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導関数からもとの関数のグラフへ

\(3\) 次関数のグラフの概形へ

微分という計算技術を知ったことで、グラフの接線を求められるようになりました。

この接線の情報を用いることで、グラフ全体の概形を知ることができます。

例えば、
\(y=x^3+2x^2+x+1\)
のような \(3\) 次関数のグラフをかくことができるようになるのです!!

微分によって得た導関数を調べることで、
もとの関数の概形がわかるのです。

今まで、 \(1\) 次関数と \(2\) 次関数のグラフの学習はしてきましたが、
ついに \(3\) 次関数のグラフの学習に入っていきます。
※ \(4\) 次関数のグラフや、それ以上の次数の関数のグラフもかけるようになります。

導関数から元の関数へ

導関数を調べることで、元の関数の概形がわかる、
とかきました。

つまり「接線が分かれば元のグラフもわかる」ということです。

\(2\) 次関数を例に見ていきましょう。

\(2\) 次関数のグラフと接線

\(f(x)=x^2\) とその導関数 \(f'(x)=2x\) を見てみましょう。

もちろん、\(f(x)=x^2\) のグラフの概形は知っています。

このグラフですが、導関数 \(f'(x)=2x\) から、復元することができます。

導関数 \(f'(x)=2x\)

\(x \lt 0\) で、\(y’ \lt 0\) がわかります。

つまり、\(f(x)=x^2\) のグラフの接線の傾きは、
\(x \lt 0\) では負なんです。
下り坂なんです。

\(x \lt 0\) の範囲では、
\(x\) の値が小さいほど、接線の傾きは大きい、急な下り坂。
\(x\) の値が \(0\) に近づくほど、接線の傾きは小さい、緩やかな下り坂
となっています。
※\(x=-10\) の傾きは \(-20\) ほぼ垂直な下り坂です。
\(x=-0.5\) の傾きは \(-1\)、 \(45°\)の下り坂です。

つまり、\(f(x)=x^2\) のグラフ上の点のうち、\(x \lt 0\) の範囲の何点かは
以下の図のようになっています。

そして、\(x=0\) で \(y’=0\) より、傾きが \(0\) になります。平らです。
そして、 \(0 \lt x\) で、\(0 \lt y’ \) なので、ここからは上り坂になります。
どんどん急になる上り坂です。

グラフ上にある \(9\) 個の点のおおよその位置がわかりました。
導関数 \(y’=2x\) から、もとの関数 \(y=x^2\) のグラフの概形がわかりましたね。

ちなみに、\(y=x^2\) のグラフを重ねると下図になります。

※座標平面上で曲線がどこにあるのか、つまり\(x\) 軸との位置関係は、
もとの式に値を代入することでわかります。

この考え方を用いて、 \(3\) 次関数のグラフの概形をかくことができるようになります。
これが数学Ⅱにおける微分の最重要テーマといえます。

いよいよ次ページから \(3\) 次関数のグラフがはじまります!

参考・少し精密にやってみよう

先ほど見た通り、
\(y=x^2\) の接線を引いていくと、\(y=x^2\) のグラフが浮かび上がります。

より精密に見ておきましょう。
\(y=x^2\)
\((-1 \leqq x \leqq 1)\)

この範囲で、\(x\) 座標が \(0.25\) 刻みの \(9\) 点の接線を引いてみます。

この時点で、かなりもとの曲線の概形が見えてきますね。

ちなみに\(y=x^2\) のグラフを重ねると

ピッタリです。

接線さえわかれば、もとのグラフもわかる。
ご理解いただけましたね。

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