メネラウスの定理・チェバの定理・徹底解剖!
センター試験において必須の定理、「メネラウスの定理」です。
「チェバの定理」も類似の定理としてセットで学習しましょう。
チェバの定理
まずは簡単な方、「チェバの定理」です。
下図のようなとき、
\(\displaystyle \frac{AP}{PB}×\displaystyle \frac{BQ}{QC}×\displaystyle \frac{CR}{RA}=1\)
この定理(式)の覚え方はとても簡単です。
三角形の頂点を○(白丸)、辺上の点を●(黒丸)とすれば、
どこでもいいので、スタート地点を決めて、時計回りでも反時計回りでもいいので、
ぐるりと \(1\) 周します。
白→黒→白→黒・・・のように必ず交互に順番にです。
黒からスタートでもかまいません。
そして、通過した箇所の長さを順番に、下の式に入れます。
\(\displaystyle \frac{①}{②}×\displaystyle \frac{③}{④}×\displaystyle \frac{⑤}{⑥}=1\)
くりかえしになりますが、スタート地点は、 \(B,C,P,Q,R\) 、どこからでもOKです。
例題1
下の図で、\(BQ:QC=3:5\)、\(AR:RC=7:8\) のとき、\(AP:PB\) を求めなさい。
解説
チェバの定理を使います。
点 \(A\) から反時計回りで \(1\) 周すると、
\(\displaystyle \frac{AP}{PB}×\displaystyle \frac{3}{5}×\displaystyle \frac{8}{7}=1\)
より、\(\displaystyle \frac{AP}{PB}=\displaystyle \frac{35}{24}\)
よって、\(AP:PB=35:24\)
以上求まりました。
メネラウスの定理
\(1\) つの直線が、三角形の各辺またはその延長と交わるときの定理です。
とにかく図を見て、目で覚える定理です。
下図のように三角形 \(ABC\) と直線 \(L\) が交わっているとき、
\(\displaystyle \frac{AP}{PB}×\displaystyle \frac{BQ}{QC}×\displaystyle \frac{CR}{RA}=1\)
この定理(式)の覚え方は「チェバの定理」と似ています。
三角形の頂点を○(白丸)、直線上の点を●(黒丸)とすれば、
どこでもいいので、スタート地点を決めて、時計回りでも反時計回りでもいいので、
ぐるりと \(1\) 周します。
白→黒→白→黒・・・のように必ず交互に順番にです。
黒からスタートでもかまいません。
そして、通過した箇所の長さを順番に、下の式に入れます。
\(\displaystyle \frac{①}{②}×\displaystyle \frac{③}{④}×\displaystyle \frac{⑤}{⑥}=1\)
くりかえしになりますが、スタート地点は、 \(B,C,P,Q,R\) 、どこからでもOKです。
例題1
下の図で、\(AB:BC=4:3\)、\(AF:FE=5:3\) のとき、\(BD:DE\) を求めなさい。
解説
メネラウスの定理は、チェバの定理より、使い方が難しい定理です。
この問題において、どれが白丸(三角形の頂点)でどれが黒丸(直線上の点)なのか、まずは見極めなくてはなりません。
三角形の候補は \(2\) つですね。
それに応じて、直線が決まります。
さて、どちらでしょうか?
メネラウスの定理のコツを伝授します
直線上には、辺の長さの比が入らない!!
です。
つまり、今回は こちらを採用します。
あとはメネラウスの定理を適用するだけです。
どこからスタートして、どっち周りで \(1\) 周しても良いのですが、
例えば \(A\) から時計回りに回ると
\(\displaystyle \frac{5}{3}×\displaystyle \frac{y}{x}×\displaystyle \frac{3}{3+4}=1\)
\(\displaystyle \frac{y}{x}=\displaystyle \frac{7}{5}\)
より、\(BD:DE=5:7\)
以上、求まりました。
例題2
下の図で、\(AB:BC=5:3\)、\(BG:GE=1:3\) のとき、\(AF:FE\) を求めなさい。
解説
なにやら「チェバの定理」を使いたくなる図形ですが・・・
チェバの定理では解決しません。
メネラウスの定理です。
さて、どれが三角形でどれが直線なのかを見極めなくては、メネラウスの定理は使えません。
これがメネラウスの定理の難しさです。
メネラウスの定理の第2のコツを伝授します。
メネラウスを適用するのは「キツネ型」図形です。
下の図形配置をキツネ型と覚えましょう。
つまり、この問題においては、候補は3つです。
問題で与えらえた比と、比を求める箇所がすべて活用されているのは、\(2\) つ目の図ですね。
直線上には、辺の長さの比が入らない!というコツもあわせて用いると
今回は、下図です。
あとはメネラウスの定理を適用すれば解決です。
どこからスタートして、どっち周りで \(1\) 周しても良いのですが、
例えば \(A\) から時計回りに回ると
\(\displaystyle \frac{x}{y}×\displaystyle \frac{3}{1}×\displaystyle \frac{3}{3+5}=1\)
\(\displaystyle \frac{x}{y}=\displaystyle \frac{8}{9}\)
より、\(AF:FE=8:9\)
以上、求まりました。
メネラウスの定理のまとめ
結局メネラウスの定理は、どのように適用するかが難しいのです。
より複雑な図から、どれがキツネ型なのかを見つけないといけない問題もあります。
つまり、キツネ型とは無関係な直線もたくさんある図の中から、必要な部分のみ抽出しないといけないような問題です。
ちなみに筆者は、メネラウスの定理を使わずに、別の方法で解きます。
教え子にもその「別の方法」を教えます。
メネラウスの定理の、いかに適用するかという難しさとは無縁の解法だからです。
次ページでは、その「別の方法」を解説します。