\(2\) 次不等式 接する場合
\(2\) 次関数のグラフが、 \(x\) 軸と接するときの
\(2\) 次不等式を見ていきましょう。
\(2\) 次不等式は、必ず図示をして考えましょう。
\(2\) 次関数のグラフが \(x\) 軸と接するときは、
\(4\) つのケースがあります。
順に見ていきましょう。
例題1
次の \(2\) 次不等式を解きなさい。
\(x^2-6x+9 \geqq 0\)
解説
\(y=x^2-6x+9\) のグラフをかきましょう。
グラフと \(x\) 軸との位置関係や、共有点の座標が知りたいのです。
\(x^2-6x+9=0\) を解くと、
\((x-3)^2=0\)
よって、
この \(2\) 次方程式の解は、\(x=3\)
解が \(1\) つだけのとき、グラフと \(x\) 軸は接します。
よって、\(y=x^2-6x+9\) のグラフは下図のようになります。
\(y \geqq 0\) となる範囲が求める \(x\) の範囲です。
よって、求める解は「すべての実数」です。
例題2
次の \(2\) 次不等式を解きなさい。
\(x^2+4x+4 \leqq 0\)
解説
\(x^2+4x+4=0\) を解くと、
\((x+2)^2=0\)
\(x=-2\) ただ \(1\) つです。
よって、\(y=x^2+4x+4\) のグラフは下図のようになります。
\(y \leqq 0\) となる範囲が求める \(x\) の範囲である。
求める解は、\(x=-2\) です。
\(x=-2\) のとき、 \(y=0\) なので、\(y \leqq 0\) の条件にあいます。
\(x\) が他の値をとると、\(y \gt 0\) となり、条件にあいません。
\(x=-2\) ただ\(1\) つだけが条件にあうのです。
例題3
次の \(2\) 次不等式を解きなさい。
\(x^2-2x+1 \gt 0\)
解説
\(x^2-2x+1=0\) を解くと、
\((x-1)^2=0\)
よって、
この \(2\) 次方程式の解は、\(x=1\)
解が \(1\) つだけのとき、グラフと \(x\) 軸は接します。
よって、\(y=x^2-2x+1\) のグラフは下図のようになります。
\(y \gt 0\) となる範囲が求める \(x\) の範囲である。
求める解は、「\(1\) 以外のすべての実数」です。
\(x=1\) のとき、 \(y=0\) で条件にあいません。
それ以外の \(x\) はすべて \(y \gt 0\) を満たします。
例題4
次の \(2\) 次不等式を解きなさい。
\(x^2-10x+25 \lt 0\)
解説
\(x^2-10x+25=0\) を解くと、
\((x-5)^2=0\)
より、
\(x=5\)
よって、\(y=x^2-10x+25\) のグラフは下図のようになります。
\(y \lt 0\) となる範囲が求める \(x\) の範囲である。
求める解は、「なし」です。
解がない、が答えとなります。