因数分解・低い次数で整理

最も次数の低い文字で整理

因数分解のときに真っ先に考えることは、
・共通因数でくくること。
・公式の適用です。

そして、その次に考えることは
最も次数の低い文字について、降べきの順に整理する
なのです。

整理した結果、複雑で見えにくかった共通因数が見えてくることがあります。

例題1

次の式を因数分解しなさい。
\(4x^2y-4x^2z+y^2z-y^3\)

解説

・共通因数でくくる
・公式の適用
どちらもできません。
最も次数の低い文字 \(z\) について整理してみましょう。

\((y^2-4x^2)z+(4x^2y-y^3)\)

\(=(y^2-4x^2)z+y(4x^2-y^2)\)

\(=-(4x^2-y^2)z+y(4x^2-y^2)\)

\(=(4x^2-y^2)(y-z)\)

\(=(2x+y)(2x-y)(y-z)\)

例題2

次の式を因数分解しなさい。
\(a^2b+a-b-1\)

解説

最も次数の低い文字 \(b\) について整理します。

\(a^2b+a-b-1\)
\(=(a^2-1)b+a-1\)
\(=(a+1)(a-1)b+(a-1)\)
\(=(a-1)\{(a+1)b+1\}\)
\(=(a-1)(ab+b+1)\)

例題3

次の式を因数分解しなさい。
\(x^2+2ax-8a-16\)

解説

最も次数の低い文字 \(a\) について整理します。

\((2x-8)a+(x^2-16)\)
\(=2(x-4)a+(x+4)(x-4)\)
\(=(x-4)(2a+x+4)\)
\(=(x-4)(x+2a+4)\)

例題4

\(xy-x-y+1\)

解説

\(x,y\) ともに次数が同じなので、どちらで整理しても良いです。
\(x\) で整理してみましょう。

\(xy-x-y+1\)
\(=(y-1)x-y+1\)
\(=(y-1)x-(y-1)\)
\(=(y-1)(x-1)\)
\(=(x-1)(y-1)\)