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積の法則

積の法則

前ページで和の法則はいらない、ということを見ました。
次は積の法則です。
~の法則
という立派な名前がつくのは
「和の法則」
「積の法則」
の \(2\) つだけです。

積の法則

積の法則

\(2\) つの事柄 \(A\)、\(B\) がある
\(A\) が起こる場合の数が \(m\) 通りあり、そのどの場合に対しても
\(B\) が起こる場合の数が \(n\) 通りのとき、
\(A\)、\(B\) がともに起こる場合の数は \(m×n\) 通り


上の一般論を読んでピンときますか?
具体例を見た方が何を言っているのがわかります。
さっそく見ていきましょう。

例題1

大、小 \(2\) つのさいころを投げます。
大の目が \(4\) 以下で、小の目が偶数となる場合の数を求めなさい。

解説

大は \(4\) 以下、つまり \(1,2,3,4\) の \(4\) 通り
小は偶数、つまり、\(2,4,6\) の \(3\) 通り
ここで、
\(4+3=7\) (通り)
では間違いですね!

じゃあ積の法則だ!このページのタイトルも積の法則だし!

このように頭を使うのもやめてくださいね。

和の法則なのか、積の法則なのか、どちらを使えば解けるのか、と考えるのはやめましょう。
どちらの法則も使えないときだってありますから。

場合の数について考えるとは、
全パターンをゴリゴリ書き出すとどうなるかな、と頭を使うのです!
特に初心者のうちは、考えるだけで済ませずに実際にかき出しましょう。

よって、\(3+3+3+3=12\) (通り)
求まりました。

積の法則を適用できるとき

ところで、
大の \(4\) 通り、どの場合にも、小の目が \(3\) 通りずつありますね。
\(3×4=12\) 通り
と求めることもできます。
※\(4×3=12\) 通り、でもOKです。

これこそが、「積の法則を適用できるとき」なのです。

そもそも、積を使うのってどんなときでしょうか。
積(かけ算)とは、たし算の延長です。
同じものを何個も足すときに積(かけ算)を使います。
ですから、「積の法則」などと大層な名前がついていますが、結局は「同じものを何個か足すときはかけ算使おうね」と、小学2年生並のあたりまえのことを言っているだけのものです。

さて、問題を解くときに、積の法則を適用できるときと一致するかどうか、という頭の使い方をしていてはダメです。
全書き出しをするとどうなるのかというように頭を使うのです!
全書き出しをしたときに、規則正しく枝分かれする樹形図になることがわかれば、
全書き出しをしなくとも、かけ算で求められることがわかります。
このような解法ができるという状態こそが、「積の法則を適用できるとはどのようなときなのかが腹の底からわかった」という状態なのです。

例題2

大、小 \(2\) つのさいころを投げます。
大の目が \(3\) の倍数で、小の目が大の目よりも小さくなる場合の数を求めなさい。

解説

積の法則など使用できるはずもありません。
全書き出しをするのみです。

全部で、\(7\) 通りです。
何らかの法則を使えば計算一発で終了、というタイプの問題ではありません。

とにかく法則や公式を使いたい!という姿勢で問題に臨んでいる人は要注意という意味を込めての例題です。
場合の数に限った話ではありませんが、公式とは、どのような場面で適用できるのかを正しく理解(理解できなくとも、少なくとも暗記)しないと使い物になりません。

例題3

\(A\) 町と \(B\) 町は \(3\) 本の道路でつながっていて、\(B\) 町と \(C\) 町は \(2\) 本の道路でつながっています。
\(A\) 町から \(B\) 町を経由して \(C\) 町に行き、帰りは \(B\) 町を経由して \(A\) 町へ戻ります。
このとき、同じ道を \(2\) 度通らないような往復の仕方は何通りありますか。

解説

計算一発で解決する問題なのか。
それともそうではない問題なのか。
全書き出しをしたらどうなるのかが頭に描ければ判明することです。
頭の中だけで判明しない人は、全書き出しを実際にするのです!!
この練習をたくさんすることで、頭の中だけでスッとわかる日が来ます。

さて、全書き出しをしていきましょう。
そのさい、場合の数における超重要テクニックがあります。
区別すべきものには名前をつける!
テクニックというより当たり前のことなんですけどね・・・
\(AB\) 間の道に「あ、い、う」
\(BC\) 間の道に「ア、イ」
と名前をつけましょう。

行きと帰りは違う道を行くという条件に気を付けて、書きだします。
・まず「あ」の道を通る場合

\(4\) 通りです。
はじめに通る道が、「い」、「う」のときも同様に \(4\) 通りずつあるに決まっています。
よって、\(4×3=12\) (通り)
以上求まりました。
これは「積の法則」を使って求めたのか・・・
使わないで求めたのか・・・
どっちでもいいじゃないですか。
正しい推論で正しい答えを得られたのですから。
※ちなみに、「積の法則」を使って求めています。この解法の手順こそが積の法則です。

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