関数の決定 定積分と微分法・その2

定積分と微分法

\(a\) が定数のとき

\(\displaystyle \int_a^x f(t) dt=F(x)-F(a)\)・・・①

つまり、\(\displaystyle \int_a^x f(t) dt\) は \(x\) の関数です。

①の両辺を微分すると、\(F(a)\) は定数なので \(0\) になるので

\(\displaystyle \frac{ d }{ dx }\displaystyle \int_a^x f(t) dt=f(x)\)

※\(\displaystyle \frac{ d }{ dx }\) は \(x\) で微分するという記号です。難しく考えないで暗記です。


上↑の式変形を見て、「だから何?」って思いますよね。

\(\displaystyle \int_a^x f(t) dt\) が出てきたら微分しよう!

そう覚えてもらえればOKです。

例題1

\(\displaystyle \int_1^x f(t) dt=x^2-3x+a\)

を満たす関数 \(f(x)\) および定数 \(a\) を求めなさい。

解説

\(\displaystyle \int_a^x f(t) dt\) が出てきたら微分する、これが解法知識です。
暗記してください。

与式の両辺を \(x\) で微分すると

\(\displaystyle \frac{ d }{ dx }\displaystyle \int_1^x f(t) dt=\displaystyle \frac{ d }{ dx }(x^2-3x+a)\)

より、
\(f(x)=2x-3\)

また、与式に \(x=1\) を代入すると、

\(\displaystyle \int_1^1 f(t) dt=1^2-3\cdot1+a\)

\(0=-2+a\)

よって、\(a=2\)

例題2

\(\displaystyle \int_a^x f(t) dt=x^2-2x-8\)

を満たす関数 \(f(x)\) および定数 \(a\) を求めなさい。

解説

与式の両辺を \(x\) で微分すると

\(\displaystyle \frac{ d }{ dx }\displaystyle \int_a^x f(t) dt=\displaystyle \frac{ d }{ dx }(x^2-2x-8)\)

より、
\(f(x)=2x-2\)

また、与式に \(x=a\) を代入すると、

\(\displaystyle \int_a^a f(t) dt=a^2-2a-8\)

\(0=a^2-2a-8\)

\(0=(a+2)(a-4)\)

よって、\(a=-2,4\)

参考

つまり、
\(\displaystyle \int_{-2}^x (2t-2) dt=x^2-2x-8\)

\(\displaystyle \int_4^x (2t-2) dt=x^2-2x-8\)
が条件を満たすということです。
計算して成立を確かめてみましょう。

\(\displaystyle \int_{-2}^x (2t-2) dt= \left[ t^2-2t \right]_{-2}^x= x^2-2x-8\)

\(\displaystyle \int_4^x (2t-2) dt= \left[ t^2-2t \right]_4^x= x^2-2x-8\)

確かに成り立っています。