指数方程式と指数不等式・その1

指数方程式その1

例題1

次の方程式を解きなさい。

\(8^{x+1}=(\displaystyle \frac{1}{2})^{1-x}\)

解説

底をそろえれば解ける!!
これだけです。

じゃあ「いくつにそろえればいいの?」
左辺と右辺が、どちらも同じ底 \(a\) を用いて
\(a^x\) のように表せるはずです。

その共通の \(a\) を使います。
\(a\) をいくつにすべきなのかについては、
これまで培ってきた数の感覚から明らかと思います。

では解きましょう。
左辺の \(8\) を変形すると
\(8=2^3\)

右辺の \(\displaystyle \frac{1}{2}\) を変形すると

\(\displaystyle \frac{1}{2}=2^{-1}\)

ですから、

底は \(2\) でそろえます。

さて、\(8^{x+1}=(\displaystyle \frac{1}{2})^{1-x}\) を解くのですよ。

この式の左辺は、
\(8^{x+1}=(2^3)^{x+1}=2^{3x+3}\)

右辺は
\((\displaystyle \frac{1}{2})^{1-x}=(2^{-1})^{1-x}=2^{x-1}\)

つまり与式は、
\(2^{3x+3}=2^{x-1}\)
底が等しいので、指数も等しくないと等号になりません。
よって、
\(3x+3=x-1\)
これを解いて、
\(x=-2\)

※今回は底を \(2\) で揃えました。別解としては、底を \(\displaystyle \frac{1}{2}\) でそろえて解くこともできます。
しかし、底をそろえるときは、\(1\) より大きい数でそろえることをおススメします。

例題2

次の不等式を解きなさい。

\((\displaystyle \frac{1}{9}) ^x \lt (\displaystyle \frac{1}{27})^{2x-1}\)

解説

底を \(\displaystyle \frac{1}{3}\) にそろえて解くことも可能ですが、

大小関係でミスがおこりやすいです。
底 \(a\) が \(0 \lt a \lt 1\) のとき、
\(y=a^x\) において、
指数 \(x\) が大きいほど \(y\) が小さくなります。
大小関係が逆転するので、間違いやすくなります。

それもあって、
すべての問題を
「底は \(1\) より大でそろえる」
で、統一して解いた方が混乱が起きにくいです。

底 \(a\) が \(1 \lt a\) のとき、
\(y=a^x\) において、
指数 \(x\) が大きいほど \(y\) が大きくなります。
わかりやすいですね。

というわけで、
底は \(3\) にそろえて解きましょう。
※もちろん、底を \(\displaystyle \frac{1}{3}\) にそろえて解くことも可能ですよ。

\((3^{-2})^x \lt (3^{-3})^{2x-1}\)

\(3^{-2x} \lt 3^{-6x+3}\)

底は \(1\) より大きいから(この文言は答案には絶対に必要です)

\(-2x \lt -6x+3\)
これを解いて、
\(4x \lt 3\)
\(x \lt \displaystyle \frac{3}{4}\)
これで求まりました。