等式の証明・その1
等式の証明
1.A を変形して、B を導く。
あるいは、B を変形して、A を導く。
2.A,B それぞれを変形して、C を導く。
3. A−B=0 を示す。
等式の証明とは、左辺や右辺を変形して、
左辺=右辺
を導くことです。
つまり、展開や因数分解によって、左辺と右辺が同じ形になることを示します。
展開と因数分解では、圧倒的に展開の方が計算が楽なので、
展開さえすれば証明は終わる、と思ってもらってかまいません。
具体例で見ていきましょう。
例題1
次の等式を証明しなさい。
(x−1)(x2+x+1)=x3−1
解説
(左辺)=x3+x2+x−x2−x−1
=x3−1
=(右辺)
よって、(x−1)(x2+x+1)=x3−1
証明終了
公式として覚えてしまっている、
(x−1)(x2+x+1)=x3−1
ですが、改めて証明せよ、と出題されたのならば、
上記のようなていねいな計算が求められているわけです。
また、非常によくある間違いとして
以下のような答案があります。
(x−1)(x2+x+1)=x3−1
x3+x2+x−x2−x−1=x3−1
x3−1=x3−1
左辺と右辺は等しいので、
(x−1)(x2+x+1)=x3−1
大筋で間違っていないように見えます。
一体この答案の何が良くないのか。
それは、「証明」する前から、
(x−1)(x2+x+1)=x3−1
と 1 行目に書いてしまっている所です。
いまからこの等式が成り立っていることを、証明するわけです。
例えるなら、
等式が成り立っていることにたいして疑いを持っている人に対して、
ほら成り立っているでしょ、と証拠を見せるのが証明です。
証明すべき等式を 1 行目に持ってくるなどおかしな話です。
等式の証明をどのように書けば良いのかについては、いくつかの例を見て学習してください。
とにかく、
結論となる等式を持ち出してはなりません。
それは、最終的に示されるものです。
このことを念頭において証明を書くようにしてください。
例題2
次の等式を証明しなさい。
(x2+1)(y2+1)=(xy+1)2+(x−y)2
解説
(左辺)=x2y2+x2+y2+1・・・①
これを平方完成して右辺の形にもっていくことで
証明としてもOKです。
より簡単なのは、右辺も展開してしまうことです。
(右辺)=x2y2+2xy+1+x2−2xy+y2
=x2y2+1+x2+y2・・・②
①、②より、左辺と右辺が等しいので、
(x2+1)(y2+1)=(xy+1)2+(x−y)2
証明終了
参考
まず右辺を展開して、それを因数分解して左辺と同じ形にもっていき、
証明としてもOKです。
とにかく、式変形をしていって、左辺=右辺を示すのが等式の証明です。
しかし、計算が楽なのは「展開」です。
「展開」さえすれば、等式は証明できます。