3次関数のグラフをかく
微分によって得られた導関数から、グラフをかきます。
\(3\) 次関数のグラフは全 \(3\) パターンです。
以下で順に見ていきましょう。
例題1
次の関数の極値を求めなさい。
また、グラフをかきなさい。
\(y=-x^3+6x^2-3\)
解説
まずは微分です。導関数から傾きの情報を得ます。
\(y’=-3x^2+12x\)
\(=-3x(x-4)\)
導関数のグラフです。\(y’=0\) となる \(x\) と正負の情報を得ます。
これをもとに増減表にします。
\(\begin{array}{c|ccccc}
x & \cdots & 0 & \cdots & 4 & \cdots \\
\hline
f’(x) & – & 0 & + & 0 & – \\
\hline
f(x) & \searrow & -3 & \nearrow & 29 & \searrow\end{array}\)
増減表をもとに、グラフにします。
極値をとり、あとはなめらかに曲線でつなぎます。
\(x=0\) で極小値 \(-3\)
\(x=4\) で極大値 \(29\)
例題2
次の関数の極値を求めなさい。
また、グラフをかきなさい。
\(y=x^3+6x^2+12x+6\)
解説
まずは微分です。導関数から傾きの情報を得ます。
\(y’=3(x^2+4x+4)\)
\(=3(x+2)^2\)
導関数のグラフです。\(y’=0\) となる \(x\) と正負の情報を得ます。
これをもとに増減表にします。
\(\begin{array}{c|ccc}
x & \cdots & -2 & \cdots \\
\hline
f’(x) & + & 0 & + \\
\hline
f(x) & \nearrow & -2 & \nearrow\end{array}\)
増減表をもとに、グラフにします。
極値がないのですが、\(y’=0\) となる \(x=-2\) が大切な情報です。
\(x=-2\) は 極値のときのように、傾き \(0\) となるように曲線でかきます。
そして、この点が変曲点です。
この点を中心に点対称なグラフになるようにかきます。
ようは、下図のような概形になるということを「暗記」してください。
極値なし
となります。
例題3
次の関数の極値を求めなさい。
また、グラフをかきなさい。
\(y=-x^3-3x^2-5x+1\)
解説
まずは微分です。導関数から傾きの情報を得ます。
\(y’=-3x^2-6x-5\)
\(=-3(x+1)^2-2\)
導関数のグラフです。\(y’=0\) となる \(x\) と正負の情報を得ます。
これをもとに増減表にします。
\(\begin{array}{c|c}
x & \cdots \\
\hline
f’(x) & – \\
\hline
f(x) & \searrow\end{array}\)
増減表をもとに、グラフにします。
極値がないのですし、\(y’=0\) となる \(x\) もありません。
このようなときにグラフはどうなるのか。
まずは答えを知ってしまいましょう。
例題 \(2\) のようなグラフで、
傾き \(0\) となっていた場所(変曲点)も傾いているグラフになります。
見た方が早いですね。
\(x=-1\) が変曲点です。
これは、導関数の頂点の座標から得られます。
\(y’=-3x^2-6x-5\)
\(=-3(x+1)^2-2\) なので、頂点の \(x\) 座標は \(x=-1\) です。
これが変曲点の \(x\) 座標となります。
この点を中心に点対称なグラフになるようにかきます。
極値なし
となります。
まとめ
まずは導関数です。
\(3\) 次関数の導関数は \(2\) 次関数です。
その \(2\) 次関数が \(x\) 軸との共有点をもっているかどうかが重要です。
それによって、上でみたような \(3\) パターンのグラフとなります。
つまり \(f´(x)=0\) の \(2\) 次方程式の解を求めます。
解がそもそもないこともあるのですから、
すぐに求められそうにないときは解の公式です。
判別式で解の有無を調べても構いません。