\)

両辺を \(5\) 倍して、

\(16=2^{n-1}\)
より、\(n=5\)

例題2

公比が \(\displaystyle \frac{2}{3}\)、第 \(6\) 項が \(\displaystyle \frac{16}{27}\)である等比数列 \(\{a_{ n }\}\) の一般項を求めなさい。

解説

求める一般項を \(a_{ n }=ar^{n-1}\) とする。

公比が \(\displaystyle \frac{2}{3}\)、第 \(6\) 項が \(\displaystyle \frac{16}{27}\) であるから、

\(a\cdot (\displaystyle \frac{2}{3})^{6-1}= \displaystyle \frac{16}{27}\)

より、 \(a= \displaystyle \frac{9}{2}\)

よって、 \(a_{ n }=\displaystyle \frac{9}{2}\cdot (\displaystyle \frac{2}{3})^{n-1}\)

例題3

第 \(4\) 項が \(40\) 、第 \(6\) 項が \(160\) である等比数列 \(a_{ n }\) の一般項を求めなさい。

解説

求める一般項を \(a_{ n }=ar^{n-1}\) とする。

第 \(4\) 項が \(40\) であるから、 \(ar^{4-1}=40\)
つまり、\(ar^{3}=40\) ・・・①

第 \(6\) 項が \(160\) であるから、 \(ar^{6-1}=160\)
つまり、\(ar^{5}=160\) ・・・②

①、②より、\(a \neq 0, r \neq 0\) であるから

②÷①より、

\(\displaystyle \frac{ar^{5}}{ar^{3}}=\displaystyle \frac{160}{40}\)

\(r^2=4\) より、\(r= \pm 2\)

\(r=2\) のとき

①、\(ar^{3}=40\) より
\(a\cdot2^3=40\)
\(a=5\)
より、\(a_{ n }=5\cdot2^{n-1}\)

\(r=-2\) のとき

①、\(ar^{3}=40\) より
\(a\cdot(-2)^3=40\)
\(a=-5\)
より、\(a_{ n }=-5\cdot(-2)^{n-1}\)

したがって、
\(a_{ n }=5\cdot2^{n-1}\) または \(a_{ n }=-5\cdot(-2)^{n-1}\)

例題4

次の数列が等比数列であるとき、\(x\) の値を求めなさい。

\(x-6,x,-1\)

解説

等比数列なので真ん中の \(2\) 乗は、左右の数の積と等しくなります。
※\(A,Ar,Ar^2\) なので、真ん中の \(2\) 乗は、\((Ar)^2=A^2r^2\)、左右の積は \(A\cdot Ar^2=A^2r^2\)

よって、\(x^2=-(x-6)\)
\(x^2=-x+6\)
\(x^2+x-6=0\)
\((x-2)(x+3)=0\)
より、\(x=-3,2\)

参考

\(x=-3\) のとき、
\(-9,-3,-1\) となり、公比 \(\displaystyle \frac{1}{3}\) の等比数列です。

\(x=2\) のとき、
\(-4,2,-1\) となり、公比 \(-\displaystyle \frac{1}{2}\) の等比数列です。