センター試験・過去問研究
センター試験の過去問を徹底解説します。
センター試験とはどれくらいのレベルの問題が出るのか、どのような出題があるのか、まずは経験値をつみましょう!
(1)\(\{a_n\}\) の初項は \(アイ\)、公差は \(ウエ\) であり
\(S_n=オn^2-カキn\)
である。
(2) \(\{b_n\}\) の初項は \(クケ\)、公比は \(コ\) であり
\(T_n=サ(シ^n-ス)\)
である
筆者注 (3)へ続く
解説
両問ともに基本ですね。しっかり得点しましょう。
初項から第 \(8\) 項まで、\(8\) つの数の平均は、\(288÷8=36\)
これは、\(a_4\) と \(a_5\) の平均なので、\(a_4=30\) より、 \(a_5=42\)
より、公差は \(42-30=12\) である。
ウエ=12
\(a_4=a_1+12+12+12\) なので、\(a_4=30\) より、
\(a_1=-6\)
アイ=-6
初項から第 \(n\) 項までの和 \(S_n\) は公式通りです。
一般項、\(a_n=a_1+12(n-1)=12n-18\)
\(S_n=\displaystyle \frac{1}{2}n(a_1+a_n)\)
\(=\displaystyle \frac{1}{2}n(-6+12n-18)\)
\(=6n^2-12n\)
より、オ=6、カキ=12
参考
平均?こんなこと思いつかない!って人もいますでしょうか?
そもそも等差数列の和の公式の意味がわかっていないということでしょう。
\(S_8=288\)\(=a_1+a_2+a_3+a_4+a_5+a_6+a_7+a_8\)
平均が、\(a_4\) と \(a_5\) の平均になるのは明らかでしょう。
また、等差数列では、
\(a_1+a_8=a_2+a_7=a_3+a_6=a_4+a_5\)
なので、
\(a_4+a_5=288÷4=72\)
から解いても良いですね。
続いて等比数列です。
公比を \(r\) とします。
\(T_3=156=b_1+b_2+b_3\)
\(b_1=\displaystyle \frac{36}{r}\)
\(b_2=36\)
\(b_3=36r\)
なので、
\(\displaystyle \frac{36}{r}+36+36r=156\)
あとはこの方程式を解くだけの計算問題です。
この式を \(36\) で割ると、
\(\displaystyle \frac{1}{r}+1+r=\displaystyle \frac{13}{3}\)
この式を \(3r\) 倍して、整理すると
\(3r^2-10r+3=0\)
たすきがけ因数分解をして
\((r-3)(3r-1)=0\)
\(r=3,\displaystyle \frac{1}{3}\)
※解の公式で求めても良いです。
公比は \(1\) より大なので、
公比は \(3\)
\(b_1=\displaystyle \frac{36}{r}=12\)
より、クケ=12、コ=3
初項から第 \(n\) 項までの和 \(T_n\) は公式通りです。
一般項、\(b_n=b_1×r^{n-1}=12×3^{n-1}\)
\(T_n=\displaystyle \frac{12(3^n-1)}{3-1}\)
\(=6(3^n-1)\)
より、サ=6、シ=3、ス=1
では後半です!
\(c_n=\displaystyle \sum_{ k = 1 }^{ n } (n-k+1)(a_k-b_k)\)
\(=n(a_1-b_1)+(n-1)(a_2-b_2)+\cdots\)\(+2(a_{n-1}-b_{n-1})+(a_n-b_n)\)
\((n=1,2,3,\cdots)\)
たとえば
\(c_1=a_1-b_1\)
\(c_2=2(a_1-b_1)+(a_2-b_2)\)
\(c_3=3(a_1-b_1)+2(a_2-b_2)+(a_3-b_3)\)
である。数列 \(\{c_n\}\) の一般項を求めよう。
\(\{c_n\}\) の階差数列を \(\{d_n\}\) とする。\(d_n=c_{n+1}-c_n\) であるから、\(d_n=セ\) を満たす。\(セ\) に当てはまるものを、次の0~7のうちから一つ選べ。
0 \(S_n+T_n\)
1 \(S_n-T_n\)
2 \(-S_n+T_n\)
3 \(-S_n-T_n\)
4 \(S_{n+1}+T_{n+1}\)
5 \(S_{n+1}-T_{n+1}\)
6 \(-S_{n+1}+T_{n+1}\)
7 \(-S_{n+1}-T_{n+1}\)
続く
長文ですね。
しかも、数列 \(\{c_n\}\) の定義も面倒な長い式です・・・
こういうときはウンザリしていないで手を動かすのです!
