等式の証明その2・条件つき
条件つきの等式の証明
条件つきの等式の証明ですが、
条件式を用いて文字を消去します。
その後、式変形をして、
(左辺)=(右辺)
を示します。
当然ですが、条件外では等式は成り立たないことがほとんどであり、
条件成立のときの等式を調べるわけです。
例題1
\(a+b=1\) のとき、次の等式を証明しなさい。
\(a^3+b^3=1-3ab\)
解説
\(a+b=1\) より、
\(a=1-b\) なのでこれを代入すると
(左辺)\(=(1-b)^3+b^3\)
\(=1-3b+3b^2-b^3+b^3\)
\(=3b^2-3b+1\)・・・①
(右辺)\(=1-3(1-b)b\)
\(=1-3b+3b^2\)・・・②
①、②より、左辺と右辺が等しいので、
\(a^3+b^3=1-3ab\)
例題2
\(x+y+z=0\) 、 \(xyz \neq 0\) のとき、
\(\displaystyle \frac{y+z}{x}+\displaystyle \frac{z+x}{y}+\displaystyle \frac{x+y}{z}+3=0\)
解説
\(xyz \neq 0\)
はどうやって使うの?
という疑問を持っている人もいますね。
\(xyz \neq 0\)
とは
\(x \neq 0\) かつ \(y \neq 0 \) かつ \(z \neq 0 \)
を表しています。
これは、分母が \(0\) であってはならないという数学の掟があるからです。
分母が \(0\) でない範囲でこの等式の成立を証明してね、ということです。
証明
\(xyz \neq 0\) なので、
\(x \neq 0\)
\(y \neq 0 \)
\(z \neq 0 \)
さて、\(x+y+z=0\) より、
\(x=-y-z\) です。
これを左辺に代入すると、
(左辺)\(=\displaystyle \frac{y+z}{-y-z}+\displaystyle \frac{z+(-y-z)}{y}+\displaystyle \frac{(-y-z)+y}{z}+3\)
\(=\displaystyle \frac{y+z}{-(y+z)}+\displaystyle \frac{-y}{y}+\displaystyle \frac{-z}{z}+3\)
\(=(-1)+(-1)+(-1)+3=0\)
よって、右辺と等しくなりました。
以上より、
\(\displaystyle \frac{y+z}{x}+\displaystyle \frac{z+x}{y}+\displaystyle \frac{x+y}{z}+3=0\)