【センター試験ⅡB】微分積分02
センター試験・過去問研究
センター試験の過去問を徹底解説します。
センター試験とはどれくらいのレベルの問題が出るのか、どのような出題があるのか、まずは経験値をつみましょう!
\(ア+ \displaystyle \frac{h}{イ}\) である。したがって、求める微分係数は
\(f´(a)=\displaystyle \lim_{ h \to ウ } (ア+ \displaystyle \frac{h}{イ})=エ\)
である。
(2)放物線 \(y=\displaystyle \frac{1}{2}x^2\) を \(C\) とし、\(C\) 上に点 \(P(a, \displaystyle \frac{1}{2}a^2)\) をとる。ただし、 \(a \gt 0\) とする。点 \(P\) における \(C\) の接線 \(l\) の方程式は
\(y=オx-\displaystyle \frac{1}{カ}a^2\)
である。直線 \(l\) と \(x\) 軸との交点 \(Q\) の座標は \((\displaystyle \frac{キ}{ク} ,0)\) である。点 \(Q\) を通り \(l\) に垂直な直線を \(m\) とすると、\(m\) の方程式は
\(y=\displaystyle \frac{ケコ}{サ}x+\displaystyle \frac{シ}{ス}\)
である。
直線 \(m\) と \(y\) 軸との交点を \(A\) とする。三角形 \(APQ\) の面積を \(S\) とおくと
\(S=\displaystyle \frac{a(a^2+セ)}{ソ}\)
となる。また、\(y\) 軸と線分 \(AP\) および曲線 \(C\) によって囲まれた図形の面積を \(T\) とおくと
\(T=\displaystyle \frac{a(a^2+タ)}{チツ}\)
となる。
\(a \gt 0\) の範囲における \(S-T\) の値について調べよう。
\(S-T=\displaystyle \frac{a(a^2-テ)}{トナ}\)
である。\(a \gt 0\) であるから、\(S-T \gt 0\) となるような \(a\) のとり得る値の範囲は \(a \gt \sqrt{ニ}\) である。
また、\(a \gt 0\) のときの \(S-T \) の増減を調べると、
\(S-T \) は \(a=ヌ\) で最小値 \(\displaystyle \frac{ネノ}{ハヒ}\) をとることがわかる。
(1)の解説
微分係数を定義にしたがって求めよという問題です。
微分の公式 \((x^n)’ =nx^{n-1}\) を暗記だけしていた受験生を振るい落とす問題で、基本公式の根本を理解しているかどうかを試す一題です。
今後も間違いなくこの方向性の出題は続くでしょう。
では、いきます。
平均変化率とは、
グラフの \(2\) 点を結んだ直線の傾きのこと!
関数 \(f(x)\) の \(x=a\) から \(x=b\) までの平均変化率は
\(平均変化率 = \displaystyle \frac{yの増加量}{xの増加量} =\displaystyle \frac{f(b)-f(a)}{b-a}\)
よって、 \(f (x)=\displaystyle \frac{1}{2} x^2\) の \(x\) が \(a\) から \(a+h\) まで変化するときの \(f (x)\) の平均変化率は
\(\displaystyle \frac{\displaystyle \frac{1}{2} (a+h)^2-\displaystyle \frac{1}{2} a^2}{(a+h)-a} =\displaystyle \frac{\displaystyle \frac{1}{2} (2ah+h^2)}{h}\)
\(=a+\displaystyle \frac{h}{2}\)
より、ア=a、イ=2
そして、平均変化率の極限が「微分係数」です。
\(f´(a)=\displaystyle \lim_{ h \to 0 } (a+ \displaystyle \frac{h}{2})=a\)
より、ウ=0、エ=a
(2)の解説
\(y=\displaystyle \frac{1}{2}x^2\) を \(x\) で微分すると
\(y´=x\)
より、\(P(a,\displaystyle \frac{1}{2}a^2)\) における接線の傾きは、\(a\) です。
より、求める接線 \(l\) の方程式は、
\(y-\displaystyle \frac{1}{2}a^2=a(x-a)\)
整理して
\(y=ax-\displaystyle \frac{1}{2}a^2\)
より、オ=a、カ=2
直線 \(l\) と \(x\) 軸との交点 \(Q\) の座標は、直線 \(l\) に \(y=0\) を代入して、
\(0=ax-\displaystyle \frac{1}{2}a^2\)
\(a \gt 0\) なので、\(a\) で割って、
\(x=\displaystyle \frac{a}{2}\)
つまり、\(Q(\displaystyle \frac{a}{2},0)\)
より、キ=a、ク=2
点 \(Q\) を通り \(l\) に垂直な直線を \(m\) とすると、
\(m\) 傾きは \(-\displaystyle \frac{1}{a}\) 、なので、
求める直線 \(m\) の方程式は、
\(y=-\displaystyle \frac{1}{a}(x-\displaystyle \frac{a}{2})\)
整理して、
\(y=-\displaystyle \frac{1}{a}x+\displaystyle \frac{1}{2}\)
より、ケコ=-1、サ=a、シ=1、ス=2
図示なしで解けますが、こんな図ですね。
ここまで、基本中の基本しか出題されていませんね!!
