例題1
\(0 \leqq \theta \lt 2\pi\) のとき、次の方程式 を解きなさい。
\(\sin (2\theta-\displaystyle \frac{\pi}{4})=\displaystyle \frac{1}{2}\)
解説
\(2\theta-\displaystyle \frac{\pi}{4}= \alpha\) ・・・① とおくと、
\(0 \leqq \theta \lt 2\pi\) のとき
\(-\displaystyle \frac{\pi}{4} \leqq \alpha \lt \displaystyle \frac{15}{4} \pi\)
※\(\theta=0\)、\(\theta=2\pi\) を①に代入すればわかりますね。
これはつまり、\(\theta=-\displaystyle \frac{\pi}{4}\) からスタートして、
反時計回りに \(2\) 周する範囲ということです!!
赤が \(1\) 周目
青が \(2\) 周目
また、与式は
\(\sin \alpha = \displaystyle \frac{1}{2}\)
で、これを満たす \(\alpha\) を求めることが目標です。
\(\alpha =\displaystyle \frac{\pi}{6}+2n\pi , \displaystyle \frac{5}{6}\pi+2n\pi\) \((nは整数)\)
が方程式を満たします。
\(-\displaystyle \frac{\pi}{4} \leqq \alpha \lt \displaystyle \frac{15}{4} \pi\) の範囲で
\(\sin \alpha =\displaystyle \frac{1}{2}\) を解きます。
まず、1周目です。
下図より、
\(\alpha =\displaystyle \frac{\pi}{6} ,\displaystyle \frac{5}{6}\pi\) がこの方程式を満たす解です。
次に2周目です。
下図より、
\(\alpha =\displaystyle \frac{13}{6}\pi ,\displaystyle \frac{17}{6}\pi\) がこの方程式を満たす解です。
よって、
\(\alpha =\displaystyle \frac{\pi}{6} ,\displaystyle \frac{5}{6}\pi , \displaystyle \frac{13}{6}\pi ,\displaystyle \frac{17}{6}\pi\)
が解です。
最後に、\(\alpha\) から \(\theta\) にもどしましょう。
\(2\theta-\displaystyle \frac{\pi}{4}= \alpha\) ・・・①
と最初におきましたね。
この式を \(\theta\) について解きます。
\(2\theta-\displaystyle \frac{\pi}{4}= \alpha\)
\(\theta-\displaystyle \frac{\pi}{8}= \displaystyle \frac{\alpha}{2}\)
\(\theta= \displaystyle \frac{\alpha}{2}+\displaystyle \frac{\pi}{8}\) ・・・③
これを使って\(\alpha\) から \(\theta\) にもどします。
\(\alpha =\displaystyle \frac{\pi}{6} ,\displaystyle \frac{5}{6}\pi , \displaystyle \frac{13}{6}\pi ,\displaystyle \frac{17}{6}\pi\) をそれぞれ、③に代入します。
\(\alpha =\displaystyle \frac{\pi}{6}\) を③に代入すると
\(\theta= \displaystyle \frac{1}{2}×\displaystyle \frac{\pi}{6}+\displaystyle \frac{\pi}{8}=\displaystyle \frac{5}{24}\pi\)
他 \(3\) つも同様に③に代入して \(\theta\) を求めます。
以下答えのみを記します。
\(\theta= \displaystyle \frac{5}{24}\pi,\displaystyle \frac{13}{24}\pi,\displaystyle \frac{29}{24},\pi\displaystyle \frac{37}{24}\pi\)
例題2
\(0 \leqq \theta \lt 2\pi\) のとき、次の不等式 を解きなさい。
\(\cos (2\theta+\displaystyle \frac{\pi}{3}) \leqq -\displaystyle \frac{\sqrt{3}}{2}\)
解説
\(2\theta+\displaystyle \frac{\pi}{3}= \alpha\) ・・・① とおくと、
\(0 \leqq \theta \lt 2\pi\) のとき
\(\displaystyle \frac{\pi}{3} \leqq \alpha \lt \displaystyle \frac{13}{3} \pi\)
※\(\theta=0\)、\(\theta=2\pi\) を代入した範囲
これはつまり、\(\theta=\displaystyle \frac{\pi}{3}\) からスタートして、
反時計回りに \(2\) 周する範囲ということです!!
赤が \(1\) 周目
青が \(2\) 周目
また、与式は
\(\cos \alpha \leqq -\displaystyle \frac{\sqrt{3}}{2}\)
なので、
\(\displaystyle \frac{5}{6}\pi+2n\pi \leqq \alpha \leqq \displaystyle \frac{7}{6} \pi+2n\pi\)\((nは整数)\)
が不等式を満たします。
\(\displaystyle \frac{\pi}{3} \leqq \alpha \lt \displaystyle \frac{13}{3} \pi\) の範囲で
\(\cos \alpha \leqq -\displaystyle \frac{\sqrt{3}}{2}\) を解きます。
まず、1周目です。
下図より、
\(\displaystyle \frac{5}{6}\pi \leqq \alpha \leqq \displaystyle \frac{7}{6}\pi\) がこの不等式を満たす解です。
次に2周目です。
下図より、
\(\displaystyle \frac{17}{6}\pi \leqq \alpha \leqq \displaystyle \frac{19}{6}\pi\) がこの不等式を満たす解です。
よって、
\(\displaystyle \frac{5}{6}\pi \leqq \alpha \leqq \displaystyle \frac{7}{6}\pi\)、\(\displaystyle \frac{17}{6}\pi \leqq \alpha \leqq \displaystyle \frac{19}{6}\pi\)
が解です。
最後に、\(\alpha\) から \(\theta\) にもどしましょう。
\(2\theta+\displaystyle \frac{\pi}{3}= \alpha\) ・・・①
と最初におきましたね。
この式を \(\theta\) について解きます。
\(2\theta+\displaystyle \frac{\pi}{3}= \alpha\)
\(\theta+\displaystyle \frac{\pi}{6}= \displaystyle \frac{\alpha}{2}\)
\(\theta= \displaystyle \frac{\alpha}{2}-\displaystyle \frac{\pi}{6}\) ・・・③
これを使って\(\alpha\) から \(\theta\) にもどします。
\(\displaystyle \frac{5}{6}\pi \leqq \alpha \leqq \displaystyle \frac{7}{6}\pi\)、\(\displaystyle \frac{17}{6}\pi \leqq \alpha \leqq \displaystyle \frac{19}{6}\pi\) なので、
\(\alpha=\displaystyle \frac{5}{6}\pi\) を③に代入して、\(\theta= \displaystyle \frac{1}{4}\pi\)
\(\alpha=\displaystyle \frac{7}{6}\pi\) を③に代入して、\(\theta= \displaystyle \frac{5}{12}\pi\)
より、
\(\displaystyle \frac{1}{4}\pi \leqq \theta \leqq \displaystyle \frac{5}{12}\pi\)
同様に、\(\displaystyle \frac{17}{6}\pi \leqq \alpha \leqq \displaystyle \frac{19}{6}\pi\) からは
\(\displaystyle \frac{5}{4}\pi \leqq \theta \leqq \displaystyle \frac{17}{12}\pi\)