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導関数

導関数

関数 \(f(x)\) の接線の傾き(微分係数)について学習しました。

たとえば \(f(x)=3x^2\) で
\(f'(2)\) はいくつか。
※\(x=2\) のときにおける接線の傾き=微分係数はいくつか、と同じ意味。

前回学習したとおりの計算で求まりますね。

\(f'(2)=12\) です。

では、その逆です。
接線の傾きが与えられて、その接点を求めましょう。

例題1

\(y=3x^2\) で接線の傾きが
① \(15\) になる接点の座標を求めよ。
② \(-6\) になる接点の座標を求めよ。

これを解いてみましょう。

解説

接線の傾きが \(15\)

座標がわからないわけですから、文字でおくのが定石ですね。

\(x=a\) のときつまり、\((a,3a^2)\) の接線の傾きが \(15\) であるとします。
\(f(x)=3x^2\) とすると

\(f'(a)=\displaystyle \lim_{ h \to 0 } \displaystyle \frac{f(a+h)-f(a)}{h} \)

\(=\displaystyle \lim_{ h \to 0 } \displaystyle \frac{3(a+h)^2-3a^2}{h} \)

ここから先は分子を計算して、整理していくだけですよ。

\(=\displaystyle \lim_{ h \to 0 } \displaystyle \frac{3(a^2+2ah+h^2)-3a^2}{h} \)

\(=\displaystyle \lim_{ h \to 0 } \displaystyle \frac{6ah+3h^2}{h} \)

\(=\displaystyle \lim_{ h \to 0 } (6a+3h) \)

\(=6a\)

求めたいのは、傾きが \(15\) になる座標なので、
\(6a=15\)

\(a=\displaystyle \frac{5}{2}\)

よって、接線の傾きが \(15\) になる接点の座標は、\((\displaystyle \frac{5}{2} ,\displaystyle \frac{75}{4})\)

接線の傾きが \(-6\)

続いて、傾きが \(-6\) になる座標を求めます。
もう気づいていますよね?

\(x=a\) の点における微分係数 \(f'(a)\) は先ほど計算したとおり \(6a\) なので
\(6a=-6\)
\(a=-1\)

よって、接線の傾きが \(-6\) になる接点の座標は
\((-1,3)\)

まとめ・導関数

\(y=3x^2\) において、
\(x=a\) のときの微分係数(接線の傾き)である、\(f'(a)\)

\(f'(a)=6a\)
でした。

これって・・・
\(y=3x^2\) の微分係数(接線の傾き)の情報が詰まった
魔法の計算式じゃないですか!!

この魔法の計算式のことを導関数といいます。
※式ではなくて関数です。\(a\) の値に対して必ず \(1\) つ値をとる関数です。

導関数を求めることを微分するといいます。
\(y=f(x)\) の導関数を求めることを
\(y\) を \(x\) で微分するといいます。

導関数を
\(y’\)

\(f'(x)\)

\(\displaystyle \frac{dy}{dx}\)

などで表します。

導関数の求め方

上の例題で見た通り、
導関数を得るためには、微分係数を \(x=1,2,3\) のような固定した \(1\) 点で求めず、
\(x=a\) という不定の値で微分係数を求めました。

もちろん \(x\) → \(a\) と文字をかえる必要はありません。
定まった値でないのなら、文字は \(x\) でも \(a\) でもなんでも同じです。
普通に \(x\) のまま、微分係数を求めればよいのです。

言い方をかえると、 \(x=x\) における微分係数を求めれば、
それが導関数となります。

導関数 \(f'(x)\) の定義

\(f'(x)=\displaystyle \lim_{ h \to 0 } \displaystyle \frac{f(x+h)-f(x)}{h} \)

これだけ見てもピンとこないでしょう。
例題を見て練習して、身につけましょう。

例題2

\(f(x)=x^3+2x\) について、

(1) 定義にしたがって、関数 \(f(x)\) の導関数を求めなさい。
(2) \(x=3\) の接線の傾きを求めなさい。

解説

導関数を求めるとは、「グラフの接線の傾きを求めること」と覚えましょう。
特定の \(1\) 点に着目して、その \(1\) 点での接線の傾きを求めるのではなく、
グラフ上のあらゆる点の接線の傾きがつまった関数を求めるのです。

点 \(x\) での接線の傾きを求めれば、それこそが導関数 \(f'(x)\) です。

\(f'(x)=\displaystyle \lim_{ h \to 0 } \displaystyle \frac{f(x+h)-f(x)}{h} \)

\(=\displaystyle \lim_{ h \to 0 } \displaystyle \frac{\{(x+h)^3+2(x+h)\}-(x^3+2x)}{h} \)

分子を計算して整理していくのみです。

\(=\displaystyle \lim_{ h \to 0 } \displaystyle \frac{\{(x^3+3x^2h+3xh^2+h^3)+2(x+h)\}-(x^3+2x)}{h} \)

\(=\displaystyle \lim_{ h \to 0 } \displaystyle \frac{3x^2h+3xh^2+h^3+2h}{h} \)

\(=\displaystyle \lim_{ h \to 0 } \displaystyle \frac{h(3x^2+3xh+h^2+2)}{h} \)

\(=\displaystyle \lim_{ h \to 0 } (3x^2+3xh+h^2+2) \)

\(=3x^2+2\)

\(x=3\) の接線の傾きは、\(f'(3)\) です。
\(f'(x)=3x^2+2\) なので
\(f'(3)=3×3^2+2=29\)

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