\(1\) 次式の \(n\) 乗の積分
\(\displaystyle \int (ax+b)^n dx=\displaystyle \frac{1}{a}\cdot \displaystyle \frac{1}{n+1}(ax+b)^{n+1}+C\)
特に、\(a=1\) のとき、
\(\displaystyle \int (x+b)^n dx=\displaystyle \frac{1}{n+1}(x+b)^{n+1}+C\)
※かっこの中が \(1\) 次式のときにのみ使えます。
数学Ⅲで学習する公式なのですが、数学Ⅱの範囲でこれを使っても、まったく問題はないです。
そして、ぜひ知っておくべき公式です。
具体例
\(a=1\) のとき
\(\displaystyle \int (x+4)^2 dx=\displaystyle \frac{1}{2+1}(x+4)^{2+1}+C\)
\(=\displaystyle \frac{1}{3}(x+4)^3+C\)
\(x+4=X\) とおけば、\(\displaystyle \int X^2 dx=\displaystyle \frac{1}{3}X^3+C\) と同じです。
けっこう覚えやすい形をしていますね。
\(a \neq 1\) のとき
\(x\) の係数が \(a (a\neq1)\) のときは、\(\displaystyle \frac{1}{a}\) をさらにかけなくてはいけません。
\(\displaystyle \int (\)\(2\)\(x-5)^3 dx=\)\(\displaystyle \frac{1}{2}\)\(\cdot \displaystyle \frac{1}{3+1}(2x-5)^{3+1}+C\)
\(=\displaystyle \frac{1}{8}(2x-5)^4+C\)
\(3\) 乗を展開しないで積分計算が終わるので、強力な公式です。
ぜひ覚えましょう。
例題1
次の不定積分を求めなさい。
\(\displaystyle \int (x-2)^2 dx\)
解説
\(\displaystyle \int (x-2)^2 dx=\displaystyle \frac{1}{2+1}(x-2)^{2+1}+C\)
\(=\displaystyle \frac{1}{3}(x-2)^3+C\)(\(C\) は積分定数)
答えは展開せず、このままでOKです。
例題2
次の不定積分を求めなさい。
\(\displaystyle \int (3x-2)^3 dx\)
解説
\(\displaystyle \int (\)\(3\)\(x-2)^3 dx=\)\(\displaystyle \frac{1}{3}\)\(\cdot \displaystyle \frac{1}{3+1}(3x-2)^{3+1}+C\)
\(=\displaystyle \frac{1}{12}(3x-2)^4+C\)(\(C\) は積分定数)
例題3
次の不定積分を求めなさい。
\(\displaystyle \int (x^2-1)^2 dx\)
解説
かっこの中が \(1\) 次式ではないので、このページで学習した公式は使えません。
まずは展開して、普通に積分をします。
\(\displaystyle \int (x^2-1)^2 dx\)
\(=\displaystyle \int (x^4-2x^2+1) dx\)
\(=\displaystyle \frac{1}{5}x^5-\displaystyle \frac{2}{3}x^3+x+C\)(\(C\) は積分定数)