三角関数がはじまるよ!
このページから、「三角関数」がはじまります。
現代社会において、ありとあらゆる分野で大活躍する「三角関数」です。
ゲーム開発や音楽にも実用的応用がある「三角関数」です。
高校数学において、その「実用的応用」に触れることはありませんが、
現代社会を支える数学の基礎の基礎に慣れ親しんでおきましょう。
三角関数の定義
\(x\) 軸の正の部分を始線とし、角 \(\theta\) の動径 \(OP\) と
半径 \(r\) の円との交点を \(P(x,y)\) とするとき
以下のように定義する。
\(\sin \theta=\displaystyle \frac{y}{r}\)
\(\cos \theta=\displaystyle \frac{x}{r}\)
\(\tan \theta=\displaystyle \frac{y}{x}\)
ただし、\(\tan \theta\) は \(x=0\) となる角 \(\theta\) では定義されません
\(\sin \theta\)、\(\cos \theta\)、\(\tan \theta\) は \(\theta\) の関数で、
これらを三角関数といいます。
数学Ⅰで学んだ「三角比」と何ら変わらないですね。
そうなんです、まったく同じと思ってもらって結構です。
角 \(\theta\) が一般角であることが違いなのですが、特別意識するようなことでもありません。
単位円による三角関数の定義
上の話において、 \(r=1\) の場合を考えます。
半径 \(1\) の円を単位円といいます。
先ほどの三角関数の定義において、 \(r=1\) とすると
\(\sin \theta=\displaystyle \frac{y}{1}=y\)
\(\cos \theta=\displaystyle \frac{x}{1}=x\)
つまり、
\(\sin \theta\) は点 \(P\) の \(y\) 座標
\(\cos \theta\) は点 \(P\) の \(x\) 座標
となります。
\(\tan \theta=\displaystyle \frac{y}{x}\) なので、直線 \(OP\) の傾きです。
この話も数学Ⅰで学習したとおりです!
同じです!
三角関数の符号と、とりうる値
\(\sin \theta\)の符号と、とりうる値
\(\sin \theta\) は単位円周上の点 \(P\) の \(y\) 座標です。
\(-1 \leqq \sin \theta \leqq 1\)
\(\cos \theta\)の符号と、とりうる値
\(\cos \theta\) は単位円周上の点 \(P\) の \(x\) 座標です。
\(-1 \leqq \cos \theta \leqq 1\)
\(\tan \theta\)の符号と、とりうる値
\(\tan \theta=\displaystyle \frac{y}{x}\) なので、直線 \(OP\) の傾きです。
\(\tan \theta\) は実数全体をとる。
例題1
\(\theta=-240°\) のとき、\(\sin \theta\)、\(\cos \theta\)、\(\tan \theta\)
をそれぞれ求めなさい。
解答
単位円を図示して考えます。
水色の直角三角形が有名三角形で、辺の比を暗記ですね。
つまり、\(-240°\) と \(120°\) は動径の位置が同じです。
\(\sin -240°=\displaystyle \frac{\sqrt{3}}{2} \)
\(\cos -240°=-\displaystyle \frac{1}{2} \)
\(\tan -240°=-\sqrt{3} \)
例題2
\(\theta=\displaystyle \frac{7}{4} \pi \) のとき、\(\sin \theta\)、\(\cos \theta\)、\(\tan \theta\)
をそれぞれ求めなさい。
解答
数学Ⅰで学習した三角比と結局は同じなんですけど、
最大の違いは「弧度法」で表示されるということです。
「三角関数」は「度数法」で定義したって本質的なことは何も変わりません。
度数法で表示しても何の問題もないのですが、
「弧度法」で学習していくのが数学Ⅱと思ってください。
単位円を図示して考えます。
水色の直角三角形が有名三角形で、辺の比を暗記ですね。
\(\sin \displaystyle \frac{7}{4} \pi =-\displaystyle \frac{1}{\sqrt{2}} \)
\(\cos \displaystyle \frac{7}{4} \pi =\displaystyle \frac{1}{\sqrt{2}} \)
\(\tan \displaystyle \frac{7}{4} \pi =-1\)