【センター試験ⅠA】整数の性質01

センター試験・過去問研究

センター試験の過去問を徹底解説します。
センター試験とはどれくらいのレベルの問題が出るのか、どのような出題があるのか、まずは経験値をつみましょう!

\(a=407,b=481\) とする。

(1)\(a\) と \(b\) の最大公約数は \(アイ\) であり、最小公倍数は \(ウエオカ\) である。

\(\sqrt{abc}\) が整数となる正の整数 \(c\) の中で、最小のものは \(キクケ\) である。

(2)\(a\) と \(b\) の最大公約数が \(アイ\) であることに注意すると、不定方程式

\(ax=-by\)

の整数解は、\(x=コサシk\) 、\( y=スセk\) (\(k\)は整数)である。

(3)不定方程式
\(ax+by=40700\)

を満たす \(0\) 以上の整数 \(x,y\) の組は \(ソ\) 組あり、その中で \(x\) が最も小さいものは \(x=タ、y=チツ\) である。また

\(ax+by=40700+アイ\)

を満たす \(0\) 以上の整数 \(x,y\) の組は \(テ\)組あり、その中で \(x\) が最も小さいものは \(x=ト、y=ナニツ\) である。


解説

(1)\(407\)と \(481\) の最大公約数は、「差の約数」です。
※わからない人は↓ページで学習しましょう。

\(481-407=74\)
\(74\) の約数は \(1,2,37,74\) なので
この \(4\) つが候補です。
\(407\) は奇数なので、\(37\) が候補ですね。
わり算をして確かめれば
\(407=37×11\)
\(481=37×13\)
となり、正しいことがわかります。

より、アイ=37

\(407=37×11\) と \(481=37×13\) の最小公倍数は、\(37×11×13=5291\)

ウエオカ=5291

次です。
\(\sqrt{abc}\) が整数となる正の整数 \(c\) ですが、

\(\sqrt{abc}=\sqrt{\underbrace{ 37×11 }_{ a }×\underbrace{ 37×13 }_{ b }×c}\)\(=\sqrt{37^2×11×13×c}\)

より、\(c=11×13\) のときに、\(\sqrt{37^2×11×13×c}=\sqrt{37^2×11^2×13^2}\)\(=37×11×13\)

より、\(c=11×13=143\)

キクケ=143

※最小でないならば、\(c=143×t^2\) 、ただし \(t\) は整数

(2)
\(ax=-by\) の整数解です。\(a=407,b=481\) なのだから、

\(407x=-481y\)
\(37×11x = -37×13y\)
\(11x=-13y\)
\(11\) と \(13\) は互いに素なので、
\(x=-13k\)
\(y=11k\)
です。

より、コサシ=-13、スセ=11
※マイナス記号はどちらにつけても良いのですが、センター試験の穴の数に合わせます。

(3)
\(ax+by=40700\) の整数解です。\(a=407,b=481\) なのだから、
\(407x+481y=40700\)
\(37×11x+37×13y=407×100\)
\(37\) で割って
\(11x+13y=1100\)
この不定方程式を解きます。
互除法を使うまでもないですね。
\(x=100\)
\(y=0\)
が一瞬で見つかります。
よって、\(t\) を整数として、
\(x=13t+100\)
\(y=-11t\)
です。

これを用いて、\(x,y\) が \(0\) 以上の整数となる組を書き出します。
\(x\) は \(13\) ずつ減らし、\(y\) は \(11\) ずつ増やします。
\(x,y\) は
\((100,0)\)
\((87,11)\)
\((74,22)\)
\((61,33)\)
\((48,44)\)
\((35,55)\)
\((22,66)\)
\((9,77)\)
の \(8\) 組です。また、 \(x\) が最小なのは、\((x,y)=(9,77)\)

より、ソ=8、タ=9、チツ=77

次です。

\(ax+by=40700+アイ\) の整数解です。

\(a=407,b=481\) かつ、アイ=\(37\) なのだから、

\(407x+481y=40700+37\)
\(37×11x+37×13y=407×100+37\)

\(37\) で割って
\(11x+13y=1101\)

この不定方程式を解きます。

さて、互除法を使うのもありですが・・・
互除法を使うまでもないですね。

\(11x+13y=1100+1\)
つまり、
\(11x+13y=11×100+1\)
\(13y=11×(100-x)+1\)

これは、\(13y\) が \(11\) の倍数 \(+1\) であるという意味です。

ちょっと調べれば
\(13×6=78=77+1\)
と \(y=6\) がすぐ見つかります。

このときの \(x\) は、
\(11x+13×6=1101\)
から計算して \(x\) を出しても良いのですが・・・
今までの式変形をそのまま使うのが便利です。
そもそも \(11\) の倍数 \(+1\) に着目していたわけですからね。

\(13y=11×(100-x)+1\)
に、\(y=6\) つまり、\(13y=78=77+1\) を代入します。

\(13\cdot6=11×(100-x)+1\)
\(11×7+1=11×(100-x)+1\)
より、\(100-x=7\)
\(x=93\)

つまり、整数解 \((x,y)=(93,6)\) が見つかりました。

あとは、\(x,y\) が \(0\) 以上の整数となる組をかき出します。
\(x\) は \(13\) ずつ減らし、\(y\) は \(11\) ずつ増やします。
\(x,y\) は
\((93,6)\)
\((80,17)\)
\((67,28)\)
\((54,39)\)
\((41,50)\)
\((28,61)\)
\((15,72)\)
\((2,83)\)
の \(8\) 組です。また、 \(x\) が最小なのは、\((x,y)=(2,83)\)

より、テ=8、ト=2、ナニ=83