誰もが経験してきた定番問題でないことは明らかです。
つまり、知識によらない問題です。そのような問題は、難度が低いことが多いのです。
ひらめきがいらない問題であることが多いのです。
では解きましょう。
\(d_n=c_{n+1}-c_n\) とありますからね。素直にこれを計算しましょう。
\(c_{n+1}=(n+1)(a_1-b_1)+n(a_2-b_2)+\cdots\)\(+3(a_{n-1}-b_{n-1})+2(a_n-b_n)+(a_{n+1}-b_{n+1})\)
\(c_n=n(a_1-b_1)+(n-1)(a_2-b_2)+\cdots\)\(+2(a_{n-1}-b_{n-1})+(a_n-b_n)\)
上下に引きます。
スマホの人は式が上下にきれい揃わないかな?
自分で手を動かしながら学習していますよね?
\((a_k-b_k)\) が上下に揃うように書くのがコツですよ。
引くと、すべての項の係数が \(1\) になりますね!
\(c_{n+1}-c_n=(a_1-b_1)+(a_2-b_2)+\cdots\)\(+(a_{n-1}-b_{n-1})+(a_n-b_n)+(a_{n+1}-b_{n+1})\)
\(=(a_1+a_2+\cdots+a_{n+1})\)\(-(b_1+b_2+\cdots+b_{n+1})\)
\(=S_{n+1}-T_{n+1}\)
より、選択肢は5です。
セ=5
では続きです。
\(d_n=ソn^2-2\cdotタ^{n+チ}\)
である。
\(c_1=ツテト\) であるから、 \(\{c_n\}\) の一般項は
\(c_n=ナn^3-二n^2+n+ヌ-タ^{n+ネ}\)
である。
もちろん、(1)と(2)で何を求めたのかを見返します。
\(S_n=6n^2-12n\)
\(T_n=6(3^n-1)\)
が求まっています。
つい先ほど、\(d_n=S_{n+1}-T_{n+1}\) を求めたばかりですね。代入します。
\(d_n=\{6(n+1)^2-12(n+1)\}-6(3^{n+1}-1)\)
あとは整理するだけです。
\(d_n=6n^2-2\cdot3^{n+2}\)
より、ソ=6、タ=3、チ=2
次に、\(c_1\) を求めますが、そもそも \(c_1=a_1-b_1\) とありました。
前に戻って情報を見返すことは頻繁に行いましょう。
\(a_1\) と \(b_1\) も、(1)(2)ですでに求めています。
\(a_1=-6\)
\(b_1=12\)
です。
よって、 \(c_1=a_1-b_1=-6-12=-18\)
より、ツテト=-18
いよいよ最後、 \(\{c_n\}\) の一般項です。
これも今までやってきたことを見返します。すると、
\(\{c_n\}\) の階差数列を \(\{d_n\}\) としたのであり、
\(d_n=6n^2-2\cdot3^{n+2}\)
と求めてきたのです。
ですから、階差数列からもとの数列の一般項を求めます。
ただの定番問題ですね!
\(c_n=c_1+\displaystyle \sum_{ k = 1 }^{ n-1 } d_k\)
\(=-18+\displaystyle \sum_{ k = 1 }^{ n-1 } (6k^2-2\cdot3^{k+2})\)
\(=-18+6\displaystyle \sum_{ k = 1 }^{ n-1 } k^2-2\displaystyle \sum_{ k = 1 }^{ n-1 } 3^{k+2}\)
\(=-18+6×\displaystyle \frac{1}{6}(n-1)n\{2(n-1)+1\}\)\(-2×\displaystyle \frac{3^3(3^{n-1}-1)}{3-1}\)
\(=-18+n(n-1)(2n-1)-(3^{n+2}-27)\)
\(=2n^3-3n^2+n+9-3^{n+2}\)
より、ナ=2、二=3、ヌ=9、ネ=2
以上、求まりました!