微分の利用・不等式の証明
不等式の証明
(左辺) \(\gt\) (右辺)の不等式の証明は
(左辺)-(右辺) \(=f(x)\)
とし
\(f(x)\) の最小値 \(\gt 0\) を示せばよい。
例題1
\(x \geqq 0\) のとき、不等式 \(x^3+4 \geqq 3x^2\)
が成り立つことを証明しなさい。また、等号が成り立つのはどのようなときか求めなさい。
解説
\(f(x)=x^3+4-3x^2\) とすると
\(f´(x)=3x^2-6x\)
\(=3x(x-2)\)
\(f´(x)=0\) のとき \(x=0,2\)
\(x \geqq 0\) の範囲で増減表とグラフは次のようになる。
\(\begin{array}{c|ccccc}
x & 0 & \cdots & 2 & \cdots \\
\hline
f´(x) & 0 & – & 0 &+& \\
\hline
f(x) & 4 & \searrow & 0 & \nearrow \end{array}\)
グラフより、\(x \geqq 0\) のとき、\(f(x) \geqq 0\)であるから
\(x^3+4x-3x^2 \geqq 0\)
つまり、
\(x^3+4 \geqq 3x^2\)
また、等号成立は、 \(x=2\) のとき。
グラフから明らかですね。
例題2
\(x \gt 0\) のとき、不等式 \(x^3-3x^2+4x+1 \gt 0\)
が成り立つことを証明しなさい。
解説
\(f(x)=x^3-3x^2+4x+1\) とすると
\(f´(x)=3x^2-6x+4\)
\(D \lt 0\) より、
\(f´(x)=0\) となる \(x\) は存在しないため、
増減表は次のようになる。
\(\begin{array}{c|ccccc}
x & \cdots \\
\hline
y’ & +& \\
\hline
y & \nearrow \end{array}\)
グラフより、\(x \gt 0\) のとき \(f(x) \gt 0\) であるから、
\(x^3-3x^2+4x+1 \gt 0\)
が成り立つ。
参考・グラフの変曲点
\(f´(x)=3x^2-6x+4\)
\(=3(x-1)^2+1\)
なので、
\(f´(x)=3x^2-6x+4\) のグラフの頂点の \(x\) 座標は \(x=1\)
この \(x=1\) が変曲点の\(x\) 座標となります。