等式の証明その3 比例式の条件つき
比例式の条件つきの等式の証明
ab=cd のように比例式が与えられたときは、
ab=cd=k とおくのが定石です。
a=bk,c=dk であるから、これを代入して文字の数を減らします。
また
a:b=c:d のとき、
ab=cd
ac=bd
ad=bc
などが成り立ちます。
適宜利用しましょう。
例題1
次の等式を証明しなさい。
ab=cd のとき、
a2−4c2b2−4d2=acbd
解説
ab=cd=k とおくと、
a=bk,c=dk であるから、これを代入すると
(左辺)=(bk)2−4(dk)2b2−4d2
=k2(b2−4d2)b2−4d2
=k2・・・①
(右辺)=(bk)(dk)bd
=(k2bd)bd
=k2・・・②
①、②より、a2−4c2b2−4d2=acbd が成り立つ。
参考
ab=cd=k とおいて、文字を 1 つ増やしています。しかし、a=bk,c=dk として、 a,c の 2 つの文字を減らしているので、
結果、 1 つ文字を減らすことができています。
また、k という新しい文字を用いなくとも、
ab=cd より、
a=bcd として、
a を消すこともできます。
これで計算を進めていけば、等式を証明することは可能です。
しがし、計算が煩雑になることが多いので、おすすめはしません。
例題2
次の等式を証明しなさい。
a:b:c=x:y:z のとき、
x2+y2+z2a2+b2+c2=xy+yz+zxab+bc+ca
解説
a:b:c=x:y:z のとき、ax=by=cz です。
ax=by=cz=k とおくと、
a=kx,b=ky,c=kz となり、これを代入します。
(左辺)=x2+y2+z2(kx)2+(ky)2+(kz)2
=x2+y2+z2k2(x2+y2+z2)=1k2・・・①
(右辺)=xy+yz+zx(kx)(ky)+(ky)(kz)+(kz)(kx)
=xy+yz+zxk2xy+k2yz+k2zx
=xy+yz+zxk2(xy+yz+zx)=1k2・・・②
①、②より、x2+y2+z2a2+b2+c2=xy+yz+zxab+bc+ca が成り立つ。
例題3
x:y=3:4 のとき
2x−yx+3y の値を求めなさい。
解説
等式の証明ではありませんが、類題ですね。
x:y=3:4 のとき外項の積と内項の積が等しいので、
4x=3y
よって、
x=3y4 であり、これを代入します。
2x−yx+3y
=2(3y4)−y(3y4)+3y
=12y154y
=215