整式の乗法
ポイント
中学数学のおさらいです。
ここはサラッと読み飛ばしていただくのが理想ですが、
ここですでに穴が開いている人は、中学数学からしっかりとやり直しましょう。
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数学は積み上げていく科目なので、基礎の土台が揺らいでいては
次に進んでいくことができないのです。
単項式の乗法
指数法則
\(m,n\) を正の整数とするとき、
\(a^m×a^n=a^{m+n}\)
\((a^m)^n=a^{mn}\)
\((ab)^n=a^n b^n\)
この \(3\) つの式は、成り立つのが当たり前!
という状態になるまで慣れ親しまないといけません。
考えこんで使う式ではありませんし、丸暗記して数を代入する式でもありません。
だって、当たり前じゃないですか!
下の式を見てください。 \(a\) や \(b\) が何回かけられているか、
話題になっているのはそれだけです。
\(a^2×a^3=(a×a)×(a×a×a)=a^5\)
\((a^2)^3=a^2×a^2×a^2=a^6\)
\((a^2b)^3=(a×a×b)×(a×a×b)×(a×a×b)=a^6b^3\)
※\(b^1\) のことを普通 \(b\) と書きます。 \(1\) 乗は省略します。
例1
\(5x^2×(-2x^3)\)
\(=5×x^2×(-2)×x^3\)
\(=-10x^{2+3}\)
\(=-10x^5\)
\(2,3\) 行目の途中経過は飛ばして、暗算で答えが出せるように、よく練習しましょう。
例2
\((-x^2y)^3\)
\(=(-1)^3×(x^2)^3×y^3\)
\(=-1×x^6×y^3\)
\(=-x^6y^3\)
これも、\(2,3\) 行目の途中経過は飛ばして暗算で答えが出せるように、よく練習しましょう。
多項式の乗法
分配法則
例1
\((x-1)(2x^2+3x-1)\)
答え
\((x-1)(2x^2+3x-1)\)
\(\begin{eqnarray}=2x^3 &+& 3x^2- \hspace{ 5pt }x \\ &-& 2x^2-3x+1\end{eqnarray} \)
※分配法則で \(6\) 回かけ算しますが、上下に \(x^n\) の \(n\) がそろうようにかくのがおススメです。
\(=2x^3+x^2-4x+1\)
例2
\((x+3-x^2)(1+3x^2-x)\)
答え
降べきの順になおして
\((-x^2+x+3)(3x^2-x+1)\)
\(\begin{eqnarray}=-3x^4 &+& \hspace{ 5pt }x^3-\hspace{ 5pt }x^2 \\ &+& 3x^3-\hspace{ 5pt }x^2+\hspace{ 5pt }x \\ \hspace{ 18pt } & & \hspace{ 15pt } +9x^2-3x+3 \end{eqnarray} \)
\(=-3x^4+4x^3+7x^2-2x+3\)
展開公式(中学数学)
\((x+a)(x+b)=x^2+(a+b)x+ab\)
\((x+a)^2=x^2+2ax+a^2\)
\((x-a)^2=x^2-2ax+a^2\)
\((x+a)(x-a)=x^2-a^2\)
いずれも、中学数学でよく練習したものですね。
例題1
\((x^2+1)(x^2-3)\) を展開しなさい。
解説
\((x+a)(x+b)=x^2+(a+b)x+ab\) を利用できます。
\((x^2+1)(x^2-3)\)
\(=(x^2)^2+(1-3)x^2+1×(-3)\)
\(=x^4-2x^2-3\)
例題2
\((-3x^2-2y)^2\) を展開しなさい。
解説
\((x+a)^2=x^2+2ax+a^2\) を利用できます。
\((-3x^2-2y)^2\)
\(=(-3x)^2+2\cdot(-2y)(-3x)+(-2y)^2\)
\(=9x^4+12x^2y+4y^2\)
例題3
\((-ab+c)(-ab-c)\) を展開しなさい。
解説
\((x+a)(x-a)=x^2-a^2\) を利用できます。
\((-ab+c)(-ab-c)\)
\(=(-ab)^2-c^2\)
\(=a^2b^2-c^2\)