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場合の数と和の法則

場合の数

ある事柄について、考えられるすべての場合の総数を場合の数といいます。


\(1\) つのさいころを投げるとき、出る目の場合の数は、
\(1,2,3,4,5,6\) の \(6\) 通りです。


大、小 \(2\) つのさいころを同時に投げるとき、出る目の和が \(4\) になる場合の数は、
\((3,1),(2,2),(1,3)\) の \(3\) 通りです。

場合の数を求めるときは、もれなく、重複することなく数え上げなくてはなりません。
ただなんとなく思いつくままにかき出していってはミスが起きる可能性が大です。

例題1

大、中、小 \(3\) つのさいころを同時に投げるとき、出る目の和が \(5\) になる目の出方は何通りありますか。

解説

順序良くかき出します。
出た目が大きい順か、小さい順かのどちらかで調べます。
大きい順に調べると、

全部で何通りあるか、数えます。\(6\) 通りです。

さて、この例題にはたくさんの内容がつまっています。
順に見ていきましょう!

辞書式配列

書き出しは辞書式にかき出すのが基本です。
数の大きい順、小さい順も辞書式配列の一種です。

例えば、辞書で「あんこ」と「くすり」と「くらげ」のどれが先に掲載されているか、そのルールを確認しておきましょう。
これは \(1\) 文字目を優先的に比べるのがルールです。

「あ」は「く」よりも先の文字なので、「あんこ」が \(1\) 番先です。
「くすり」と「くらげ」は \(1\) 文字目が同じ「く」なので、\(2\) 文字目を比べます。
「す」は「ら」よりも先の文字なので、「くすり」が \(2\) 番目。

このように言葉を順に並べていくのが辞書式配列です。

先の例題では、
大の目が優先度 \(1\) 位、
中の目が優先度 \(2\) 位、
のように、大きい順に書き出しています。
小さい順で書き出すことも多いです。
いずれにしろ、ルールを決めて、もらさないように書き出します。

樹形図

先の例題では、全部でたったの \(6\) 通りでしたので、書き出しも楽でした。
しかし、何十通りもある書き出しをするのは一苦労です。
その書き出しにおいて、うまい工夫があります。
樹形図です。
毎度毎度同じ \(1\) をかくのが馬鹿らしいじゃないですか。
下図のようにまとめてかきます。

樹のように枝分かれしていくので、樹形図といいます。
樹形図は、書く量を減らす以上の効果があります。
まとめられる所をまとめておくことで、計算で楽に求めることにつながります。

和の法則

「和の法則」

同時に起こらない \(2\) つの事柄 \(A,B\) があります。
\(A\) が起こる場合の数が \(m\) 通り
\(B\) が起こる場合の数が \(n\) 通りのとき、
\(A,B\) のいずれかが起こる場合の数は \(m+n\) 通り


「和の法則」などとたいそうな名前がついていますが、
基本的に、これはいらないです。

上の例題に和の法則を適用するならば、

大の目が \(3\) のとき、\((3,1,1)\) の \(1\) 通り
大の目が \(2\) のとき、\((2,2,1)\) と \((2,1,2)\) の \(2\) 通り
大の目が \(1\) のとき、\((1,3,1)\) と \((1,2,2)\) と \((1,1,3)\) の \(3\) 通り
以上より
\(1+2+3=6\) (通り)
これが和の法則です。

え?こんなことにいちいち「和の法則」などという大層な名前つける必要ないですよね・・・

全部で何通りあるか知りたいときに、起こりうるパターンすべてを数えます。
数えて全部でいくつあるかということは、必然的に和をとります。

和の法則なんて、あたりまえのことであって、難しく考える必要のないものです。

問題を解くときに、和の法則を知らないと解けない、なんてことはありえません。
和の法則ってなんだっけ?と不安になるほうが危険です。
和の法則なんて、いらないんです。

和の法則がどれほどあたりまえで、無意味なものかをさらに痛感してもらいましょう。
先の例題ですが、下のように解いてみましょう。

\((3,1,1)\) は \(1\) 通り
\((2,2,1)\) は \(1\) 通り
\((2,1,2)\) は \(1\) 通り
\((1,3,1)\) は \(1\) 通り
\((1,2,2)\) は \(1\) 通り
\((1,1,3)\) は \(1\) 通り
以上より、
\(1+1+1+1+1+1=6\) (通り)

同時に起こらない事柄の場合の数の和をとる。
これが和の法則の適用することの意味です。
なんてことはない。ただ数えているだけですね。

そもそも場合の数の定義が、
「ある事柄について、考えられるすべての場合の総数を場合の数」
です。総数を求めるためには、全部足すに決まっています。
法則なんて言われなくとも、数えること、和を取ることは、小学校低学年のころからやっています。

例題2

\(1\) とかかれたカードが \(2\) 枚
\(2\) とかかれたカードが \(2\) 枚
\(3\) とかかれたカードが \(1\) 枚
合計 \(5\) 枚のカードがあります。
ここから \(3\) 枚を選んで横一列に並べ、\(3\) けたの整数を作ります。
つくることのできる \(3\) けたの整数は何種類ですか。

解説

場合の数は書き出しがすべてです。
書き出しという基礎をしっかり積んでおけば、いずれ難しい計算・公式が出てきたとき、その意味がすんなりと理解できるようになります。

では書き出しましょう。

百の位が \(1\) のとき

ここまで \(7\) 通りです。

百の位が \(2\) のときは、樹形図をかき出さなくとも \(7\) 通りになることがわかります。
※わかりますか? \(1\) のカードと \(2\) のカードの枚数が同じで、条件が等しいからです。
百の位が \(3\) のときは、樹形図でかき出します。

以上 \(4\) 通りです。
よって、\(7+7+4=18\) 通りです。

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