数列の和と一般項
\(n \geqq 2\) のとき、\(a_{n}=S_{n}-S_{n-1}\)
\(n=1\) のとき、\(a_{1}=S_{1}\)
これってかなり当たり前のことをいっているだけです。
例えば、
\(S_{5}=a_{1}+a_{2}+a_{3}+a_{4}+a_{5}\)
\(S_{4}=a_{1}+a_{2}+a_{3}+a_{4}\)
上から下をひけば、
\(S_{5}-S_{4}=a_{5}\)
当たり前ですね!
例題1
初項から第 \(n\) 項までの和 \(S_{n}\) が次の式で与えられる数列 \(\{a_{ n }\}\) の一般項を求めなさい。
\(S_{n}=n^2-3n\)
解説
\(n \geqq 2\) のとき
\(a_{n}=S_{n}-S_{n-1}\)
\(=n^2-3n-\{(n-1)^2-3(n-1)\}\)
\(= 2n-4\)・・・①
また、\(a_{1}=S_{1}\) より、
\(a_{1}=1^2-3\cdot1=-2\)
これは①で \(n=1\) としたときの値と等しい。
※\(n=1\) のときチェックは必須です!
よって、一般項は
\(a_{ n }=2n-4\)
例題2
初項から第 \(n\) 項までの和 \(S_{n}\) が次の式で与えられる数列 \(\{a_{ n }\}\) の一般項を求めなさい。
\(S_{n}=3^n-2^n\)
解説
\(n \geqq 2\) のとき
\(a_{n}=S_{n}-S_{n-1}\)
\(=3^n-2^n-(3^{n-1}-2^{n-1})\)
\(=3^n-2^n-3^{n-1}+2^{n-1}\)
\(=3^n-3^{n-1}-2^n+2^{n-1}\)
\(=3^{n-1}(3-1)-2^{n-1}(2-1)\)
\(=2\cdot3^{n-1}-2^{n-1}\)・・・①
また、\(a_{1}=S_{1}\) より、
\(a_{1}=3^1-2^1=1\)
これは①で \(n=1\) としたときの値と等しい。
※\(n=1\) のときチェックは必須です!
よって、一般項は
\(a_{ n }=2\cdot3^{n-1}-2^{n-1}\)
例題3
初項から第 \(n\) 項までの和 \(S_{n}\) が次の式で与えられる数列 \(\{a_{ n }\}\) の一般項を求めなさい。
\(S_{n}=3^n-2^n-1\)
解説
例題2とほぼ同じ問題です。
例題2では \(S_{n}=3^n-2^n\)
例題3では \(S_{n}=3^n-2^n-1\)
どのような違いがでるのか・・・!?
見ていきますよ!
\(n \geqq 2\) のとき
\(a_{n}=S_{n}-S_{n-1}\)
\(=3^n-2^n-1-(3^{n-1}-2^{n-1}-1)\)
\(=3^n-2^n-1-3^{n-1}+2^{n-1}+1\)
\(=3^n-3^{n-1}-2^n+2^{n-1}\)
\(=3^{n-1}(3-1)-2^{n-1}(2-1)\)
\(=2\cdot3^{n-1}-2^{n-1}\)・・・①
※\(a_{n}=2\cdot3^{n-1}-2^{n-1}\) は、例題2と3でまったく同じ結果です。
また、\(a_{1}=S_{1}\) より、
\(a_{1}=3^1-2^1-1=0\)
これは①で \(n=1\) としたときの値と異なる。
※\(n=1\) のときチェックは必須です。
よって、
\(n=1\) のとき、\(a_{1}=0\)
\(n \geqq 2\) のとき \(a_{n}=2\cdot3^{n-1}-2^{n-1}\)
例題2と3との違いは \(n=1\) のときに表れました。
このようなケースもあるのです。\(n=1\) のときチェックは必須です。