対数を含む関数の最大・最小
対数を含む関数の最大・最小
関数の最大値・最小値は必ずグラフをかいて解きます。
\(2\) 次関数に帰着させる問題が定番です。
対数を扱うさい、真数条件のチェックからはじめましょう。
例題1
次の関数の最小値を求めなさい。
\(y=(\log_{ 2 } x )^2-5 \cdot \log_{ 2 } x^2+10\)
解説
真数条件より \(x \gt 0\) かつ、\(x^2 \gt 0\)
つまり、\(x \gt 0\) ・・・①
\(\log_{ 2 } x =t\) とおくと( \(t\) の範囲は実数全体)
\(\log_{ 2 } x^2=2\log_{ 2 } x=2t\)
よって与えられた関数は
\(y=t^2-10t+10\)
平方完成して、
\(y=(t-5)^2-15\)
グラフは以下のようになる。
よって、\(t=5\) で最小値 \(-15\) をとる。
\(t=5\) のとき、\(\log_{ 2 } x =5\)
つまり、\(x=32\)
これは①を満たす。
よって、\(x=32\) のとき、最小値 \(-15\) をとる。
例題2
\(\displaystyle \frac{1}{8} \leqq x \leqq 2\) のとき、次の関数の最大値と最小値を求めなさい。
\(y=(\log_{ 2 } 8x )(\log_{ 2 } 4x)\)
解説
真数条件より \(x \gt 0\) という定番の書き出しは不要です。
問題で \(\displaystyle \frac{1}{8} \leqq x \leqq 2\) とあるからです。
では解きましょう。
\(y=(\log_{ 2 } 8x )(\log_{ 2 } 4x)\)
\(=(\log_{ 2 } 8+\log_{ 2 } x )(\log_{ 2 } 4+\log_{ 2 } x)\)
\(=(3+\log_{ 2 } x )(2+\log_{ 2 } x)\)
ここで、\(\log_{ 2 } x=t\) とおくと
\(y=(t+3)(t+2)\)
この関数の最大値・最小値を調べますが、
\(t\) の範囲について考察します。
\(\displaystyle \frac{1}{8} \leqq x \leqq 2\) より、
底 \(2\) の対数をとると、\(2 \gt 1\) なので
\(\log_{ 2 } \displaystyle \frac{1}{8} \leqq \log_{ 2 } x \leqq \log_{ 2 } 2\)
\(\log_{ 2 } \displaystyle \frac{1}{8} \leqq t \leqq \log_{ 2 } 2\)
\(-3 \leqq t \leqq 1\)
この範囲で、\(y=(t+3)(t+2)\) のグラフは下のようになります。
\(y=0\) となる \(x\) がわかるので、平方完成しなくとも概形がわかります。
※グラフの比率は正しくありません。
頂点は \(-2\) と \(-3\) の中間の \( -\displaystyle \frac{5}{2}\) です。
これも平方完成しなくともわかりますね。
よって、
\(t=1\) 、つまり、\(\log_{ 2 } x=1\) のときに最大値。
つまり、\(x=2\) のときに最大値 \(12\)
また、
\(t= -\displaystyle \frac{5}{2}\) 、つまり、\(\log_{ 2 } x= -\displaystyle \frac{5}{2}\) のときに最小値。
つまり、\(x=2^{-\frac{5}{2}}=\displaystyle \frac{1}{2^{\frac{5}{2}}}=\displaystyle \frac{\sqrt{2}}{8}\) のときに最小値 \(-\displaystyle \frac{1}{4}\)