反復試行の確率
同一条件で同じ試行を繰り返すことを反復試行といいます。
\(1\) 回の試行で事象 \(A\) が起こる確率が \(p\) ならば、
\(n\) 回の反復試行で \(r\) 回 \(A\) が起こる確率は
\(_n \mathrm{ C }_r p^r(1-p)^{n-r}\)
これは公式として覚えるよりも、式の意味を暗記して欲しいと思います。式の意味が、そのまま公式になります。
例
さいころを \(3\) 回なげて、\(1\) の目が \(2\) 回でる確率
(1,1,他)
(1,他,1)
(他,1,1)
の \(3\) パターンがあります。
(1,1,他)と出る確率は
\(\displaystyle \frac{1}{6}×\displaystyle \frac{1}{6}×\displaystyle \frac{5}{6}=\displaystyle \frac{5}{216}\)
(1,他,1)と出る確率は
\(\displaystyle \frac{1}{6}×\displaystyle \frac{5}{6}×\displaystyle \frac{1}{6}=\displaystyle \frac{5}{216}\)
(他,1,1)と出る確率は
\(\displaystyle \frac{5}{6}×\displaystyle \frac{1}{6}×\displaystyle \frac{1}{6}=\displaystyle \frac{5}{216}\)
以上合わせて、\(\displaystyle \frac{5}{216}×3=\displaystyle \frac{5}{72}\)
これが求める確率です。
上で見た通りですが、 \(3\) パターンの確率がすべて等しく、\((\displaystyle \frac{1}{6})^2(\displaystyle \frac{5}{6})\) です。
これを、\(3\) つ足すわけですから、
\((\displaystyle \frac{1}{6})^2(\displaystyle \frac{5}{6})×3=\displaystyle \frac{5}{72}\)
となります。
これを反復試行の確率の公式に則って解くと以下のようになります。
\(1\) が出る確率 \(\displaystyle \frac{1}{6}\) と \(1\) が出る確率 \(\displaystyle \frac{1}{6}\) と他が出る確率 \(\displaystyle \frac{5}{6}\) の積に、
\(3\) 回のうち、\(1\) が \(2\) 回でるのは
\((1,2)\)、\((1,3)\)、\((2,3)\) 回目の \(3\) 通りあります。
これは、\(_3 \mathrm{ C }_2=3\) と求まります。
よって、
\(_3 \mathrm{ C }_2(\displaystyle \frac{1}{6})^2(\displaystyle \frac{5}{6})=\displaystyle \frac{5}{72}\)
となります。
例題1
さいころを \(5\) 回続けて投げるとき、次の確率を求めなさい。
(1)\(5\) 以上の目が \(3\) 回出る
(2)\(5\) 以上の目が \(4\) 回以上出る
解説
(1)\(5\) 以上の目が \(3\) 回出る
\(5\) 以上の目は \(5,6\) なので、\(1\) 回の試行ででる確率は、\(\displaystyle \frac{2}{6}=\displaystyle \frac{1}{3}\)
それ以外の目がでる確率は、\(1-\displaystyle \frac{1}{3}=\displaystyle \frac{2}{3}\)
よって、
\(_5 \mathrm{ C }_3(\displaystyle \frac{1}{3})^3(\displaystyle \frac{2}{3})^2=\displaystyle \frac{40}{243}\)
(2)\(5\) 以上の目が \(4\) 回以上出る
\(5\) 以上の目が \(4\) 回出る確率と、\(5\) 以上の目が \(5\) 回出る確率の和となります。
\(4\) 回出る確率
\(_5 \mathrm{ C }_4(\displaystyle \frac{1}{3})^4(\displaystyle \frac{2}{3})=\displaystyle \frac{10}{243}\)
\(5\) 回出る確率
\((\displaystyle \frac{1}{3})^5=\displaystyle \frac{1}{243}\)
よって、これらの和は
\(\displaystyle \frac{10}{243}+\displaystyle \frac{1}{243}=\displaystyle \frac{11}{243}\)