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対称式の値

対称式

\(x+y\) 、\(x^2+y^2\) のように、 \(x,y\) を入れかえても変わらない式を、 \(x,y\) の対称式といいます。
特に、 \(x+y\) 、\(xy\) を基本対称式といいます。

対称式は、必ず基本対称式、 \(x+y\) 、\(xy\) のべき、和、差の組み合わせで表すことができます。


\(3x^2+3y^2-xy=3(x+y)^2-7xy\)


例題1

次の式を、\(x+y\) 、\(xy\) を用いて表しなさい。
(1)\(x^2+y^2\)
(2)\(x^3+y^3\)
(3)\((x-y)^2\)

(4)\(\displaystyle \frac{y}{x}+\displaystyle \frac{x}{y}\)

解説

\(x+y\) を \(2\) 乗、\(3\) 乗したものから、\(xy\) をいくつか足したり引いたりするのが基本方針です。

(1)\(x^2+y^2\)

\(2\) 乗なので、\((x+y)^2\) から調整します。

\(x^2+y^2\)
\(=(x+y)^2-2xy\)

(2)\(x^3+y^3\)

\(3\) 乗なので、\((x+y)^3\) から調整します。
\(x^3+y^3\)
\(=(x+y)^3-3x^2y-3xy^2\)
\(=(x+y)^3-3xy(x+y)\)

必ずうまくいくので、信じて計算を進めていくのみです。

(3)\((x-y)^2\)

\((x-y)^2=x^2-2xy+y^2\) なので、\(2\) 乗をつくるためにはやはり、\((x+y)^2\) から調整します。
\((x-y)^2=(x+y)^2-4xy\)

(4)\(\displaystyle \frac{y}{x}+\displaystyle \frac{x}{y}\)

見ていてもはじまらないので、まずは通分して、足してみましょう。
\(\displaystyle \frac{y}{x}+\displaystyle \frac{x}{y}\)

\(=\displaystyle \frac{x^2+y^2}{xy}=\displaystyle \frac{(x+y)^2-2xy}{xy}\)

解決しちゃいましたね。

例題2

\(x=\displaystyle \frac{1}{\sqrt{3}+\sqrt{2}}\)、\(y=\displaystyle \frac{1}{\sqrt{3}-\sqrt{2}}\)

のとき、次の式の値を求めよ。

(1)\(x+y\)
(2)\(xy\)
(3)\(x^2+y^2\)
(4)\(x^3+y^3\)

解説

\(x+y\) と \(xy\) を求めるのに、工夫の余地はありません。ただ計算するのみです。
たいして計算も面倒ではありあません。

次に、\(x^2+y^2\) や \(x^3+y^3\) を求めるわけですが、そのまま値を代入するのでは計算が面倒すぎてやってられません。ここで、基本対称式、\(x+y\) と \(xy\) の値を利用できるように式変形をします。
その後、\(x+y\) と \(xy\) の値を代入にします。

(1)\(x+y\)

\(x+y=\displaystyle \frac{1}{\sqrt{3}+\sqrt{2}}+\displaystyle \frac{1}{\sqrt{3}-\sqrt{2}}\)

\(=\displaystyle \frac{(\sqrt{3}-\sqrt{2})+(\sqrt{3}+\sqrt{2})}{(\sqrt{3}+\sqrt{2})(\sqrt{3}-\sqrt{2})}\)

\(=2\sqrt{3}\)

(2)\(xy\)

\(xy=\displaystyle \frac{1}{\sqrt{3}+\sqrt{2}}×\displaystyle \frac{1}{\sqrt{3}-\sqrt{2}}\)

\(=\displaystyle \frac{1}{(\sqrt{3})^2-(\sqrt{2})^2}\)

\(=1\)

(3)\(x^2+y^2\)

直接代入するのではなく、まず式変形をしましょう。
\(x^2+y^2=(x+y)^2-2xy\)

(1)(2) で求めた値を代入します。

\(=(2\sqrt{3})^2-2\cdot1\)
\(=10\)

(4)\(x^3+y^3\)

(3)と同様です。まずは式変形です。
\(x^3+y^3\)
\(=(x+y)^3-3xy(x+y)\)

(1)(2) で求めた値を代入します。
\(=(2\sqrt{3})^3-3\cdot1\cdot2\sqrt{3}\)

\(=18\sqrt{3}\)

例題3

\(x=\displaystyle \frac{\sqrt{5}-\sqrt{3}}{\sqrt{5}+\sqrt{3}}\)、\(y=\displaystyle \frac{\sqrt{5}+\sqrt{3}}{\sqrt{5}-\sqrt{3}}\)

のとき、次の式の値を求めよ。

\(5x^2+3xy+5y^2\)

解説

直接代入するのは、計算が面倒すぎますね。
基本対称式を使います。

\(xy=\displaystyle \frac{\sqrt{5}-\sqrt{3}}{\sqrt{5}+\sqrt{3}}×\displaystyle \frac{\sqrt{5}+\sqrt{3}}{\sqrt{5}-\sqrt{3}}\)

\(=1\)

\(x+y\)
\(=\displaystyle \frac{(\sqrt{5}-\sqrt{3})^2+(\sqrt{5}+\sqrt{3})^2}{(\sqrt{5}+\sqrt{3})(\sqrt{5}-\sqrt{3})}\)

\(\displaystyle \frac{(8-2\sqrt{15})+(8+2\sqrt{15})}{2}=8\)

つまり、
\(xy=1\)
\(x+y=8\)
なので、これを利用できるように、\(5x^2+3xy+5y^2\) を変形します。

\(5x^2+3xy+5y^2\) は \(5(x+y)^2\) からつくれそうです。

\(5(x+y)^2=5x^2+10xy+5y^2\) なので、

\(5x^2+3xy+5y^2=5(x+y)^2-7xy\)

これに、\(xy=1,x+y=8\) を代入して、
\(5x^2+3xy+5y^2=5(x+y)^2-7xy\)
\(=5\cdot8^2-7\cdot1\)
\(=313\)

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