三角方程式・不等式・合成の利用
ポイント
\(\sin \theta\) と \(\cos \theta\) が混在している式は、
合成によって、\(\sin (\theta+a)\) と \(1\) つにまとめることが基本的な方針になります。
合成できるのは、角が同じときです。
\(a\sin \theta\) と \(b\cos \theta\) は合成できますが、
\(a\sin \theta\) と \(b\cos 2\theta\) は合成できません。
例題1
\(0 \leqq \theta \lt 2\pi\) のとき、次の方程式 を解きなさい。
\(\sin \theta-\cos \theta=1\)
解説
角がどちらも \(\theta\) なので、合成しましょう。
\(\sin \theta-\cos \theta=1\)
\(\sqrt{2} \sin (\theta-\displaystyle \frac{\pi}{4})=1\)
※あるいは、\(\sqrt{2} \sin (\theta+\displaystyle \frac{7}{4}\pi)=1\) どちらでもOKです。
\(\sin (\theta-\displaystyle \frac{\pi}{4})=\displaystyle \frac{1}{\sqrt{2}}\)
\(0 \leqq \theta \lt 2\pi\) のとき
\(-\displaystyle \frac{\pi}{4} \leqq \theta-\displaystyle \frac{\pi}{4} \lt \displaystyle \frac{7}{4}\pi\)
下図のようになります。
よって、\(0 \leqq \theta \lt 2\pi\) のとき求める解は、
\(\theta-\displaystyle \frac{\pi}{4}=\displaystyle \frac{\pi}{4}\) と \(\theta-\displaystyle \frac{\pi}{4}=\displaystyle \frac{3}{4}\pi\)
よって、\( \theta=\displaystyle \frac{\pi}{2},\pi \)
例題2
\(0 \leqq \theta \lt 2\pi\) のとき、次の不等式 を解きなさい。
\(\sqrt{3}\sin \theta+\cos \theta \lt \sqrt{2}\)
解説
角がどちらも \(\theta\) なので、合成しましょう。
\(\sqrt{3}\sin \theta+\cos \theta =2\sin(\theta+\displaystyle \frac{\pi}{6})\) と合成できるので、
\(\sqrt{3}\sin \theta+\cos \theta \lt \sqrt{2}\) は
\(2\sin(\theta+\displaystyle \frac{\pi}{6}) \lt \sqrt{2}\)
\(\sin(\theta+\displaystyle \frac{\pi}{6}) \lt \displaystyle \frac{\sqrt{2}}{2}=\displaystyle \frac{1}{\sqrt{2}}\)
\(0 \leqq \theta \lt 2\pi\) のとき
\(\displaystyle \frac{\pi}{6} \leqq \theta+\displaystyle \frac{\pi}{6} \lt \displaystyle \frac{13}{6}\pi\)
下図のようになります。
\(\displaystyle \frac{\pi}{6} \leqq \theta+\displaystyle \frac{\pi}{6} \leqq \displaystyle \frac{\pi}{4}\) と \(\displaystyle \frac{3}{4}\pi \leqq \theta+\displaystyle \frac{\pi}{6} \lt \displaystyle \frac{13}{6}\pi\)
したがって、\(0 \leqq \theta \leqq \displaystyle \frac{\pi}{12}\) と \(\displaystyle \frac{7}{12}\pi \leqq \theta \lt 2\pi\)