同じものを含む順列と確率
基本的に確率は、「場合の数」を求めることに終始します。
適切に場合の数を求められるように、必要ならば「場合の数」の単元を読み返しましょう。
例題1
\(3\) 個の白球と \(1\) 個の赤球を横一列に並べるとき、赤玉が左端にくる確率を求めなさい。
解説
まずは下の答案を読んで、考えてみてください。
(赤白白白)
(白赤白白)
(白白赤白)
(白白白赤)
の \(4\) 通りのうち、赤玉が左端にくるのは \(1\) 通り
よって、求める確率は \(\displaystyle \frac{1}{4}\)
これって間違いでしょうか?正解でしょうか?
白球は区別すべき
確率の学習を丁寧にやってきた人には、
「白球 \(3\) つは区別すべきじゃないのか?」
という疑問が頭に浮かんでいるはずです。
白球にア、イ、ウと名前をつけると、
(赤白白白)という場合は、
(赤アイウ)
(赤アウイ)
(赤イアウ)
(赤イウア)
(赤ウアイ)
(赤ウイア)
の \(6\) 通りであることがわかります。
同様に、
(白赤白白)
(白白赤白)
(白白白赤)
も、それぞれ \(6\) 通りずつあるので、
起こりうる場合の数は、\(4×6\) 通り
赤玉が左端にくるのは, \(1×6\) 通りなので、求める確率は、
\(\displaystyle \frac{1×6}{4×6}=\displaystyle \frac{1}{4}\)
これって、はじめの答案の答えと一致しています。
白球を区別しても、しなくとも、正しく確率が求まりました。
白球を区別しない場合が、等しく \(6\) 倍で区別する場合となったからです。
このように、区別しない場合すべての条件が等しいならば、根本事象(区別する場合)で確率を求めなくとも正しい結果が得られます。
いかがですか?
今後、正しく使い分けられそうでしょうか?
不安な人は
「どんなときも、同じものには名前をつけて区別して確率を求める!」
という態度で臨みましょう。
筆者もそれをおススメします。
確率に関する理解が深まり、感覚も研ぎ澄まされれば、区別しないで確率を求めても良いと思いますが。
例題2
\(K,A,W,A,I,I\) の \(6\) 文字を横一列に並べるとき、両端が \(A\) になる確率を求めよ。
解説
すべての文字を区別して解きましょう。
全 \(6\) 文字の並べ方は、\(6!\) 通り。
両端に \(A\) を並べるのは \(2\) 通り。
※\((A_{1},A_{2})\) か \((A_{2},A_{1})\)
間の \(4\) 文字の並べ方は、 \(4!\) 通り
※もちろん \(I\) も区別
つまり、両端が \(A\) となる並べ方は、\(2×4!\) 通り
よって求める確率は、
\(\displaystyle \frac{2×4!}{6!}=\displaystyle \frac{1}{15}\)
以上、求まりました。