余弦定理
余弦定理
△ABC において、以下の式が成り立ちます。
これを余弦定理といいます。
a2=b2+c2−2bccosA
b2=c2+a2−2cacosB
c2=a2+b2−2abcosC
3 つの式はいずれも対称的になっていますね。
a からはじまる式にでてくる角は、対角の A です。
※内角の 1 つか鈍角のときも、余弦定理は成り立ちます。
※三平方の定理 c2=a2+b2 に、微調整をしているのが余弦定理です。
なぜこれが成り立つのか、は別ページに譲ります。
この定理をどのように用いるのか、まずは例題演習をしましょう。
例題1
次のような三角形 ABC において、指定されたものを求めなさい。
b=4,c=√3,A=30° のとき、長さ a
解説
ここで余弦定理の最重要ポイントです!
わかっている角か、求めたい角の対辺からはじまる式を用います。
暗記してくださいね。
では解きましょう。
b=4,c=√3,A=30° のとき、長さ a です。
分かっている角は A なので、その向かいの辺 a からはじまる式です。
a2=42+(√3)2−2×4×√3×cos30°
a2=16+3−2×4×√3×cos30°
cos30°=√32 なので、
a2=7
a=±√7
a は 0 より大きいので、
a=√7
ちなみに、2 辺とその間の角が与えられていますので、
三角形は 1 つに定まります。
いわゆる三角形の合同条件ですね。
三角形が 1 つに定まらない問題もあり、
2 つの答えがでるようなものもあります。
例題2
次のような三角形 ABC において、指定されたものを求めなさい。
a=1,b=√2,c=√5 のとき、角 C
解説
求めたい角 C の向かいの辺 c からはじまる式です。
(√5)2=12+(√2)2−2×1×√2×cosC
5=1+2−2√2×cosC
2√2×cosC=−2
cosC=−1√2
よって、
C=135°
ちなみに、3 辺が与えられていますので、
三角形は 1 つに定まります。
いわゆる三角形の合同条件ですね。
例題3
次のような三角形 ABC において、指定されたものを求めなさい。
a=1,b=√3,A=30° のとき、長さ c
解説
分かっている角は A なので、その向かいの辺 a からはじまる式です。
12=c2+(√3)2−2×√3×c×cos30°
1=c2+3−2×1×√3×c×cos30°
cos30°=√32 なので、
c2−3c+2=0
(c−1)(c−2)=0
c=1,2
あれ、答えが 2 つでてきた・・・
どっちかは不適かな?
ちなみにどちらもOKです。
はじめに与えられたものが 「2 辺の長さ」と「その間でない角の大きさ」だったわけです。
中学のときに学習した三角形の合同条件ではありませんね。
つまり、三角形が 1 つに定まらない条件だったわけです。
別解
余弦定理で解いたこの例題 3 は、
実は正弦定理でも解答可能です。
a=1,b=√3,A=30° のとき、長さ c です。
正弦定理でいってみましょー!
1sin30°=√3sinB
sinB=√32
B=60°,120°
あれ、どちらがは不適なのかな?
どちらもOKです。
この続きは、
正弦定理でも
余弦定理でも
求められますが、図示してしまうのも早いです。
B=60° のとき
A=30° が与えられているので、三角形の内角より、C=90° なので、これを用いて
c=2 が求まります。
三角定規型です。
B=120° のとき
A=30° が与えられているので、三角形の内角より、C=30° なので、これを用いて
c=1 が求まります。
30°,60°,90° の三角定規 2 つ分の二等辺三角形になります。
