センター試験・過去問研究
センター試験の過去問を徹底解説します。
センター試験とはどれくらいのレベルの問題が出るのか、どのような出題があるのか、まずは経験値をつみましょう!
(1)\(A\) さんと \(B\) さんが取り出した \(2\) 個の球のなかに、赤球か青球が少なくとも \(1\) 個含まれている確率は、\(\displaystyle \frac{アイ}{ウエ}\) である。
(2)\(A\) さんが赤球を取り出し、かつ \(B\) さんが白球を取り出す確率は、\(\displaystyle \frac{オ}{カキ}\) である。これより、\(A\) さんが取り出した球が赤球であったとき、\(B\) さんが取り出した球が白球である条件付き確率は \(\displaystyle \frac{ク}{ケコ}\) である。
(3)\(A\) さんが \(1\) 球取り出したのち、その色を見ずにポケットの中にしまった。 \(B\) さんが取り出した球が白球であることがわかったとき、\(A\) さんが取り出した球も白球であった条件付き確率を求めたい。
\(A\) さんが赤球を取り出し、かつ \(B\) さんが白球を取り出す確率は \(\displaystyle \frac{オ}{カキ}\) であり、\(A\) さんが青球を取り出し、かつ \(B\) さんが白球を取り出す確率は \(\displaystyle \frac{サ}{シス}\) である。同様に、\(A\) さんが白球を取り出し、かつ \(B\) さんが白球を取り出す確率を求めることができ、これらの事象は互いに排反であるから、\(B\) さんが白球を取り出す確率は \(\displaystyle \frac{セ}{ソタ}\) である。
よって、求める条件付き確率は \(\displaystyle \frac{チ}{ツテ}\) である。
解説
\(A\) さんと \(B\) さんが取り出した \(2\) 個の球のなかに、赤球か青球が少なくとも \(1\) 個含まれている確率からスタートです。
「少なくとも」は「場合の数」と「確率」においてはキーワードですね。
余事情を考えろ!というキーワードです。
\(A\) さんと \(B\) さんが取り出した \(2\) 個の球のなかに、赤球か青球が少なくとも \(1\) 個含まれていることの余事象は、
\(A\) さんと \(B\) さんが取り出した \(2\) 個の球のなかに、赤球も青球も全く含まれていない
なので、この確率を求めましょう。
つまり、\(A\) さんも \(B\) さんも白球を取り出したということなので、その確率は、
\(\displaystyle \frac{5}{12}×\displaystyle \frac{4}{11}=\displaystyle \frac{5}{33}\)
よって求める確率は、
\(1-\displaystyle \frac{5}{33}=\displaystyle \frac{28}{33}\)
アイ=28、ウエ=33
この確率は、
\(\displaystyle \frac{4}{12}×\displaystyle \frac{5}{11}=\displaystyle \frac{5}{33}\)
より、オ=5、カキ=33
この確率の意味は、
\(A\) さんが取り出した球が赤球であったことを全事象としたとき、
\(B\) さんが取り出した球が白球はどれだけか、というものです。
解き方を2通り示します。
解法1
条件付き確率の意味をきちんと理解していれば、その通りに確率を求めましょう。
極めて簡単に求まります。
まず、\(A\) さんが赤を取り出しました。
その後、\(B\) さんが白を取り出す確率を出せばそれが求める確率です。
\(A\) さんが赤を取り出したとき、残りは、赤球 \(3\) 個、青球 \(3\) 個、白球 \(5\) 個、合計 \(11\) 個の球なので、ここから\(B\) さんが白を取り出す確率は
\(\displaystyle \frac{5}{11}\)
これでOKです。
ク=5 ケコ=11
解法2
「これより」とあるので、オ・カキを利用して次を求めることを意図の出題なのでしょうか?
条件付き確率を公式通りに解くならば、
\(求める確率=\displaystyle \frac{A が赤、その後 B が白の確率}{A が赤、その後の B は何でもよい確率}\)
分子は、\(\displaystyle \frac{オ}{カキ}\) です。
はじめの \(A\) が赤の確率は、\(\displaystyle \frac{4}{12}=\displaystyle \frac{1}{3}\) なので、これを分母とします。
\(\displaystyle \frac{\frac{5}{33}}{\frac{1}{3}}=\displaystyle \frac{5}{11}\)
以上求まりました。
では続きです。
\(A\) さんが赤球を取り出し、かつ \(B\) さんが白球を取り出す確率は \(\displaystyle \frac{オ}{カキ}\) であり、\(A\) さんが青球を取り出し、かつ \(B\) さんが白球を取り出す確率は \(\displaystyle \frac{サ}{シス}\) である。同様に、\(A\) さんが白球を取り出し、かつ \(B\) さんが白球を取り出す確率を求めることができ、これらの事象は互いに排反であるから、\(B\) さんが白球を取り出す確率は \(\displaystyle \frac{セ}{ソタ}\) である。
よって、求める条件付き確率は \(\displaystyle \frac{チ}{ツテ}\) である。
まずは簡単に計算できるものを片付けていきましょう。\(\displaystyle \frac{オ}{カキ}=\displaystyle \frac{5}{33}\) は既に求めたものです。
\(A\) さんが青球を取り出し、かつ \(B\) さんが白球を取り出す確率は
\(\displaystyle \frac{3}{12}×\displaystyle \frac{5}{11}=\displaystyle \frac{5}{44}\)
より、サ=5、シス=44
次に、とても親切な誘導にのって、
\(A\) さんが白球を取り出し、かつ \(B\) さんが白球を取り出す確率は、
\(\displaystyle \frac{5}{12}×\displaystyle \frac{4}{11}=\displaystyle \frac{5}{33}\)
※(1)の一番はじめに求めましたね。もう一回求めてもほとんど時間ロスにはなりませんが。
整理すると、
\(A\) 赤 \(B\) 白の確率 \(\displaystyle \frac{5}{33}\)
\(A\) 青 \(B\) 白の確率 \(\displaystyle \frac{5}{44}\)
\(A\) 白 \(B\) 白の確率 \(\displaystyle \frac{5}{33}\)
これら \(3\) つの事象は互いに排反なので、\(B\) さんが白球を取り出す確率は(\(A\) と無関係に)
\(\displaystyle \frac{5}{33}+\displaystyle \frac{5}{44}+\displaystyle \frac{5}{33}=\displaystyle \frac{5}{12}\)
より、セ=5、ソタ=12
※もちろん、\(B\) さんが白球を取り出す確率は \(A\) さんと無関係に \(\displaystyle \frac{5}{12}\) に決まっています。何番目に取り出す場合も、白球を取り出す確率は \(1\) 番目に取り出すときと同じ確率 \(\displaystyle \frac{5}{12}\) です。
さて、いよいよ最後、条件つき確率を求めましょう。
いよいよ最後です。
求める条件付き確率は \(B\) さんが取り出した球が白球であることがわかったとき、\(A\) さんが取り出した球も白球であった条件付き確率なので、
この条件付き確率\(=\displaystyle \frac{AもBも白球の確率}{Bが白球の確率}\)
となるので、
\(\displaystyle \frac{ \frac{ 5 }{ 33 } }{ \frac{ 5 }{ 12 } }=\displaystyle \frac{4}{11}\)
より、チ=4、ツテ=11