では後半戦です。
直線 \(m\) と \(y\) 軸との交点 \(A\) の座標を求めましょう。
直線 \(m\) の方程式は、
\(y=-\displaystyle \frac{1}{a}x+\displaystyle \frac{1}{2}\) から、
\(A(0,\displaystyle \frac{1}{2})\) です。
三角形 \(APQ\) を図示すると、下図の赤い三角形です。
この面積 \(S\) を求めます。
これは、「台形の面積」から「左下の三角形の面積」と「右下の三角形の面積」を引くことで求められますね。
台形の面積は、\( (\displaystyle \frac{1}{2}+\displaystyle \frac{1}{2}a^2)×a×\displaystyle \frac{1}{2}=\displaystyle \frac{1}{4}a(a^2+1)\)
左下の三角形の面積は、\(\displaystyle \frac{1}{2}a×\displaystyle \frac{1}{2}×\displaystyle \frac{1}{2}=\displaystyle \frac{1}{8}a\)
右下の三角形の面積は、 \(\displaystyle \frac{1}{2}a×\displaystyle \frac{1}{2}a^2×\displaystyle \frac{1}{2}=\displaystyle \frac{1}{8}a^3\)
より、\(S=\displaystyle \frac{1}{4}a(a^2+1)-\displaystyle \frac{1}{8}a-\displaystyle \frac{1}{8}a^3\)
\(=\displaystyle \frac{a(a^2+1)}{8}\)
より、セ=1、ソ=8
次に、\(y\) 軸と線分 \(AP\) および曲線 \(C\) によって囲まれた図形の面積 \(T\) です。
まず図示します。
\(T\) は、直線 \(AP\) から 曲線 \(C:y=\displaystyle \frac{1}{2}x^2\) を引いたものを積分すれば一発で求まりますね。
そのためには直線 \(AP\) の方程式を求めます。
この「直線 \(AP\) の方程式」を求めるのがやや面倒です。
そこで、下図のように面積 \(T_{0}\) を考えます。
\(T\) は台形の面積から、\(T_{0}\) を引けば求まります。
こちらの方が計算が簡単に済みそうですね!
では行きましょう。
\(T_{0}=\displaystyle \int_{0}^a \displaystyle \frac{1}{2}x^2 dx \)
\(= \left[ \displaystyle \frac{1}{6}x^3 \right]_{0}^a\)
\(=\displaystyle \frac{1}{6}a^3\)
台形の面積は、先ほど三角形 \(APQ\) を求めるときに求めています。
\(\displaystyle \frac{1}{4}a(a^2+1)\)
です。
よって、
\(T=\) 台形の面積 \(-T_{0}\)
\(=\displaystyle \frac{1}{4}a(a^2+1)-\displaystyle \frac{1}{6}a^3\)
\(=\displaystyle \frac{a(a^2+3)}{12}\)
より、タ=3、チツ=12
別解
\(T\) は、直線 \(AP\) から 曲線 \(C:y=\displaystyle \frac{1}{2}x^2\) を引いたものを積分しても求まります。
直線 \(AP\) の方程式を求めます。
\(傾き=\displaystyle \frac{yの増加量}{xの増加量}\) なので、
\(傾き=\displaystyle \frac{\displaystyle \frac{1}{2}a^2-\displaystyle \frac{1}{2}}{a}\)
\(= \displaystyle \frac{1}{2a}(a^2-1)\)
切片は、\(\displaystyle \frac{1}{2}\) なので、
\(y=\displaystyle \frac{1}{2a}(a^2-1)x+\displaystyle \frac{1}{2}\)
よって、
\(T=\displaystyle \int_{0}^a \{\displaystyle \frac{1}{2a}(a^2-1)x+\displaystyle \frac{1}{2}-\displaystyle \frac{1}{2}x^2\} dx \)
\(= \left[ \displaystyle \frac{1}{4a}(a^2-1)x^2+\displaystyle \frac{1}{2}x-\displaystyle \frac{1}{6}x^3 \right]_{0}^a\)
\(=\displaystyle \frac{a}{4}(a^2-1)+\displaystyle \frac{a}{2}-\displaystyle \frac{1}{6}a^3\)
\(=\displaystyle \frac{a(a^2+3)}{12}\)
こちらでも求まります。
では続きです。
\(a \gt 0\) の範囲における \(S-T\) の値について調べます。
\(S-T=g(a)\) とおきます。
\(g(a)=\displaystyle \frac{a(a^2+1)}{8}-\displaystyle \frac{a(a^2+3)}{12}\)
\(=\displaystyle \frac{a(a^2-3)}{24}\)
より、テ=3、トナ=24
\(a \gt 0\) であるから、\(S-T \gt 0\) となるような \(a\) のとり得る値の範囲は \(a \gt \sqrt{ニ}\) である。
\(g(a)=\displaystyle \frac{a(a^2-3)}{24} \gt 0\)
\(\displaystyle \frac{a(a+\sqrt{3})(a-\sqrt{3})}{24} \gt 0\)
より、\(a \gt \sqrt{3}\)
二=3
また、\(a \gt 0\) のときの \(S-T \) の増減を調べると、
\(g(a) \) は \(a=ヌ\) で最小値 \(\displaystyle \frac{ネノ}{ハヒ}\) をとることがわかる。
\(g(a)=\displaystyle \frac{a(a^2-3)}{24} \)
\(g(a)=\displaystyle \frac{a^3-3a}{24} \)
\(g(a)´=\displaystyle \frac{3a^2-3}{24} =\displaystyle \frac{a^2-1}{8}=\displaystyle \frac{(a+1)(a-1)}{8}\)
より、増減表は
\(\begin{array}{c|ccccc}
a & \cdots & -1 & \cdots & 1 & \cdots \\
\hline
g’(a) & + & 0 & – & 0 & + \\
\hline
g(a) & \nearrow & & \searrow & -\displaystyle \frac{1}{12} & \nearrow\end{array}\)
グラフの概形
より、\(a \gt 0\) のとき
\(a=1\) で、最小値 \(g(1)=\displaystyle \frac{1(1^2-3)}{24}=-\displaystyle \frac{1}{12} \)
よりヌ=1、ネノ=-1、ハヒ=12