高次方程式・3次方程式
3 次方程式の解法
3 次以上の方程式を高次方程式といいます。
一般に、3 次以上の方程式を解くことはとても難しく、必ずうまく解けるとは限りません。
そんな中、高校生相手に出題される高次方程式は、うまく解けるものばかりです。
以下の手順で解ける高次方程式のみが出題されます。
P(x)=0 の形にして、因数分解をする。
そのための方法は
・共通因数でくくる。
・公式を適用する。
・おき換えをする。
これらがうまくいかないときは、因数定理を利用して因数分解をします。
3 次方程式の解と代数学の基本定理
3 次方程式の解は、複素数の範囲で 3 個あります。
※2 重解が 2 個、 3 重解を 3 個とするとき。
3 次方程式を分類すると以下の 4 パターンです。
1 異なる 3 つの実数解 (x−p)(x−q)(x−r)=0
2 異なる 2 つの実数解 (x−p)2(x−r)=0・・・p は 2 重解
3 1 つの実数解 (x−p)3=0・・・p は 3 重解
4 1 つの実数解と異なる 2 つの虚数解 (x−p){x−(a+bi)}{x−(a−bi)}=0
※虚数解は必ず共役な複素数です。
代数学の基本定理
複素数の範囲で考えると、n 次方程式は n 個の解をもつことが知られています。
※m 重解を m 個と数えるとき
これを代数学の基本定理といいます。
証明は難しすぎるので割愛します。
n 次方程式は n 個の解をもつ。
教養として覚えておきましょう。
例題1
次の方程式を解きなさい。
3x3−24=0
解説
共通因数でくくる。
これがすべてのはじまりです。
つまり、
3x3−24=0
3(x3−8)=0
次に、因数分解の公式が使えるときは使います。
今回は使えます。
3(x3−8)=0
3(x−2)(x2+2x+4)=0
したがって、
x−2=0
または
x2+2x+4=0
この 2 次方程式を解きます。
解の公式より、
x=−2±√22−4⋅1⋅42
=−1±√3i
よって、求める解は
x=2,−1±√3i
例題2
次の方程式を解きなさい。
2x3+3x2−5x−6=0
解説
公式では因数分解できませんね。
このようなときは、因数定理で探します。
P(x)=2x3+3x2−5x−6 とすると
P(−2)=−16+12+10−6=0
が見つかるので、P(x) は x+2 を因数に持ちます。
P(x) を x+2 で割ると
P(x)÷(x+2)=2x2−x−3
したがって、
P(x)=(x+2)(2x2−x−3)
2x2−x−3 は、たすきがけ因数分解が可能で、
2x2−x−3=(x+1)(2x−3)
したがって、
P(x)=(x+2)(x+1)(2x−3)
よって求める解は、
x=−2,−1,32
※P(−1)=0 からももちろん解けます。
例題3
次の方程式を解きなさい。
x3−4x2+5x−6=0
解説
公式では因数分解できませんね。
因数定理でさがします。
P(x)=x3−4x2+5x−6 とすると
P(3)=27−36+15−6=0
が見つかるので、P(x) は x−3 を因数に持ちます。
計算すると、
P(x)=(x−3)(x2−x+2)
x−3=0
または、
x2−x+2=0
よって
x=3,1±√7i2
※2 次方程式 x2−x+2=0 は解の公式か平方完成で解きましょう。
