解と係数の関係の利用
\(ax^2+bx+c=0\) の \(2\) つの解を \(\alpha,\beta\) とすると、
\(\alpha+\beta=-\displaystyle \frac{b}{a}\)
\(\alpha\beta=\displaystyle \frac{c}{a}\)
特に \(a=1\) のとき、
\(\alpha+\beta=-b\)・・・解の和と \(x\) の係数は符号違い
\(\alpha\beta=c\)・・・解の積と定数項は等しい
例題1
\(2\) 次方程式 \(x^2+2mx-2m-5=0\) の \(2\) つの解の差が \(4\) であるとき、定数 \(m\) の値と \(2\) つの解を求めなさい。
解説
\(2\) つの解を \(\alpha,\alpha+4\) とする。
解と係数の関係から
\(\alpha+(\alpha+4)=-2m\) ・・・①
\(\alpha(\alpha+4)=-2m-5\) ・・・②
①②を連立します。
①より、\(\alpha=-m-2\)
これを②に代入すると、
\((-m-2)\{(-m-2)+4)\}=-2m-5\)
\(m^2-4=-2m-5\)
\(m^2+2m+1=0\)
\((m+1)^2=0\)
\(m=-1\)
したがって、もとの \(2\) 次方程式は \(x^2-2x-3=0\)
これを解きます。
\(x^2-2x-3=0\)
\((x+1)(x-3)=0\)
よって、
\(x=-1,3\)
別解
\(m=-1\) を①に代入して、\(\alpha\) を求めてもOKです。
\(\alpha+(\alpha+4)=-2m\) ・・・①
なので、
\(\alpha=-1\)
\(2\) つの解を \(\alpha,\alpha+4\) としたので、
\(2\) つの解は、\(-1,3\)
例題2
\(2\) 次方程式 \(x^2+3(k+1)x+6k+14=0\) の \(1\) つの解が他の解の \(2\) 倍であるとき、実数の定数 \(k\) の値と、そのときの解をそれぞれ求めなさい。
解説
\(1\) つの解を \(\alpha\) とすると、他の解は \(2\alpha\) となります。
解と係数の関係より、
\(\alpha+2\alpha=-3(k+1)\) ・・・解の和は、\(x\) の係数と符号違い
\(\alpha\cdot 2\alpha=6k+14\) ・・・解の積は、定数項
つまり、
\(\begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} \alpha=-k-1 \\ \alpha^2 = 3k+7 \end{array} \right.\end{eqnarray}\)
これを解きます。\(\alpha\) を消去すると、
\((-k-1)^2=3k+7\)
\(k^2+2k+1=3k+7\)
\(k^2-k-6=0\)
\((k+2)(k-3)=0\)
したがって、 \(k=-2,3\)
\(k=-2\)
\(k=-2\) のとき、もとの \(2\) 次方程式は、
\(x^2+3(k+1)x+6k+14=0\) に \(k=-2\) を代入して、
\(x^2-3x+2=0\)
\((x-1)(x-2)=0\)
より、 \(x=1,2\)
確かに、 \(1\) つの解が他の解の \(2\) 倍になっていますね。
\(k=3\)
\(k=3\) のとき、もとの \(2\) 次方程式は、
\(x^2+3(k+1)x+6k+14=0\) に \(k=3\) を代入して、
\(x^2+12x+32=0\)
\((x+4)(x+8)=0\)
より、 \(x=-4,-8\)
こちらも、 \(1\) つの解が他の解の \(2\) 倍になっています。