2次方程式の解の公式と判別式

\(2\) 次方程式と解の公式・判別式

\(2\) 次方程式 \(ax^2+bx+c=0\) の解の公式

\(ax^2+bx+c=0\) の解は

\(x=\displaystyle \frac{-b \pm \sqrt{b^2-4ac}}{2a}\)


※導出は、 \(ax^2+bx+c=0\) を平方完成します。

解の公式の根号内、\(b^2-4ac\) を \(2\) 次方程式 \(ax^2+bx+c=0\) の判別式といい、\(D\) で表します。数学Ⅰで学習済みです。

つまり、
\(D=b^2-4ac\)
であり、\(D\) の符号を調べれば、解が判別できます。

\(D \gt 0 \Longleftrightarrow x=\displaystyle \frac{-b \pm \sqrt{D}}{2a}\)
異なる \(2\) つの実数解をもつ

\(D = 0 \Longleftrightarrow x=\displaystyle \frac{-b }{2a}\)
\(1\) つの実数解(重解という)をもつ

\(D \lt 0 \Longleftrightarrow x=\displaystyle \frac{-b \pm \sqrt{D}}{2a}\)
異なる \(2\) つの虚数解をもつ

数学Ⅰで学習したときとの違いは、

\(D \lt 0 \Longleftrightarrow \)  異なる \(2\) つの虚数解

ですね。
数学Ⅰにおいては、「実数解なし」としていたところです。

例題1

次の \(2\) 次方程式を解きなさい。
\(2x^2-4x+3=0\)

解説

解の公式より、

\(x=\displaystyle \frac{-(-4)±\sqrt{(-4)^2-4×(2)×3}}{2×(2)}\)

\(x=\displaystyle \frac{4±\sqrt{16-24}}{4}\)

\(x=\displaystyle \frac{4±\sqrt{-8}}{2}\)

\(x=\displaystyle \frac{4±2\sqrt{2}i}{2}\)

\(x=2 \pm \sqrt{2}i\)

解が虚数解のときは、必ず共役な複素数 \(2\) つとなります。

例題2

\(a\) を定数とします。
次の \(2\) 次方程式の解の種類を判別しなさい。
\(x^2-2ax+a+2=0\)

解説

この \(2\) 次方程式の判別式を \(D\) とすると、
\(D=(-2a)^2-4×1×(a+2)\)
\(=4a^2-4a-8\)
\(=4(a^2-a-2)\)
\(=4(a+1)(a-2)\)

よって
\(D \gt 0\) すなわち \(a \lt -1, 2 \lt a\) のとき異なる \(2\) つの実数解
\(D=0\) すなわち \(a=-1,2\) のとき、重解(\(1\) つの実数解)
\(D \lt 0\) すなわち \(-1 \lt a \lt 2\) のとき、異なる \(2\) つの虚数解

例題3

\(2\) 次方程式 \(x^2+(m-2)x+1=0\) が実数解をもつとき、定数 \(m\) の値の範囲を求めなさい。

解説

\(2\) 次方程式 \(x^2+(m-2)x+1=0\) の判別式を \(D\) とすると、
\(D=(m-2)^2-4×1×1\)
\(=m^2-4m+4-4\)
\(=m(m-4)\)

\(2\) 次方程式が実数解をもつのは、 \(D \geqq 0\) のとき、
したがって、\(m \leqq 0, 4 \leqq m\) のとき、\(D \geqq 0\)

よって、求める定数 \(m\) の範囲は、\(m \leqq 0, 4 \leqq m\)

例題4

次の式を複素数の範囲で因数分解しなさい。

\(x^2-2x+4\)

解説

\(x^2-2x+4=0\) の解を \(p,q\) とすれば
\(x^2-2x+4=(x-p)(x-q)\) と因数分解ができます。

よって、\(x^2-2x+4=0\) を解きます。

\(x=1\pm\sqrt{3}i\)

よって
\(x^2-2x+4=\{(x-(1+\sqrt{3}i)\}\{x-(1-\sqrt{3}i)\}\)

\(=(x-1-\sqrt{3}i)(x-1+\sqrt{3}i)\)