センター試験・過去問研究
センター試験の過去問を徹底解説します。
センター試験とはどれくらいのレベルの問題が出るのか、どのような出題があるのか、まずは経験値をつみましょう!
参考図
次の \(ア\) には、下の0~4のうちから当てはまるものを一つ選べ。
\(\angle ABC\) の大きさが変化するとき四角形 \(ABCD\) の外接円の大きさも変化することに注意すると、\(\angle ABC\) の大きさがいくらであっても、\(\angle DAC\) と大きさが等しい角は、\(\angle DCA\) と \(\angle DBC\) とアである。
0 \(\angle ABD\)
1 \(\angle ACB\)
2 \(\angle ADB\)
3 \(\angle BCG\)
4 \(\angle BEG\)
解説
すでにある図で考えていきましょう。
\(\angle DAC\) と大きさが等しい角は、\(\angle DCA\) と \(\angle DBC\) とあります。
まずは、この情報を図にいれます。
なんで等しいのかな?という確認が、そのまま他はどこかな?という探索につながることでしょう。
\(\angle DAC=\angle DBC\) は、弧 \(DC\) の円周角です。
\(\angle DAC=\angle DCA\) は、\(DA=DC\) より、 \(\triangle DAC\) が二等辺三角形だからです。
さて、\(\angle DCA\) と等しい円周角はまだ登場していません。これですね。
弧 \(AD\) の円周角より、\(\angle DCA=\angle ABD\)
より、ア=0です。
では続きです。
次に、 \(\triangle ACD\) と直線 \(FE\) に着目すると、 \(\displaystyle \frac{GC}{DG}=\displaystyle \frac{エ}{オ}\) である。
\(AE\) と \(EC\) の辺の比ですが、\(\triangle BCA\) に注目すれば、\(BE\) は角の二等分線ですから、 \(AE:EC=BA:BC=4:2=2:1\)
つまり、 \(\displaystyle \frac{EC}{AE}=\displaystyle \frac{1}{2}\)
より、イ=1、ウ=2
次に、 \(\triangle ACD\) と直線 \(FE\) に着目せよ!とかいてあるので、注目しましょう。
これはメネラウスの定理を使う典型です。パッと見た瞬間迷わずメネラウスの定理だ!ってわかりますね!
メネラウスの定理より、
\(\displaystyle \frac{GC}{DG}=\displaystyle \frac{1}{3}\) である。
より、エ=1、オ=3
では続きです。
このとき、 \(\triangle AGD\) の辺 \(AG\) 上に点 \(B\) があるので、\(BG=カ\) である。
また、直線 \(AB\) と直線 \(DC\) が点 \(G\) で交わり、 \(4\) 点\(A,B,C,D\) は同一円周上にあるので、\(DC=キ\sqrt{ク}\) である。
角 \(ABC\) の大きさが変化するとき・・・
と問題の序盤にありましたね。
つまり、参考図とは違ったときの図のことを考える問題です。
参考図をながめていると、\(AB\) と \(BG\) が折れ線ですけど、これが一直線になるときを考えるので、
こんな感じのときであろうことが想像できますね。
比率とか、角 \(ABC\) の大きさとか、正しい図はわかりませんけども。
ということで、この図を改めてかくのです!余白にどんどん図をかいて、目で見て解くことが重要です。
さて、求めるのは\(BG\) です。
チェバの定理かメネラウスの定理で求まりそうな図形じゃないですか。
ですので、円はいらない。比率は正しくかかなくとも大丈夫、なので、
なにはともあれかきます。
そして、情報をかきこみます。
とりわけ先ほど求めた比率を入れます。
これはチェバの定理そのものじゃないですか!
より、\(BG=3\)
カ=3
また、\(4\) 点 \(A,B,C,D\) が円周上なので \(DC\) が求まるとあります。
これは方べきの定理そのものです。
\(GB \cdot GA=GC \cdot CD\) なので、
\(3 \cdot 7=z \cdot 3z\)
\(z^2=7\)
\(z \gt 0\) なので、\(z=\sqrt{7}\)
よって、\(DC=2z=2\sqrt{7}\)
よって キ=2 ク=7
続きです。
あと少しですよ。
このとき、四角形 \(ABCD\) の外接円の直径は \(ケ\) であり、
\(\angle BAC=コサ°\) である。
(1)の一直線のときとはまた違った場合を考える問題です。
これはなかなか難しいのですが・・・
正攻法と裏技、両方説明します。
まずは正攻法
外接円の半径と言えば、正弦定理ですね。
\(2R=\displaystyle \frac{辺の長さ}{向かいの角の\sin}\)
です。
\(\triangle ABC\) は \(AB=4,BC=2\) なので、正弦定理の分子は確定しています。
正弦定理の分母が大きくなれば、\(R\) が小さくなります。
つまり、角 \(C\) や角 \(A\) が \(90°\) に近づけばよいことになります。
\(2\) つの角が同時に \(90°\) になることはありませんね。とにかく正弦定理で立式しましょう。
\(2R=\displaystyle \frac{4}{\sin C}=\displaystyle \frac{2}{\sin A}\)
\(\sin C :\sin A=2:1\)
であり、角 \(C\)が \(90°\) になれば、 \(R\) は最小です。
それは可能かどうか、図示をして確かめます。
可能ですね!
これって円周角の定理より、\(AB=4\) が直径の外接円です。
よって、ケ=4
\(\sin A=\displaystyle \frac{1}{2}=30°\)
三角形 \(ABC\) は正三角形の半分の有名三角形ですね。
裏技
\(ケ\) は整数でです、半径が \(1,2,3\) の円に \(AB=4\) は入りません。
半径 \(4\) の円に入るでしょうか。
先ほど見た図が可能ですね。
整数であるという条件はとてつもなく強いです。
あっさり求まりました。
さて、\(\angle BAC\)です。
正弦定理から求めるのでも間違いではありませんが、図示から明らかにわかるというのがベストです。
直角三角形で、斜辺ともう\(1\) つの辺の比が\(4:2=2:1\) ですから、
この直角三角形は「三角定規型」の有名三角形だとすぐに気づきましょう。
※円と正三角形の配置は絶対に暗記です。頻出です。
\(\angle BAC=30°\)
より、コサ=30
いよいよ最後です。
※筆者注
(2)四角形 \(ABCD\) の外接円の直径が最小となる場合について考える。の中の一題です。
さて、正確な作図をしていることが圧倒的な力を発揮します。
まずは図にかきこみます。
\(DA=DC\) ですから、点 \(D\) の正確な位置もわかります。
※ちなみに、\(E\) は水色の正三角形の重心になってます。これを利用した解法も可能です。
さて、\(F\) は\(AD\) を\(2:3\) の位置でした。\(FE\) と \(AB\) の交点が \(H\) です。
目標の \(AH\) の長さは、三角形の相似から求めるのが簡単です。
相似比が \(3:2\) なので、
\(AH=2\)
より、シ=2
以上です!!